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八月某日 コーヒーのある生活

仕事中、1日に数回コーヒーを入れる。
大抵ドリップコーヒーを使う。
一杯のコーヒーができるまでには、いくつかの工程を踏む必要がある。

1つ、お湯を沸かす。
ティファールでマグカップ一杯分よりも少し多い量のお湯をこしらえる。なぜなら、コーヒーが冷めてしまったときにお湯で薄めるため。

1つ、ドリップコーヒーを取り出す。
ティファールが載っている棚の上に、ドリップコーヒーがストックされている。1つ取り出して、封を開け、マグカップの上にセットする。

1つ、お湯を注ぐ。
始めに少量のみ注いで20秒ほど待つ。コーヒーを蒸す作業らしいが、味に影響があるのかは、わからない。
コーヒーがフィルターから落ちるまでには、少し時間がかかる。大きめのマグカップをいっぱいにするまでには、三度から四度ほどお湯を注ぎ足す。

この1連の作業を終えるまでに、およそ5分ほど要する。この5分こそが肝心なのだ。
お湯の沸き具合を確かめたり、コーヒーが落ちるのを眺めたりする5分の間、私の注意はマグカップにのみ向けられる。
仕事が煮詰まっていても、お構いなし。
コーヒーが入る頃には、すっかり頭の中は空っぽになっているだろう。
そこにカフェインが入るのだから、もう怖いものなしだ。

ところで、カフェイン飲料は嗜好品としてかなり優秀だと思う。頭が冴え、眠気が覚め、幾分かの高揚感ももたらす。おまけに、健康にも良いらしい。
じわじわと命を削るニコチンとタールや、理性を緩めるアルコールに比べて、はるかに扱いやすい。
カフェイン万歳!!

…話をコーヒーに戻そう。
コーヒーはコミュニケーションツールとしても使える。
缶やペットボトル、ドリップ、粉、豆など様々な形があるコーヒーは、日頃の小さな感謝やねぎらいの気持ちを伝えるのに便利な代物である。

コーヒーをプレゼントする事は、コーヒーそれ自体に加えて、リラックスする時間を手渡すことになる。
頑張る人に一杯のコーヒーを差し入れる事は、人間関係をぐっと暖かくしてくれる。

たかがコーヒー、されどコーヒー。
その1杯の豊かさは、計り知れない。

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