妊娠条令

おはようございます。今日も元気良く妊娠して下さい!

少子高齢化を防ぐ手段として

妊娠条例が科された。

15歳から20歳の健康体な女子は初期受精。

20歳から25歳の健康体な女子は中期受精。

25歳から40歳の健康体な女子は高期受精。

と定められている。

15歳から20歳までの健康体男子は初期。

20歳から25歳までの健康体男子は中期。

25歳から40歳までの健康体男子は高期。

と定められている。

各都道府県に妊娠工場を建設。

妊娠条例に定められている通りにする事。

もし、逃亡しようとした人間は死刑に処する。例外として既婚者は除く。

K県H市妊娠工場。

工場内を一望出来る工場長室から監視カメラのモニターを工場長新川圭介は見つめていた。

「どうかな?今日も張り切って妊活はしてるかね?」

「はい。」

視察に政治家の山際守が来て新川に聞いてきた。

「アダルトビデオを見てる気分でした。最初は。今は、仕事として見れるまでになりました。」

「そうかい、そうかい、君を選んで良かったよ。何て言っても君も将来は総理大臣になる器だからね。君の父親の新川元総理大臣のようにね。」

ぺてん師のような男だと新川は山際を見ていた。

妊娠条例とは上手く考えたものである。

建前は、少子高齢化に歯止めをとピーアールしているが

実際は性犯罪者やシングルマザーの増加に歯止めをである。

妊娠は、医者に任せてある。

性病、妊婦ではない事をクリアした人間を強制的に妊娠工場に連れて来る。

排卵日、生理などを考えて医者が診断して決める。

高尚なDNAは、高く売れるのでプロのスポーツ競技者や天才と呼ばれる人間のDNAを買う立場でもある。

圭介は、H大学の研究者だった。

主に精神病を軽くする薬を開発中だった。

そこに突然、父親の新川孝が現れた。

「くだらん研究をしてるんだろ?どうせ……。」

孝は、いつも上から目線で人をバカにするようなしゃべり方をする。

「大切な研究中なんだ。邪魔をするなら帰ってくれないかな。」

「お前は、バカなのか?用事がなくてわざわざわたしがこんな場所に来るわけがないだろ!連れて行け。」

孝のボディーガードに圭介を捕まえられて、この妊娠工場に連れて来られた。

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