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残念イケメン曹操の時代へ……

 Amazonプライムで『三国志 Secret of Three Kingdoms』(原題『三國機密之潛龍在淵』、以下『機密』としまあす)を見ています。とうとう曹操が出てきましたが、これが21世紀、最先端曹操だと思えます。

 演じる謝君豪はイケメンだ!
 なんだ、なんでもかんでもイケメンにしやがって……となりそうで、実はなかなか残念なことになっている。この曹操は、素直に美男で立派と言えなに何かがある。袁紹と比較するとよくわかります。

 フットワークが軽い。ノリノリ。なんだいい人じゃん、となりそうでどこか不気味だし、軽薄さがある。
 あんまり美声じゃない。口調が割とお気楽か、毒舌か。もっと威厳のあること言えよ、となる。しかもデフォルトが狡猾です。
 なんか動きがチマチマしているというか、セカセカしちゃってる!

 威厳や威圧感がないというか、チャラけているというか。すごく賢そうなんだけれども、しつけか性格に問題ありだと思える。これは郭嘉も同じようなところがあります。

 で、これが史実に近いと思った!

 曹操は、顔の作り以前に、やることなすことがチャラけていて、大人(たいじん)の風格が欠けていたんじゃないかとは思う。

 若い頃は体にフィットする服ばかりを着る。そういうタップリしていない服は、チャラいんです。
 身の回りの細々したものをポーチに入れて持ち歩く。別にいいじゃん、って? 原題でも、モバイルバッテリー、ケーブル類。移動中に読む本とか、おやつとか。カバンにやたらと入れて常に持ち歩く奴はなんか落ち着きなさそうじゃないですか? 曹操はなんか忘れ物が嫌だったんですかねえ。
 ツボに入るとケタケタ笑いまくる。頭ごと食器に突っ込むことも。
 ノリノリで手をぶっ叩いたり、裸足でダッシュしたり、キレて家臣をボコ殴りにしたり。性格の振り幅がでかい。
 結構、わんわんと泣いてる。
 口が悪い。ともかく口が悪い。
 テンションあげたい! 高いところに登ったり、名文読んだり、酒飲みてえ!!
 埋葬にしたって「何も入れないでね、地味にしてね!」と言い残すし。TPOをわきまえない。

 家臣でもプライベート交際を断固拒否する人もいるし。あいつはやばいと言われまくるし、威厳がなくて空気が読めなかったんでしょうね。
 
 そういうところだぞ、孟徳!……空気読めなさすぎて評価が下がって、袁紹みたいな威厳があるジェントルマン気質が受けたんでしょうね。気持ちはわかるわ。

 そんなわけで、『機密』曹操は、残念イケメンでかなり理想的であると思えます。

「曹操ですぅ、ぎゃぼー」
 とかなんとか言い出しそうなアホさがたまらんものがある。見るからに性格の悪い陰険であるよりも、たちが悪い。

 息子の曹丕もおかしくて、
「曹操軍はアットホームな職場です!」
 みたいなことを真顔で言い出したときは、もう、どうしたらいいのかわかりませんでした。まあでも、実際満寵はじめ、おもしろおかしい奴ばっかりだからさ……。

 『麒麟がくる』の織田信長も残念な言動をしばしばやらかしますが。新知見で英雄の残念なところを見せていく流れができているんでしょうね。

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小檜山青 Sei KOBIYAMA
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