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『おかえりモネ』第94回 “大黒柱”から許可を得る

 島へ帰ってきたい――その思いを、まず妹のみーちゃんに伝えるモネ。そんな姉に、未知は戸惑います。

なんで私に聞くの?

 未知は戸惑いながら、仕事をどうするのかと聞く。モネは地方の仕事を提案していて、それが通らなければ辞めると断言します。そしてここで気象を仕事にすると言うと、未知は「そんなのない」と返します。
「わかってる」
 モネはいう。なければ生み出せばよいかもしれない。今回の竜巻の件でも役立っている。実の所、気象は万能です。何にでも関わっています。
 モネは戻ってきたい。地域に密着した気象の仕事をしたいのです。今回の件で手応えとやりたいことの確信を得ました。そして未知はもう地域に貢献していると言います。未知は牡蠣とワカメのことを研究しているだけと謙遜するのですが。そして戸惑いつつ言います。
「なんで私に聞くの? 戻ってきていいのかなんて……」
 この家をずっと守ってきたのは、みーちゃんだから。モネがそう返すと、未知は言い返します。
「やだ、って言ったら戻ってこないの?」
 モネはキッパリ言い切ります。みーちゃんが嫌なら戻らない、それが当然。
「私はここから逃げたから……」
「ちがう」
 未知はひどいことを言ってしまったと言います。確かに津波を見ていないとモネに言っていた。それでもモネは、未知は悪くないという。受け止められなかったことを反省しているのです。モネも自分のことに精一杯だったのです。だからこそ、もう一度やり直させて欲しい。
 未知はモネに戻ってくるように言います。島だけでなく、二人で島ごと気仙沼を盛り上げるくらいのことをしちゃえ。そんな柄にもないことを言う未知です。
 モネはその言葉に安堵し、これから出勤すると告げます。
「まだ何もしていない」
 モネはそうキッパリと言い切ります。
 この場面はかなり時間を割いた。むしろ菅波よりも割いた。三生の剃髪といい、菅波のプロポーズのインパクトがどんどん薄れてゆく。どういうことでしょうか?

 お手伝いにきたみなさんは、亜哉子の作った朝ごはんを食べて帰ってゆきます。モネが東京に帰ると告げると、耕治たちはモネにはモネの仕事があると理解します。田舎らしく、ここでどの車に乗るのかささっと決まってゆきます。地方は自動車が大事なのよ。未知は三生の“断髪式”にくるようモネに言い、“得度”と三生から訂正されます。しっかりものの未知が素で間違えるところがめんこい。

宮田のホルンを聞いて欲しくて

 そして東京に戻ると、汐見湯に菅波がいます。
 ここの両者の表情にご注目を。満面の笑みを浮かべない。この二人は表情豊かではない。ただ、猫のことを思い出しましょう。ピタッとくっついてくるとき、猫は相手に愛着を感じている。でも表情豊かでもないし、犬のように尻尾を振って飛びつくわけでもない。それでも猫には猫の愛や甘え方がある。この二人はそういうタイプですので。
 私はこちらの方が断然好きです。大仰に顔芸やしぐさをするドラマは見ていて疲れるんですよね。
 モネが冷静に待っていたことに礼を言い、菅波は冷静にすれちがいにならずによかったと返す。そして菅波は時間があるか確認し、会ってもらいたい人がいると告げます。
 ボイラー交換を終えた、修理工の宮田です。宮田の修理に奈津は感謝しています。宮田彰悟は、6年ぶりに菅波に再会しました。彼の方から声をかけられて驚いたそうです。もっとぶっきらぼうだったと宮田が言うと、菅波も宮田が明るくなったと返します。
 昨日再会したとき、菅波は帰り際に演奏を頼みました。菅波は彼の話に感動したそうです。
 宮田はホルン奏者が続けられなくなり、菅波を恨みました。演奏も辞めたのに、息子は楽器が大好き。そしてホルンを見つけてしまいました。吹いて! そう言われて吹いてみると、息は続かなかったけど、息子が大喜び。最高だと喜ぶ。
 だから、宮田はホルンを持ってここまできているのでした。

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