『ちむどんどん』第90回 結婚披露宴へ
そしてついに、暢子と和彦の披露宴です。おめでとう!
歌子、なかなかの策士
今回は歌子が策士でした。
熱があるからとかなり強引にお願いし、智を披露宴に参加させる。歌子の狙いはわかる。歌子は智がねーねーを好きなことくらいわかってる。一番わかっているかもしれない。だからこそケジメつけさせなくちゃ! そうして次に踏み出して欲しい。次って自分に? それはどうかな。
歌子はおとなしくて引っ込み思案だった。それが民謡を習ってここまで策士になったのでしょう。
歌うことの自己解放をもたらしたのは、これまた強引な下地先生でしょうね。厚かましさや積極性にプラスになる。こういうのが伏線回収だな。
オーナーも踏み出した
房子周辺もそう。房子と三郎、多江、そして二ツ橋まで、この披露宴出席により過去にけじめをつけます。房子と対面した多江。その二人のほっとした顔。
二ツ橋が三郎にイライラしていたのは、すっきりさせないことかもしれない。二ツ橋もつきものが落ちたようにすっきりさっぱりして、感無量の表情で見守っています。こうして一歩、前へ向かったんですね。
はしゃぐ“しーちゃん”もまた
ドレスにしようか。お色直ししようか。そうはしゃぐ重子は確かに“しーちゃん”。オルゴールが好きだし、『少女世界』を読んで育ったメルヘンチックな女性だったのでしょう。それを押し殺していたのが、ブワッと出てきたようです。
田良島の非難轟々だった「母は息子と結婚したい」を回収したともいえる。悪い意味でなく。息子からの愛を求めた結果、暢子の料理と言葉で史彦への愛を取り戻した。結婚したいのは息子でなくて夫でしょ。そこまで一周回ってさっぱりしたので、結婚前の本質にまで戻ったんじゃないかな。
鈴木保奈美さんはいい役をもらいましたね。憎々しいおばさんと、かわいい女の子。どちらも備えた素敵な役です。
朝ドラに対し過剰に好感度を求め、憎たらしい面のある役を「かわいそー」という意見はわかってないと思いますよ。憎々しい面も演じてこそ、演技の幅は広まります。
石川家の3人も楽しそう。川口春奈さんは若いのにしっかり着物を着こなしていて素晴らしい。それをいうなら、仲間由紀恵さんもおとなの女性らしい和服の着こなしです。
冠婚葬祭の意義とは、こうして人が集まることにあります。
インフォデミック観察
でも、最近くせになっているのは、こうしていいと思えるところをどう反省するか想像できるようになったあたりですね。
これって別に朝ドラだけのことでもなく、人間の集団心理なんでしょうね。
社会倫理よりも村の倫理が優先する。
長いこと人類はそれでよかった。村で暮らして生きて死ぬならば。でも国家なり王朝なりできてくると、大人数をまとめるためのルールができる。別の集団との関わりを学ぶようになる。いちいち戦争していたら持たないので。
それが宗教なり、法律であると。
SNSというのはこうしたところから始まったのだろうと思います。狭い界隈、おらが村のルールで暴れると気持ちいいんだろうと思いますよ。
別段、朝ドラ界隈だけでなく。ありとあらゆるところでそうなりつつある。パンデミックも問題だけど、インフォデミックも大問題。その観察をするには朝ドラ反省会界隈はじめファンダムはなかなか勉強になるとは思っています。
人には勧めないけど。
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