『ゴールデンカムイ』#308 似た者同士
土方が切り付けると、ヒグマは驚いて後続車両へ向かってゆきます。ヒグマはとどめをささなくとも、こういう攻撃でも逃げてゆくもの。マキリはその用途で使えるし、ナタや鎌で撃退した例もあります。ヒグマも痛いのは嫌なのです。土方は山南のことを思い出している。なかばあの世へ旅立ちつつあるのです。
頭を甘噛みされる白石を経て、ヒグマは後続車両へ。一方、鶴見はアイヌの権利書を手にして、矢は捨てました。ついてこなかった月島と鯉登はあっさり見捨てたようです。かわりに尾形に対して、自分が囮になるから杉元たちを狙撃しろと命じる鶴見。
ヒグマと土方は、応戦する第七師団兵に撃たれます。近藤の幻を見ながら、土方はついに膝をついてしまう。その彼の前には、若き日の彼自身の横顔が見えています。それは杉元の姿と重なりました。
土方は杉元に和泉守兼定を託し、こう言います。
「義に命をかける似たもの同士、私の受けた恩くらいは託させてくれ。金塊と権利書は倭人とアイヌも救われるように」
杉元は刀を受け取ります。アシリパは土方の死をみて、またもぞっとしています。
鯉登と月島は力尽きています。うつぶせの鯉登は大量の失血、痛み、爆破音によるショック。刀で斬られたので今後は感染症に注意。体力低下。月島も爆発音によるショック。もう戦闘不能ではあるけれども、死ぬほどの重症ではないとみた。ただ、家永はもういませんが。
永倉と夏太郎は、牛山と土方を見つけます。ガムシンと呼びかけ、昔は楽しかったと語る土方。やっとこれから、もっと面白くなってくるはずだったのに。あの頃より暴れてやろうと。我が人生の春はこれからだと。
「悔しいなぁ……」
そう言いつつ、ふっと笑みを浮かべて世を去る土方でした。
一方でなんだかんだでヒグマは屋根の上に。どうやってここまできたのかと尾形も驚いています。そして頭を撃つものの、頭蓋骨が頑丈で死なない。強い奴を倒すときは頭を狙わない。そう過去に杉元から学んだものだから……と思っていたら、その杉元に背後から刺されました。
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