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『水都百景録』を楽しもう!「閑人の楊孟瑛さん」

 『水都百景録』はよくわからないシステムもあります。

ただ、そこにいるだけ

 餌場。捕まえた動物がうろつくだけ。野菜と肉が消費される。ただの癒しです。延々と明太祖・朱元璋にフン清掃をさせています。巧臣を片づけるよりも、気持ちが安らぐことでしょう。

「閑人」もそうだ

 杭州でひたすら浚渫(しゅんせつ、河川からヘドロを取り除くこと)をする。その計画を指揮しているのが楊孟瑛です。明代の実在人物です。
 ところが、この浚渫を終えると楊孟瑛が「閑人」として出てきます。街の中をうろつき、仕事をしない。ただそれだけの存在として出て来ます。

楊孟瑛は閑人になることが幸せ

 楊孟瑛は実在し、彼が築いた楊公堤は今でも杭州の人々の暮らしを支えているとか。中国は黄河と長江があります。この川が肥沃な大地をもたらすものの、水害も深刻です。
 古代中国の聖王・禹(う)は、黄河の治水をした伝説があります。水を制する者は天下を制するんですね。そういう思想がずっとあるならば、楊孟瑛は偉人だと思うじゃないですか。
 実際、顕彰もされています。

 が、しかし……史実での彼は不運でした。正徳帝を唆した悪徳宦官・劉瑾一派とされてしまい、失脚しているのです。ですから彼はそんな政治から離れて、ゆったりとした方が幸せなんでしょうね。楊孟瑛は正徳年間の人物なので、文徴明らも「ああ、あの人ね」とわかる世代です。

悪徳宦官をゲームだろうと許すな!

 明朝は宦官の弊害が中国史上最悪とされます。中でも天啓年間の魏忠賢は最も悪どい。
 実は魏忠賢は本家『江南百景図』では実装されており、そのイラストがチラッと見えることもあります。しかし魏忠賢とその一派・閹党(えんとう)は江南士大夫で結成された反宦官派・東林党を厳しく弾圧したため、江南にとっては仇です。ユーザーの抗議により、改名を経て削除されました。中国共産党の締め付けではなく、江南の歴史と文化を愛する、そんな文徴明たちの末裔が消したということですね。納得です。確かにこれはおかしな人選だもの。

今後の閑人は……

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