『おかえりモネ』第75回 ずっとがんばってきたのに

 亮は船にも家にも戻っていない。一体何があったのでしょうか。

向こうで美波と会いたい

 思えば何の書類かわからなかった、美波に関するあの封筒のことが亜哉子から語られます。フミエはもう82歳になった。向こうで美波に会えるようにしたい。死亡届を出し、葬儀したいと言い出しします。だからこそ秀水もこの場に呼ばれたのでしょう。雅代の遺影と龍己の顔も映されます。自分よりずっと若い新次なのに妻を失ってしまったと。
 フミエは新次に大事にされた美波は幸せだったと語ります。けれども新次は、そんなこと本人に聞いてみねえとわがらねえという。フミエが向こうで聞くと言うとますます納得できません。
 その場で新次は考えて返答するといい、亮を船に乗せたと亜哉子は言います。けれど昨日の昼、新次が家で暴れていると永浦家に連絡があった。耕治と亜哉子が見たのはやめていたはずの酒を飲み、荒れ狂う新次でした。飲まねえとやってられねえ! そう新次は叫ぶ。
 死亡届にハンコを押したら、この手で美波の死を認めることになってしまう。新次にそんなことはできない。生んだ母であるフミエが認めようにも新次にはできっこない。

全部やめてもいいかな

 新次が暴れたことは警察から亮に連絡されたそうです。けれどそこから先、亮に連絡がつかない。電話をしても出ない。未知がかけても出ない。モネはいったん亜哉子の電話を切り、亮にかけます。ややおいて電話が通じました。
「大丈夫? 今どこにいるの?」
「モネ……どう思う? 俺、全部やめてもいいかな。俺もう、全部やめてえわ。ごめん、俺、やっぱ……モネしかいえる相手いない。悪い、また連絡する」
 そう弱々しく言い、電話を切る亮。モネは電話を切ると、港なら漁協に連絡すればいいと解決策を言いだします。
 けれども、未知がここで亮に続いて我慢の限界に達してしまう。
 なんで? りょーちんがんばってきたのに。新次さんのかわりにがんばってきたのに。なんで?
 逃げられないんだよ、本当に。誰かが残んなきゃいけない。
 そう言い出した妹に、モネは思わず謝ります。けれど未知はどうして謝るのかとかえって言い出す。
 お姉ちゃんはずるい! なんでお姉ちゃんばっかり……。
 そう手にしたワンピースを姉に叩きつけるのでした。明日美と選び、亮がかわいいと褒めた服でした。

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