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『ゴールデンカムイ』#299 許し

 鯉登は堀からあがり、月島を呼ぶ。しかし月島は、兵糧庫から馬で土方のいる方へ走る。兵糧庫には矢が落ちております。月島は彼なりにアシリパの気配を感じています。
 さて、その土方組。夏太郎が永倉の窮地を救っております。夏太郎は経験不足、永倉と土方は老齢。戦力的にどうでしょうか。牛山は強いけど。

 ここでマタギがやってきた理由がわかります。函館まで妻子とともに来ていた谷垣は、五稜郭で戦闘が起きていることとを噂として聞き、永倉が馬で走る様をみていました。フチに助けられてばかりであると気にしていた谷垣。インカラマッはそんな夫の心残りを察知し、行くよう促したのでした。
 アイヌの話を読んでいると、女性の判断をとても重視すると思えることがある。和人も刀自の判断力や意見は重視していたと思います。そういう賢明さがある気がする。フチへの敬愛あってこそ、アイヌの話だなと。
 谷垣というカードが揃ったことで、むしろ鶴見の寿命が縮まったと思います。月島は、鯉登と共謀して谷垣とインカラマッの逃亡を見逃しました。あの二人だけは殺してはならないと、月島は鯉登に誓った。谷垣をどうするのか?

 鶴見はソフィアの元にいました。ウイルクとキロランケ、そして自分が写る写真を懐から取り出すソフィア。
 私達さえ来なければ……ごめんなさい。
 そう謝る、死にゆくソフィア。長谷川の妻子を犠牲にしたことを、彼女はずっと気に病んでいました。長谷川の顔になって、苦しんでいたソフィアに寄り添い、許すと告げるととどめを刺す鶴見。片腕をまっすぐ伸ばして銃で撃つ、処刑スタイルです。実は将校用拳銃って、こういう使い方でもないとそこまで殺傷力ないんですよね。ゆえに鯉登も本気の時は軍刀だけども。拳銃の正しい使い方しやがるなあ、鶴見よぉ!
「キミのことは許した」
 そうすっきりさっぱり言い切る。ソフィアの上に写真を置き、ウイルクを三発撃ち抜きました。ウイルクは許していない。その憎悪はアシリパへ向かう。
 月島の馬の後ろに乗り、脳汁をプシャーと溢れさせる鶴見。ソフィアの死を見たアシリパの悲嘆はわかる。鶴見のノリノリもわかる。けれども気になるのは、月島の顔がわからないこと。彼とてソフィアと鶴見の因縁は気づいているでしょう。で、月島の心には、妻子の仇討ちをするために、思いを捨てていない鶴見へのわだかまりがある。
 まだ月島の去就、忠義の向く先がわかりません。しかし、ソフィアの殺し方を見て、鶴見の“私怨”を察知したのでは? となると……。

 そして尾形登場だ。
 逃げるとすれば北口か東口だと思って見張っていて、狙撃に最適な木の上で待っていました。
 自分が期待されているとわかっているのか、いないのか。実にスカした顔をして、一発をどこに使うか考えています。状況的に一発で居場所がバレたらまずい。すごく大事だとわかっていて、ワクワクしつつ考えているのでしょう。
 こいつは動くとろくなことにならん。どうするつもりなのか?

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『ゴールデンカムイ』アニメ、本誌、単行本感想をまとめました。無料分が長いので投げ銭感覚でどうぞ。武将ジャパンに掲載していました。歴史ネタでより楽しめることをめざします。

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