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『おかえりモネ』第87回 この愛は世界とつながっている

 モネのプレゼン内容は? 今、日本では異常気象が増えています。全国津々浦々に気象予報士がいれば、目で見て情報をキャッチし、その土地にあわせた気象予報を提供できる。そう語ります。

地方に気象予報士をおくメリットとは?

 安西は指摘します。気象庁や放送局も地方展開している。需要はあるのかな? モネは知り合いの医師とも連携について打ち合わせをしたと語ります。医療との連携も考えているとか。
 今から2ヶ月前――知り合いの医師こと菅波とモネは、汐見湯で語り合っていました。家族構成を把握し、避難計画を立てること。あの家にはお年寄りがいる。あの家には赤ちゃんがいる。そう把握しておく。菅波は処方薬の準備をするのもよいと提案します。
 そんな二人を奈津はスケッチしているのですが、たまらず叫んでしまいます。もう再会するのが1ヶ月ぶりなら別にすることあるでしょ、ってさ。思えば2ヶ月ぶりくらいかと当人たちはのほほんとしていますが。仕事でなくお食事! そう促されてやっとどこかに行ったようです。

気仙沼に帰りたいのですか?

 安西はまだ地域密着には疑念があります。そもそも気象予報士が足りない。メリットも不明瞭だ。モネが今コンサルをしているようなこと、いわばオーダーメイド気象用法をやりたいと言うと、安西はそれなら地元に戻る気かと言ってきます。
 実はこれを菅波も指摘していた。
 気仙沼に帰りたいのか、って。
 モネは今の仕事をがんばりたいとは思っている。スポーツ気象も、報道も。でも、気仙沼で何かしたい気持ちはある。体がふたつあればいいのに。そう嘆くモネに、菅波はそれなら自分が口を挟むことはないと言います。登米の自分はどちらにもいない、って。モネは気仙沼も登米も近いし同じようなものと弁解します。
 ここで”百音さん“と呼ばれるとモネはいやがります。菅波のことは“光太朗さん“と呼ぶと、嫌な顔をするそうです。母からそう呼ばれているからだって。結局”先生“と呼んでしまうモネです。”マモちゃん“と呼べる明日美とはちがいます。菅波は”百音さん“が結構気に入っているようですよ。
 このドラマは理詰めなので、何も考えずにふわふわ萌え萌えキュンキュンを出しません。数字稼ぎと時間を埋めるために、強引にそういう描写を入れるあざといドラマもありますが、本作はそうではない。こういう呼び合いの場面は、明日美と内田との対比でしょう。
 モネも菅波も、相手の浮気をまるで心配していないところも、対比として重要でしょう。お互い魅力的でステータスも高い。それでもモテるようでそうでもない、隙がないタイプなのです。モテだけが人間の価値じゃないんですよ。

神野の野望、一歩先へ

 今週末は台風接近のため、その編成となります。2019年の台風といえば、ちょうど2年を過ぎたばかりの「令和元年房総半島台風」を思い出します。その編成になると高村がモネと神野に伝えます。それから神野に残るように言います。神野は明るく豪快なようで心配性です。降板かと一瞬怯える。それをモネがフォロー。モネは気の合う仲間の不安を察知しフォローできるのです。でも今回は悪い話じゃないそうですよ。
 なんと! 夕方の放送番組メインキャスターの話が来たそうですよ。でも仙台ローカル局で、知り合いが話を持ってきたそうです。あ、この知り合いって、あの新キャストの方だろうと予想するのも楽しいですね。
 ここで高村がこう、相手が言っていた神野の長所を指摘します。
 視聴者目線になるのがいい。これ、そう言っているのが仙台の人ですからね。震災に対して無関心、震災被災者に寄り添えない人材は求めていないってことだ。
 神野が目をキラキラさせていると、高村はオーディションはすると言います。そして全国狙いなら断ってもよいと言います。神野はキャスターとなるためにも挑戦すると言います。そして高村が推薦してくれたのだと見抜いています。高村は話の流れでそうなったと軽くかわします。
 でも、神野はとてもかわいい、賢い、フットワークが軽い、入念といろいろ長所がありますので! 高村の過去のキャスター時代も見たときっちり言っています。神野って、ファッション誌の取材に応じるような人身掌握はしないのですよ。なかなかめんどくさい性格なので、自分の価値を見抜く相手をピンポイントアプローチで落とそうとします。高村は敬愛しているから、「私はあなたの価値を知っているんですよ!」とこういう細やかなアプローチをして懐に入ろうとしています。
 神野は生意気だし、結構きついところもあるし、気分の浮き沈みも激しい。イライラすると炭酸飲料振ったりしちゃう。ボクササイズ好きそう。でも、神野からひとたび懐かれるとすごく可愛いとは思いますね。高村もかわいいと思っているから、推薦しちゃうんでしょう。かわいいだけでなくて、実力もわかっている。顔だけでなく中身がかわいい神野です!

東北の民宿に明日はあるか?

 モネは未知と電話で話しています。
 なんでも亜哉子が落ち込んでいるとか。理由は耕治に民宿再開したいと言ったら、断られてしまったこと。箸がかかって喜んでいたのに、なぜ? 母があんなに楽しんでいた民宿再開をどうして喜ばないの? そう亜哉子は落ち込んでしまう。きっと愛する夫なら大喜びで賛成すると思ってたんだべな。耕治が喜ぶ顔を期待してたわけよ。気持ちはわかる。
 でも、未知は手伝えない。龍己も80過ぎで、ここまで牡蠣養殖を復活させたんだし……そう苦い顔の耕治。
 私も耕治に賛成かなぁ。東北、特に南東北全体が観光打撃を受けて立ち直れねえ。これも震災のせいだ。コロナの前、日本は外国人観光客を頼りにしてきた。海外から来るとなると、東北は交通網の関係で恩恵を受けにくい。おまけにフクイチが決定的だ。フクイチが安全なんて海外じゃ信じられてねえよ。なんでわざわざ日本の東北くんだりまで、危険を冒してまで来るってこと。
 じゃあ日本人観光客は? どうだべな……昭和とはちがう。家族構成が変わったし、昔のようにはいかねえ。民宿再開は、あんまり現実的には思えねえなあ。耕治は銀行やってて金勘定は得意だ。そのへんはわかってっぺ。
 んで、未来の話すっど、コロナよ……。将来的には、耕治が正しいと証明されることになる。観光頼りっていうのは、そういう薄氷の上にいるようなもんよ。
 と、話を戻すと。モネは未知が大黒柱になったと感心しています。未知は、東京で働いている人に言われたくないと、地元の狭い世界に生きていると自嘲します。橋渡って出かけるくらいが世界の範囲。あー、わかる、橋の向こうのユニクロでお買い物ね。仙台エスパルは相当気合い入れないと行けないよね。
 でも、モネは知っています。水産業は世界に通じている。海は世界につながっています。未知の手元には、世界の水産業の本がある。帯にはITともある。そんな妹の野望を姉は知っています。
 そんな中、台風12号は接近中です。

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