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『おかえりモネ』第25回 みんなを喜ばせてこそブレイクスルーができる

 モネはサヤカに思いついたことを言います。それは太陽はすごいってこと! 干物もカッサカサになりますもん! そうはしゃぐモネに、サヤカは返します。
「カッサカサとか言わねえの」
 紫外線が気になりますよね。

学童机を納品せよ

 モネは学童机のことが諦めきれなく考えついたことを言います。素人の思いつきかも、自信がないと言う。そんなモネに安易に年長者の意見を聞くなとサヤカはぴしり。いいですね、むしろ年長者の意見に忖度して瞑想することあるじゃないですか。ダサピンク現象とか(※女性向けはピンクと思いこんだ男性が女性向け製品に変なピンクやお花を取り入れてぶち壊しにすること)。
 サヤカは素人が突っ込むからこそブレイクスルーが起きるとキッパリ。みんなのために考えれば、人は動くと言い切ります。
 おっ? ビジネスモデルとしてかなり上出来じゃないですか!

 森林組合の隣の診療所に、職人の伊藤が来ています。漆かぶれなのにうれしそう。なんでも本漆は十年ぶりだとか。それでうっかり顔をこすってしまったと。木の仕事はやっぱり楽しいね、そう笑顔を見せてきます。
 モネは学童机の可能性を考えてきたと、まとめたプレゼン資料を持ち出します。納期さえクリアすればいい。ならば?

・乾燥する燃料費と期間を節約するためにどうすればいいか?
・ビニールハウスを使ってみたらどうだろう? 使っていないものは結構ある
・燃料はタダ! しかも乾燥機に入らない木材も乾く

 そう言ってみても、皆は重い。運搬費かかるばかりで効率が……とはいえ、今回はかなり大口です。採算面に余裕がある、いける!
 しかし、乾燥だけでもない。広葉樹は手作業、それで4200は厳しい! ここで登米の木工組合の職人は21人いるという。伊藤さんだっている。材料だけ作って、仕事は職人がすればいい! 利益は減るけど、仕事はできる。
 みんなのためになる!
 モネはそう言い出します。儲けは減るけど、伊藤のような職人は仕事ができるし。サヤカの教えがしっかり身についています。

木工回のレジェンドをよべ

 うーん、うーん。川久保が唸っています。いいのか、そうでないのか? 東北らしい悩み方かも。考えています。
 ハウスを開けてもらう。貸してもらう。ビニールハウスはなんとかなる。4200を25人? 一月28? そんでなくてもじいさんばっかなのに倒れちまう! そう悩みだす。ここはもっと職人の数がいればいい。伊藤さんの仲間はどうだろう? 引退してもらって隠居だけど……むしろ師匠だ! 木工界のレジェンドをもう一度呼べばいい!
 そこまで思いつくと、レジェンドたちがぞろぞろやってきます。匠の職人というキャストクレジットがあって不思議に思っていましたが、納得です。
 こういう職人って、江戸時代からの伝統だったりしますからね。守り、生かしていきたい技術がそこにある。
 
 かくして学童机プロジェク度が動き出します。モネは佐々木とペットボトルお茶を差し入れつつ、見守っています。寸分の狂いもねえやすりがけだ! そうレジェンドの技に驚く職人たち。
「ああ、よがった」
 モネはほっとしています。モネは確かにブレイクスルーのきっかけを作った。でも、それをやたらと押し出さないし、むしろ縁の下の力持ちです。誰か一人で大きなことは成し遂げられない。みんなの力で成立させます。
 ヒロイン無双朝ドラはもう古いと。

熱は伝導する

 そんなモネに、菅波はお天気講座を続けています。モネは空気が下から温まることが理解できない。太陽は上から刺しているのに、なぜ? 菅波はビニールハウスをイメージするといいと言います。空気を直接温めないけれど、地面を温める。だから空気は下から温まる。そこを踏まえて雲の説明をしたい、のですが。
 モネはどうして地面を温めるのかと言い出します。
「ああっ、そこから! そこからなのか!」
 ここで菅波は参考書で顔を隠し、それから見せて、どうして顔が見えるか説明する。それは空気が透明だから。光は通り抜ける。通過させずにぶつかってしまう。地面は吸収して温まると。地面から空気が温まる。
 そんな二人を組合のおばちゃんたちは見ている……。
「あの二人」
「そうだな」
「でもまさがぁ」
「あんでねえの?」
「意外とあっかもよ」
 まあ、そうなっかもな。お互いどんだけ意識してんだか。
 モネは納得して、これでやっと雲に移れると菅波はホッとします。しかしモネはどうして物体が均一な温度になろうとするのかと言い出す。菅波は熱の電動は一旦忘れると宣言します。飽和水蒸気と一緒で。取りあえず進む!
 きっと菅波もそう言われていたんじゃないかとは思います。するとここで、サヤカ登場。
「あら、簡単よ」
 ここで野次馬のみなさんは「もう、いいどこなのにぃ!」とくやしがるのですが。
 サヤカは二人を隣同士で座らせる。そうしているとお互い体温を感じる。それが「熱の電動」。それからお疲れ様でした、お先にと帰って行きます。
 ここで熱の電動を確認して、互いの距離が近いことに気づいたモネと菅波。
「あっ!」
 なんだか反応しています。はぁ、でも、普通に帰って野次馬さんをがっかりさせていそうではある。

 こうして机は納品されました。おしゃれ、すげえ綺麗、気持ちいい! 子どもたちは大はしゃぎ。こうしてみるとやっぱりいいと森林組合も納得。レジェンドたちの仕事ぶり、木のにおいに喜ぶ子どもたち。そして木材を使い切った森林組合。
 みんな幸せになりました。
「あの子たちの水と空気を作ってやってんだ。林業は生き残っていかなきゃいけね」
 そう川久保は誓うのでした。

 菅波のもとに、田中という患者が来診に来ています。入院せずに薬物治療で経過をみたいそうです。もうめんどくさいと田中は笑います。そのカルテには「肺がん、ステージ4」の文字があります。
 その田中は、森林組合にいる永岡という女の子のことを知っているかと聞いてくるのでした。

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