『おかえりモネ』第116回 ふたりだけがわかる世界
19対5、それは亮と菅波が、モネと過ごした年数でした。
大事な人を失うのは怖くないか?
そんな二人は語り合います。菅波は余裕があるようで、緊張して吐きそうなのだとか。でも表情が柔らかいあたりに、彼の成長を感じます。かつてならば顔面蒼白か、不機嫌そうになっているか。そのあたりでしょうね。菅波はここでまだ危ういことをいう。モネと経験を共有した量が羨ましいというのです。そう言えることではないと断りますが、亮は顔がひきつっている。震災のあとの経験は凄絶でしたから。でも菅波は素直に「すみません」というし。憎めないんですよね。
亮は思いきって、ここで聞いてみます。
大事な人を失うのは怖くないか――そう問いかけるのです。
菅波は淡々と語ります。どんなに大事な人でも、いつか、不可抗力で失うかもしれない。それは怖い。けれど、それまで大雪にする。目の前の人を大事にするしかない。
それを聞く亮は、両親の姿を思い出しています。失ってしまっても、それまでの歳月がなかったことになるわけではありません。
じゃあ行きますか
ここで菅波のもとへモネが来ます。微笑みあう二人。とはいえ、ご挨拶に不安はあるって。ここでモネは、去年言ったことを思い出させます。
一緒にいることは、二人の未来を考えること。それで十分。
モネは何かあったら答えを出そうとする。それは先生だから出せる。それで十分! そう言い切ります。
「うん、じゃあ、行きますか」
そう告げる菅波です。
この二人ってやっぱり特殊なんですよね。こんなもんさぁ、武将と軍師か! そういうツッコミはしたい。モネと菅波の関係って、参謀と総大将といえば通じる。ブロマンスなんかでもいけるし、組長と若頭とか。そういうヤクザものでも通じるんですよね。曹操と郭嘉とか。家康と本田正信とか。
ラブラブで甘〜い! 内助の功ともちがう。不思議な関係です。
いつか二人で、心の底から、笑えるように
亮は未知の待っているレトロな喫茶店へ。待たせたというと、漁師を待つことが仕事と未知はサラッと言います。それは未知の祖母である雅代も、亮の母である美波もそう。明日美には無理でしょうね。
亮は昨日から考えていたことを言います。大事な人に辛い顔をさせること。未知は「私は大丈夫」と返すものの、亮は続けます。
俺らのことなんか知らない人といた方が心から笑える。未知はこれに、「笑いたくて一緒にいたいわけじゃない」と返します。
亮はずっと気になっていたことがある。ときどき、自分より苦しそうな顔になる未知。何かに縛られている。そういうのは俺だから感じる。他の奴にはわからない。俺にはわからなくても、想像できる。それは俺らだから。
みーちゃんのことをわかるのは、多分、俺しかいない。いつか笑えるようにしてやる。みーちゃんと、一緒にいたい。
そう告げられ、未知は泣いてしまいます。
「ごめん、結局泣かせた」
抱き寄せられて、軽く亮を小突く未知。
「いってー。泣くか怒るかどっちかだな」
「うるさい!」
そう言いつつ、二人は結ばれたのでした。
では行きますか
モネと菅波は永浦家へ。極力礼儀正しくしたい、おかしなことを言い出したら止めてください。そう菅波は言います。妙なことを言うという自覚はちゃんとあるようで。
「はい、ではいきますか」
つきあってしばらく経ても二人はこうです。菅波はここで、モネも緊張していることに気づきます。
それにしても、ここはよいセットです。最終週でこうもきれいなものを見せるとは。冬の夜、東北の漁師の家。そのおぼろな灯りが幻想的です。菅波からすれば遠い世界だったことでしょうね。
「ただいま」
「お邪魔します」
二人はかくして永浦家にあがるわけですが、耕治がおりません。銀行で何かあったと亜哉子がいいますが、今日は祝日。
逃げたんだな。おーい、どうした!
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