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『水都百景録』を楽しもう 科挙ってそんなによいものなの?

 大河ドラマ『光る君へ』では、主人公のまひろ(紫式部)が科挙へのあこがれをうっとりと語ります。
 科挙のある宋は素晴らしい――って、そんなにいいものなの?

時代による

 中国では長い歴史の中、どうやって人材を登用するか、そこを悩んでおりました。
 漢代は孝廉が制定されます。親孝行とか、儒教徳目で選ぶんです。でもぶっちゃけると、家柄やコネ。それとルッキズムよね。このころは見た目で露骨に優劣がつけられる。辛い!
 で、そういうのどうよ? と疑念を呈したのが曹操です。「求賢令」を出しました。どんなゲスでも、実力あれば登用するというシステムです。しかし、その子である曹丕は「九品官人法」という名門が有利になる制度を作りまして。まひろが悩む平安貴族はこのシステムに近いと思えますね。実力あっても下級だとどうにもなりません。『文選』をよみ、下級貴族(寒門)詩人の作品を読むことで、きっとまひろたちもそれを感じていたでしょう。

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