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アニメ『ゴールデンカムイ』35話 罪穢れ

 樺太の氷原で、白石は杉元と再会を果たします。鼻水を垂らしつつ、喜ぶ白石にアシリパの行方を尋ねたのでした。尾形はアシリパに杉元を殺したと主張した。尾形とキロランケが結託していたことを知り、白石は驚いています。 アシリパは、父の教えてくれた記憶をたどります。あの言葉を教えたあと、アチャとレタラがいなくなった。そのこともあり、頭の隅に追いやっていたことをアシリパは思い出すのです。なんでそんなことを……そう悔やむ彼女を尾形が見つめるのでした。

尾形はアシリパに問う

 キロランケたちは、風をやり過ごすことにします。焚き火をするにせよ、流木が足りない。そこで尾形はアシリパを誘い出し、二人きりになるのですが。尾形はアシリパに、重要なことを思いだしたはずだと問いかけます。教えて欲しいと言い出す尾形。白石や杉元と同じように金が欲しい、独占はしないと訴えかけるのです。
 でも、尾形さぁ。津田健次郎さんの演技がそういううまさを発揮していることもあるのですが、冷たすぎるというか。もうちょっと親しみをこめないと。

島を離れたかった娘と、娘を連れ出したかった男

 一方、杉元とはぐれた谷垣たちは? 月島は灯台守の娘・スヴェトラーナを見つけます。この娘にかまっている場合じゃないと言い聞かせつつ、彼女に両親とのことを伝える月島。スヴェトラーナは、島から連れ出してくれるなら誰でもよかった、何もない退屈な島から抜け出したかったと言います。
 犬橇で帰ろうと促し腕を取る月島に、ペテルブルクを見たいと訴えます。月島は怒りつつ、生きていることくらい伝えろと言う。どうしてそんな残酷なことができるのか! スヴェトラーナは、両親に男と強盗して捕まったなんて言えないと涙ぐむのでした。
 ここの月島の顔。彼も、いご草ちゃんと駆け落ちをするつもりでした。もしもそうなっていたら、島で娘を思い泣く夫妻がいたのかもしれない。そういう罪悪感もあるでしょうし。それにいご草ちゃんも、島を出たいから誰でもよかったのかと思ってしまうかもしれない。なかなか複雑な話です。
 彼はスヴェトラーナを覚えていたし、優先順位を変更してでも助けようとする。義理堅く、善良なところがある人物なのです。
 月島と離れた谷垣と鯉登は、脱獄囚に襲われているのでした。

 尾形は、重荷はキロランケとソフィアに任せろと説得にかかる。しかしアシリパは、ならどうしてキロランケから離れて聞き出そうとするのかと問いかけます。
 谷垣は脱獄囚に銃を奪われてしまう。氷で脱獄囚の攻撃を防ぐものの、銃声が響きます。
 この独特の発射音は、先ほどと同じものだと尾形が双眼鏡をのぞく。そして杉元の接近を発見します。やっぱり生きていたか! なんだかちょっと嬉しそうな尾形です。なんなんだ、お前……。

氷原を染める血

 銃声が響いたことで、状況が変わります。ソフィアたちが心配していると警戒するアシリパ。尾形も銃を構えています。もう時間がない。そう察知した尾形は、キロランケが網走監獄で裏切ったとアシリパに告げます。

 一方谷垣は、氷で相手を殴り倒す。鯉登は素早く軍刀を抜き、猿叫とともに相手の頭蓋骨をスッパリ斬って倒しました。そして月島を探しだそうとします。一人じゃきっと不安なのだ。

 尾形は時間切れを察知したのか、アシリパの手を引っ張りながら、キロランケがウイルクを殺したという。どうして黙っていたか? 暗号を解く鍵を思い出したからと尾形は返す。キロランケは油断がならないとアシリパに強調するのです。

 鯉登はスヴェトラーナと話す月島を発見! 灯台守の話をしても鯉登は「何の話だ! そんな女は放っておけ!」と言い切ります。
 一方で谷垣は、キロランケを出くわす。憤怒の形相で体当たりします。尾形はなんとしてもアシリパから聞き出そうとする。めまぐるしく場面が変わる!
 谷垣は氷の塊でキロランケに殴られる。谷垣はインカラマッを思い出し、マキリをキロランケに指します。網走監獄での忘れ物だ。返しに来たぞ! そう言って腹を刺すのです。

再会

 杉元と白石は流氷で漂流中、アシリパさんの教えに助けられたと杉本は鼻水を垂らしつつ思うのです。
「ホパラタだ、いけえ!」
 尾形はアシリパの口を開くために嘘をつきます。杉本が死ぬ間際、杉本は戦友の未亡人のために金がいること。アシリパはそんなこと話さなかったというと、アシリパは聞きたくないはずだという。
 杉元とは仲良くなれなかったが、それでも道中助けられた。そうアシリパの心理を翻弄する尾形。ここでその未亡人の名前として、尾形は自分の母の名前である“トメ”を出す。このトメという名前も結構おそろしい意味があると推察します。すみません、有料記事で。

 アシリパは、杉元が最期に食べたかったものを問いかけます。尾形は案外単純というか、急いでいたのか、自分の好物であるあんこう鍋と答えるのでした。
 アシリパは迷いをキッパリと捨てて、干し柿でないのはおかしいと返します。尾形はいったい誰の話をしているのか? 尾形自身の話ですね。人間は嘘をつくとき、思わぬ弱点を明かすものです。アシリパが離せというと、尾形は手を握って落ち着けという。アシリパは毒矢を構え、尾形の言うことは何一つ信用できないと言います。
 そのうえで、前から気になっていたことを聞く。それはアイヌの不殺の教え。そのことに違和感がある、あの父親から人殺しのことを聞かなかったのか? アイヌの偶像も清い必要はあるのか? 殺してみろと挑発します。自分の中に殺す道理があれば罪悪感なんかわかない。お前の父を殺したのは俺だ。そう挑発します。

 お前だって俺と同じはずだ。尾形はそう挑発します。弓矢を構えるアシリパ。
「私は殺さない……」
「お前たちのような奴らがいていいはずがないんだ」
 ここで激怒した杉元が、叫びます。
「尾形ああああ!」
 アシリパは驚き、尾形の目を射抜いてしまう。杉元は尾形に抱きつき、眼窩から毒を吸い出し、あしりぱさんを尾形の死には関わらせないと言い切ります。血を口に含むとかなり気持ち悪いものですが、気力で肥えています。
 かくして杉元とアシリパは再会を果たし、抱擁するのでした。白石もリュウも遠くから見守るのさ。

 離れられない――その理由は、凍った金属のボタンに、アシリパのまぶたが張り付いたから。ここで白石に小便を出せと杉元。鯉登のやらかしから学んだ知恵でした。こうして白石の小便が散る中、穏やかな再会。散っているのは小便だけど。白石、出過ぎてアシリパも杉元もかかりすぎていますが。なまあたたかい再会だったな。

私の部下たちを傷つけおって!

 月島と鯉登は倒れた谷垣と合流。キロランケのしわざで深傷を追っていると聞き、血痕を追って二人は追いかけます。途中で谷垣の銃を見つけ、鯉登はヒョイと手にしてしまう。
 するとそこに紐がついている。月島がその異常に気付き、鯉登をかばいます。次の主観、爆弾が破裂するのでした。吹き飛ばされる二人。鯉登は立ち上がるものの、月島は頸動脈に傷がつき、大量出血しています。鯉登の顔についた血は、月島のものでしょうか。鯉登は「一人で行くな!」と止められても、軍刀を持ってズンズンと突き進んでゆくのです。

 血痕が途絶え、立ち止まる鯉登。その背中に銃を手にしたキロランケが忍び寄ります。鯉登を撃つと、銃声で敵が増える。なるべく静かに始末しないと。
 すると氷からアザラシがひょっこり顔を出し、鯉登は敵に気付く。銃身を跳ね上げ、軍刀を振り下ろします。しかし銃身に刀があたり、取られたうえで拳を喰らってしまう。それでも相手の顔面をなんとか殴る鯉登。
 体格と体重で不利な鯉登です。押し倒され、マキリで刺殺されそうになる。素早く右腕でかばい、マキリの一撃を受けます。
「おのれよくも私の部下たちを!」
 さあ、怒涛のクリフハンガーで最終回だ! 今週もアクションシーンはじめ、大変な作画、演技、おつかれさまでした。

アシリパの頭の中と、和人の甘えと

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3,277字
『ゴールデンカムイ』アニメ、本誌、単行本感想をまとめました。無料分が長いので投げ銭感覚でどうぞ。武将ジャパンに掲載していました。歴史ネタでより楽しめることをめざします。

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