『おちょやん』102 この子はひとりにしたらあかん
NHKラジオドラマ班は、竹井千代捜索中。
京都まできて、女の子を見送る女性を目撃します。千代おばちゃんと呼ばれる女性と、見送られる少女。そして栗子おばあちゃんがいるらしい。断片的に関係が見えてきたで。
やらかい声で断固断る女
NHK職員から竹井千代かと聞かれても「ちがいます」と返してしまう。けれども、あの女の子が「千代おばちゃん」と呼んでいるわけでして、バレてしまいます。朝から何の騒ぎかと栗子が訝しんでいます。
その栗子が寝ている隣室で、千代はNHKラジオドラマ班の話を聞きます。大物脚本家が指名したというビッグな依頼なのに、千代は「お断りします」と頭を下げるのでした。
この場面で、背後にラジオが映ります。今でもクラシックラジオ風の、ラジオ機能付きBluetoothスピーカーなんてのもありますけど、再現できませんわな。でかく、どどーんとしとって家族が勢揃いするものではない。ラジオドラマのインパクトちゅうのは現代人からすれば想像が難しいかも。
ですから、全国のラジオで流れると呆然として相手は返してしまうわけですね。こんなうまい話を断るのかと。
ご足労をかけたことを断る千代。そして二人はとぼとぼと家路に着くのですが。
ぶっちゃけた本音はでますわな。箕輪悦子がええと百人おったら百人が言うとさ。でも、心の底から納得できていないようでもある。残念であったことは確かなのだと。
あないやわらかい声。言葉遣い。久々に聞いた気がする。そう思わず思ってしまう。
喧嘩するほど仲がよい?
栗子が三味線を弾いていると、千代が具合を訪ねてきます。明日は仕事に行ける程度には回復してるとか。そんな栗子は、千代が仕事を断ったことを気にしています。
「うちはもう、金輪際役者はやりまへん」
そうキッパリ言い切る千代に栗子は詫びる。とここで、黒子はんがどうしてこの二人が同居しているのか解説してくれます。そう、9つのとき、テルヲが連れてきた“新しいお母さん”やね。
この二人だけでなく、春子ちゃんという幼い頃の千代そっくりの……というか、同じ子役の毎田暖乃さんが演じる少女もおります。何ものなのでしょうか。
春子は学校であったことを話す。なんでも男の子にからかわれ、けんかした。するとけんかするほど仲がいいとかいわれたそうで。登場人物が多いからようわからへんと千代が突っ込む。そないな脚本へのツッコミみたいなことされてもな。
でも、ここは結構大事やで!
子どものころ、異性にいじめをされてもまともにとりあってもらえんかった経験。あるあるやね。それはどういうことかっちゅうと、昭和の定番や。『赤毛のアン』のギルバートがアンの髪の毛引っ張るようなもん。とはいえ、何の解決にもなっとらんし、好意抜きの純粋ないじめも往々にしてあると。そういうあるあるネタにつっこんできたで。
千代の子どもの頃を聞かれて、千代は誰かさんのせいで学校行かれへんかったといい、栗子はテルヲのせいと返します。テルヲは死んでも許されへん。
この二人がチクチクと昔の恨みで言い争うと、春子がなかよしなんやなと言ってくる。ええ関係です。それにテルヲが共通の敵として存在しとるのがええと。
それに心底憎んでいるわけでないことは、栗子が咳き込んで気遣われるところからもわかります。
さて、この親子はどうやって再会したのでしょう?
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『週刊おちょやん武者震レビュー』
2020年度下半期NHK大阪朝の連続テレビ小説『おちょやん』をレビューするで!週刊や!(前身はこちら https://asadrama.c…
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