『ちむどんどん』第80回 おばぁが最強
和彦と結婚するために、将来の義母である重子においしい沖縄料理を食べさせたい暢子。一方で、良子も石川家の嫁になるため、御三味を作らねばならず……。
嫁の奮闘は夫の助けでどうにでもなる
良子の作る御三味。良子の料理の下手さはマンガチックになりすぎず、リアリティがあっておもしろい。かつ、川口春奈さんにあっていると思う。いや、彼女の料理がまずいということでない。端正な容貌なので、そういう抜けたところのギャップが出てきていい。
山田裕貴さんも、オタオタしつつ、嫁の奮闘を見守り、なんとかしようとする。彼のよさもバンバン出てきてますね。ああいう昭和メガネとヘアスタイルが似合うんだよな。
おばぁ無双
そんな良子が石川本家にいくと、おばぁと姑が仕事をしているのかといい、どこか冷たい目で見るわけですよ。ところが、なんとこのおばぁが頑固な男どもを一喝! 先に逝くものがあとのものを縛るなと言い切り、かつ、そんなにいうなら家事をボイコットする宣言をします!
やったーーーーーー!
そうなんです。どんないばったおっさんでも、家事をぶん投げるぞ宣言をすれば勝てませんよね。それを朝ドラで流す意義は大きい。おばぁ最強だ! すごい、なんだこのかつてない爽快感は!
それもこの作品の特徴である、昭和レトロ展開を進めていった積み重ねだと思う。あえて不快なこと、気持ち悪さを積み、ハッシュタグやネット雑記事で叩かれてもこらえ、そして一気にひっくり返す。技巧が光ります。
このドラマって、スタイリッシュで気取った技巧はないようで、泥臭くれ堅実なひねりがあっていいと思います。どんどん好きになるなぁ。
でも、ここでポイントは博夫が良子の御三味はまずいと言い切っていたことですかね。それでもおばぁの迫力で丸めたし。うまいということにするしかないし。天ぷらーにマヨネーズはどう考えても合っていないようで。
博夫もがんばった。良子もえらい。そしておばぁ最高!
おばぁの髪型や服装も、すごく沖縄らしくて素晴らしかった! やはり、動いているこういう姿はよいですね。
重子は心を開いた
重子は和彦の手紙を読んでから、暢子のお弁当を食べています。そして不味いと言いつつ、おいしそうにしています。
和彦は母への愛を手紙に記した。そして重子は心を開き、暢子のお弁当を味わう。さきに歩み寄りがあったからこそ、扉が開いて近づいていく。そう示したよい場面でした。
そしてチンピラになった矢作
そんなラストに、チンピラぽい矢作が出てくる。裏切って引き抜いて柄が悪くなって戻ってくる。武侠ものならやられ役ですわ。人相悪くなったなぁ。さて次週へ。このドラマは回と回、週のラストのクリフハンガーがうまいですね。
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