『ゴールデンカムイ』読者におすすめの本『差別はたいてい悪意のない人がする』
キム・ジヘ著『差別はたいてい悪意のない人がする』が秀逸でした。ブックレビューではありません、申し訳ない。
悪意を込めて差別をする。Web漫画広告に出てくる悪役みたいな、そういう差別をする人はむしろ少ない。根底に恐怖や防衛か、正当だと考えている権利か。はたまた善意があることも。
この本をよいタイミングで読めたと思ったのは、『ゴールデンカムイ』現パロ和名論争です。
これは何もあの作品の二次界隈だけのことでもなく、世界各地であるあるなのです。
名前を英語風に変えるのはなぜ? 差別や偏見、周囲に溶け込むため……BBCニュース https://www.bbc.com/japanese/video-61138227
英語圏では、自分の名前を英語風に変えることがよくある。メリットはある。差別や偏見を避けるため。
「なんだこれ読めないよ!」
「覚えらんな〜い」
「何かに似てるよね」
「ウケる!」
こういう反応を避けるために、有効に思えますよね……それでいいのか? そう論争になっていて、やめる人も増えていると。
これが日本のアイヌでも起きている。そういうことです。
明日子が可愛いとか。差別を忘れて幸せに生きて欲しいとか。それを当事者に言うとどれだけ馬鹿げているかわかると思います。それに横から思いついていうアドバイスやら考察なんて、とっくに当事者ならわかっていることでしょう。
でも「和名でいいじゃない」と言っている人は善意由来なんだと思う。だから「悪意があるわけじゃない」と逃げると。論争を泥沼に引き摺り込んでいる人にも、根底に権利を主張したい自分なりの正義や、善意があると思う。
自分の好きな作家が不当な攻撃を受けている! こんなことはゆるせない!
そう思って立ち上がっているんだろう。でも、動機の根底に善意なり正義があろうと、だめなものはだめです。
ならぬことはならぬ。この会津藩由来の言葉は曲解やら何やらが多くて、こっちが口にするだけて口の端に皮肉げな笑みを浮かべ、ああだこうだぬかし始める誰かがいるフレーズですが。
こういうとき、差別に対して咎めるときは、これでいいと思う。ならぬことはならぬ。和名の方がいいなんて、そんなこと言うべきではありません。
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