![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/64381511/rectangle_large_type_2_6ae8533947da432add5bc8613d31ae11.jpeg?width=1200)
『おかえりモネ』第118回 私は一人で逃げた
モネはFM局でプレゼンをしています。気象アプリで情報を集め、日常的にやりとりをしてはどうでしょう? ちゃんと仕事をするモネです。
震災のあと、小さな幸せをわけあっていた
これを聞き、皆は懐かしむような顔になります。大震災での災害FMがそうだった。よかったね、そう言い合うものだった。猫が帰ってきたとか。そんな些細なことを言い合う。それだけでうれしかったと。原点回帰ですね。
モネのもとに大学生の水野が来ます。久しぶりだと喜ぶモネ。ここでモネは自分なりの考えを語ります。自分達に何ができるのかではなく、そこにいるだけでよい。また会おう。それでいい。ここにいてくれるだけで十分だと。
モネはずっと誰かの役に立ちたいと思ってきました。それがここまで力が抜けた。今を生きる同世代の思いかもしれない。役に立つか立たないか? それより大事なことがあります。
モネはラジオで『ダニーボーイ』をかけます。菅波と聞いた、宮田のホルンの音色。再起の音色を思い出しています。
ダメになってもやり直すこと。それがいい。そうモネは思い出しています。
高橋は振り返っています。震災のあと、迷いながら音楽をかけた。それでみんな喜んでくれた。やっぱり、音楽っていいね……そうしみじみと語ります。
モネは震災のあと、ホルンなんて役に立たないと封印していましたが、果たして?
震災のあと、ここにいればいいと思えた
モネは未知と大学のことを含め、色々と話しています。モネとしては、養殖にも気象データを生かしたい。本社に頼めばスマホアプリで通知がくるようにできるかも。そう語っています。未知は、お姉ちゃんとこんなこと話すなんて……そうしみじみと噛み締めています。
それからモネは漁協へ。滋郎に月一万、いや8000円で気象情報契約ができないかと粘っています。しかし相手はそっけない。金額でない、ともかくだめだってよ。亮のことがあっても、そこは固いのです。
亮も来ていて、未知の大学のことを気にしています。亮は進学に賛成ぽいですね。当然遠距離恋愛になるけど、そこは我慢!
耕治は「俺の感覚が古いのか」と、モネと菅波の遠距離恋愛を語っていました。古いというか、なんというか。菅波も、亮も、相手が望むことをする。それを一番大事にしているのでしょう。自分といることだけを重視するわけでない。そんな相手がうれしいってこと。
「モネも焦るなよ」
そう亮は言います。亮はモネが好きだった……というのはもう振り切っていて過去のこと。遠距離恋愛でも、この姉妹は心配しなくていいと思います。
震災のあと、私はここにいるしかないと思った
モネは未知に、大学のことを話します。
「……もういいから」
未知は話を打ち切ります。私はここを離れられない。そうキッパリと言い切ります。
「みーちゃん。何があったの?」
モネが問いかけます。何か大事なことがあるけど、察していたけど、聞くことはできなかった。
助けて――そう言われている気がしたけど、聞くことができない。感じてはいた。けど、聞く勇気がなかった。話してほしい。そう語りかけます。
未知は語りました。
あの日、おばあちゃんを置いて逃げた――。
引っ張っても動かない。逃げようとしない。海が見えて一人で逃げた。
大人たちが連れてきてくれておばあちゃんは助かったけど、自分を許すことができない。
ここで、いつか、自分が役に立たねば。
そのことを言えてよかったと、未知はやっとそう吐き出せたのでした。
「ごめん」
未知も何かに縛られていたのです。
よろしければご支援よろしくお願いします。ライターとして、あなたの力が必要です!