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『おかえりモネ』第118回 私は一人で逃げた

 モネはFM局でプレゼンをしています。気象アプリで情報を集め、日常的にやりとりをしてはどうでしょう? ちゃんと仕事をするモネです。

震災のあと、小さな幸せをわけあっていた

 これを聞き、皆は懐かしむような顔になります。大震災での災害FMがそうだった。よかったね、そう言い合うものだった。猫が帰ってきたとか。そんな些細なことを言い合う。それだけでうれしかったと。原点回帰ですね。
 モネのもとに大学生の水野が来ます。久しぶりだと喜ぶモネ。ここでモネは自分なりの考えを語ります。自分達に何ができるのかではなく、そこにいるだけでよい。また会おう。それでいい。ここにいてくれるだけで十分だと。
 モネはずっと誰かの役に立ちたいと思ってきました。それがここまで力が抜けた。今を生きる同世代の思いかもしれない。役に立つか立たないか? それより大事なことがあります。

 モネはラジオで『ダニーボーイ』をかけます。菅波と聞いた、宮田のホルンの音色。再起の音色を思い出しています。
ダメになってもやり直すこと。それがいい。そうモネは思い出しています。
 高橋は振り返っています。震災のあと、迷いながら音楽をかけた。それでみんな喜んでくれた。やっぱり、音楽っていいね……そうしみじみと語ります。
 モネは震災のあと、ホルンなんて役に立たないと封印していましたが、果たして?

震災のあと、ここにいればいいと思えた

 モネは未知と大学のことを含め、色々と話しています。モネとしては、養殖にも気象データを生かしたい。本社に頼めばスマホアプリで通知がくるようにできるかも。そう語っています。未知は、お姉ちゃんとこんなこと話すなんて……そうしみじみと噛み締めています。
 それからモネは漁協へ。滋郎に月一万、いや8000円で気象情報契約ができないかと粘っています。しかし相手はそっけない。金額でない、ともかくだめだってよ。亮のことがあっても、そこは固いのです。
 亮も来ていて、未知の大学のことを気にしています。亮は進学に賛成ぽいですね。当然遠距離恋愛になるけど、そこは我慢!
 耕治は「俺の感覚が古いのか」と、モネと菅波の遠距離恋愛を語っていました。古いというか、なんというか。菅波も、亮も、相手が望むことをする。それを一番大事にしているのでしょう。自分といることだけを重視するわけでない。そんな相手がうれしいってこと。
「モネも焦るなよ」
 そう亮は言います。亮はモネが好きだった……というのはもう振り切っていて過去のこと。遠距離恋愛でも、この姉妹は心配しなくていいと思います。

震災のあと、私はここにいるしかないと思った

 モネは未知に、大学のことを話します。
「……もういいから」
 未知は話を打ち切ります。私はここを離れられない。そうキッパリと言い切ります。
「みーちゃん。何があったの?」
 モネが問いかけます。何か大事なことがあるけど、察していたけど、聞くことはできなかった。
 助けて――そう言われている気がしたけど、聞くことができない。感じてはいた。けど、聞く勇気がなかった。話してほしい。そう語りかけます。
 未知は語りました。
 あの日、おばあちゃんを置いて逃げた――。
 引っ張っても動かない。逃げようとしない。海が見えて一人で逃げた。
 大人たちが連れてきてくれておばあちゃんは助かったけど、自分を許すことができない。
 ここで、いつか、自分が役に立たねば。
 そのことを言えてよかったと、未知はやっとそう吐き出せたのでした。
「ごめん」
 未知も何かに縛られていたのです。

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