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『おかえりモネ』第111回 父と子の決意

 一緒にいたい未知と、幸せになりたい亮。そうまとまったけど、亮にはまだクリアしていない話があります。もう少し時間くれる? そう告げてきます。新次のことでしょう。

耕治の決意

 モネは帰宅し、亜哉子に亮とあったと報告います。亮が無事でよかったと安堵している亜哉子。そしてこの安堵を、口にしたくもないけど……そう最悪の想定をしつつ、耕治にも話しかけます。夫は座卓新聞を読み、妻はそっとお茶を出す。そんな古風な姿です。耕治はここで大事な話があると言い出します。
「こんなときに言うのもなんだけどさ」
 銀行員を辞めて、父の仕事を継ぎたい――そう言い出します。亜哉子いつか言い出すと思っていたとのこと。おじいちゃんも体が辛そうだし 考えていただろうと理解を示すのです。耕治はしみじみと語ります。銀行員としてはやれるところまでやった。仙台に行かなくてもいいと。
 単身赴任が嫌ということもあるかもしれませんが、それよりもやはり、何か思うところはあるのでしょう。

 しかし、龍己は喜ぶどころか、海を舐めてんのかとそっけない。銀行員をつとめあげろ、中途半端で投げ出すな。そうむしろ諭してきます。耕治は銀行員としては十分やってきたと、この俺に何ができるか考えていると訴えます。それでも龍己はそっけない。
「俺の仕事は、俺で終わる」
 永浦水産の文字が切ない。こういう事業は多いのでしょう。コロナではますます増えている。
 そんな父と子のやりとりを、モネと未知が見ています。父は本気だ。でも、未知は現実的ではないと思っています。確かにちょっと遅すぎたかもしれない。のみならず、未知は日々、気候変動を考えています。そんな時代に水産業なんて……そう思っていてもおかしくない。
 未知の複雑な本音は、亮の危難でも垣間見えたところではある。めちゃくちゃしんどい、投げたいほど大変。そんな水産業に、父が耐えられるか疑念があるのでしょう。
 モネはただ、永浦水産の部屋を使いたいと告げます。養殖のことを考えたいのだと。モネの胸には祖父の言葉があります。海も空もつながっているのだから、自分の知識は養殖に生かせる。そんな確信があるのです。

父と子の語らい

 2020年1月5日、日曜日――初売りです。新次はいちごを持って来ており、売り場に並べます。モネちゃんの仕事場かと言っておりますけど、これも結構謎めいているかもしれませんね。登米はサヤカが私財を投じて作っておりましたが、地方ってこういうマルチな憩いの場所ができるものでして。道の駅なんかかなりカオスなことになっています。
 新次から休日出勤を労われると、モネは低気圧の検証をするために出社していると言います。今後事故を起こさないためにもデータを解析したいのです。モネって自分が好きだからそうしていていい。やる気アピールとか、忠誠心でなく、自分が好きだから動いているのです。
 モネはしみじみと亮の無事に安堵しています。会ったかと言われ、新次は顔は見た、運が良かったと言い合ったくらいだと返します。
 モネは気象の仕事は祈るしかないこともある、自然相手の限界を思い知らされたと言います。新次も祈っていたとか。
「んで」
 そう別れようとする新次に、モネは話しかけます。亮とはタイプがちがうのかと。新次はきれいないちごがうれしい、と素朴な喜びを語ります。自分手伝いだけど、自慢しちゃう。いちごがきれいでうれしくなるって。
「まだあいづにはわかんねえのかな」
 そう新次が言えるのは、年齢もあるのでしょうね。彼だってまだ若くてバリバリで、漁船を買う野望を燃やしていたら、そんないちごの美しさになんて気づかなかったのかも。
 モネは話し合って欲しいと新次に告げます。亮は、幸せになっていいのかと言ったと。
「なに言ってんだあいづ。そんなのあたりめえだろ」
 そう言ったあと、新次は耕治と話したいとモネに告げます。要件は金のこと。書類を持ってくるとモネに告げます。モネが亮はくるのかというと、「来ねえだろ」と返されます。
 モネはここで待つと言います。「信頼されてねえのか」と新次が言っても、モネは「ここで待ってます」と返すのでした。

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