中国人富裕層がシンガポールを選ぶ理由


シンガポールメディア『ビジネスタイムズ』による報道によると、アリババ創設者のジャック・マーの妻、張瑛が、約4500万から5000万シンガポールドルの価格で、シンガポールのタンジョンパガー・ロードの70番、71番、72番に隣接する3軒のショップハウスを購入したと報じられた。人民元で約2.38億から2.64億に相当!



ジャックマーの奥さん以外に、红杉资本(Sequoia Capital China)の創設者である沈南鵬は、シンガポールの永住権を取得し、彼が所有する価値560億ドルのベンチャーキャピタル会社のためにシンガポールにオフィスを開設。彼の総資産は320億人民元(約44億USドル)と言われてる。

Sequoia Capital China は2005年に設立され、テクノロジー、ヘルスケア、消費者向け分野に特化し、中国国内の有名企業ほぼ全てに投資をしているほど。

実は沈南鵬やジャック・マーの妻、張瑛だけでなく、過去数年間に国内の多くの富裕層が相次いでシンガポールへ移住している。


例えば、中国有名の火鍋店、海底捞の創設者“張勇”、Bytedanceの創業者“張一鳴”、アリババ共同創設者の一人であるペン・レイ、など、彼らの海外拠点としてシンガポールを選んでいる。

なぜシンガポールは中国の富裕層らがシンガポールを選ぶのか?

その第一の理由は、税金を避けるため。

シンガポールは世界で最も税率が低い国の一つとして有名。

中国の個人所得税の最高税率は45%で、つまり1億人民元の収入があれば、4500万人民元の税金を払う必要があるが、シンガポールではその個人所得税は中国よりかなり少ない。

加えて、中国の法人税もシンガポールより高い。そのため、シンガポールで会社を設立し、事業を展開すれば、より有利な税制を享受できる。

第二の理由は、シンガポールの中立的な政治立場。

現在、中米間のイデオロギー対立が激しく、次に何が起こるか誰にも予測できない状態。もし米国を中心とする西洋世界に移住した場合、いつ地元政府に資産を凍結されるか分からない。

ロシアとウクライナ戦争後、ロシアの富豪たちが海外で遭遇した事例が、良い例。
一方、シンガポールは中国とアメリカの間で中立を保ち、一時的に安全な避難港であるとされている。

第三の理由は、シンガポールの居住環境が中国人にとって適していること。

シンガポールの人口の中で、華人が76%を占めており、言語、食文化、伝統などが中国と大きく異ならないため、中国から来た人々も生活に慣れやすい。

さらに、法律、治安、政府の清廉性、医療、も非常に良い。
また教育面でも子供が英語と中国語、両方の言語を学べる。

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