裁判②ー障害致死前編ー

はじめ私達は軽犯罪の裁判を見ようなどと話していた。しかし人間とは不思議なものであまり重い事件は見たくないなどと言いつつ、気がつくと殺人事件の裁判を探していた。探してみるとその日行われる300件を超える裁判の中に、1つだけ障害致死(判決)高等裁判所というのがあった。

この頃になると裁判の詳細を見るのにも慣れ、この裁判は被告人が上告したから高等裁判なのだとか、被告人が障害致死だけでなく、住居侵入や障害など6つほどの犯罪を起こしているのだとか、これが判決を言い渡す裁判なのだとわかった。

実際に人を殺したことのある人に会うんだねーなどとびっくりするぐらいの軽いテンションで友達とやりとりをしながら入室した。この頃には裁判を見る緊張感が吹き飛んでいたんだ…多分。

今回の裁判の部屋は、今までの部屋よりもかなり広く傍聴席が50席ほどもあった。さらに報道記者用席なんてものまであり、友人と顔を見合わせてしまった。思わず外に出て被告人の名前で検索してみた。すると!ネット社会の便利さか怖さか山梨県で起こった殺人事件がヒットしたのだ。障害致死って書いてあるし名前もよくある名前じゃないし絶対これだよなんて言って事件を突き止めた名探偵気分だった。(何もしてないのにね…)

実は、傍聴する前に事件を詳細に知れたことは良かった。例えは良くないが裁判はシリーズ物の連載みたいなもので、地方裁判所の新件が初回、判決は最終回といったところである。いきなり最終回を見ても内容がよくわからないように、いきなり判決の裁判を傍聴してもよくわからないと思う。実際最初に見た地方裁判所の初回の裁判はシーズン2の第一回みたいなもので内容がよくわからなかった。(これから裁判の傍聴に行く人は是非参考にしてほしい

さて事件の内容としては被告人は4人で共謀し、金銭を得るため洋服店の店長を襲う計画を立てていた。犯行前に被告は勤務を終えた被害者の後をつけ家を特定し、グループに伝えた。襲撃決行の日、被害者の家で待ち伏せをしている仲間に帰宅が近いことを伝えた。グループの仲間達は金庫の番号などを言わせるため帰宅した被害者を襲いその際に被害者を殺してしまったが、殺意はなかったということだった。そして彼らは遺体を長野県まで運び遺棄したという流れである。

今回は高等裁判なので一審の判決が出ていた、懲役20年という判決だったが弁護側が不服とし上告していたのだ。弁護人の主張としては被告は指示通りに動いただけに過ぎず殺人幇助罪が妥当、懲役20年は重すぎるとのことだった。この裁判はその求刑が妥当なのかを争っていたのである。今までの地方裁判所の裁判は事件の内容を明らかにしていく裁判という面があったが、この裁判は刑罰が妥当かどうかを争っているのだと感じた。裁判といっても何を裁くのか目的は1つではないのだなと知ることができた。

長いので切ります、次回は初めて判決を聞き感じたことなどを書く予定。

#裁判 #殺人 #傍聴 #傷害致死

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