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課題文献『理学療法領域における運動負荷試験と応用に関する課題』〜考察編〜

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『理学療法 運動負荷試験』
で上位に表示されます。


⚪選んだキッカケ
 一昨年より、回復期リハビリテーション病棟から地域包括ケア病棟へ異動しました。
担当する患者さんの疾患は回復期のように対象となる疾患がある訳ではなく、呼吸器疾患や循環器疾患など様々な患者さんを担当する機会が増えました。
 そこで悩んだ事が耐久性(運動耐容能)の評価、つまり負荷設定をどうするかでした。
今まであまり担当する事がない呼吸器や循環器疾患に対するリハを実施していく中で、運動強度を設定することが、リスク管理を行う上で配慮しなければならない要素だと思うからです。
 しかし、私が勤務する病院には、心肺負荷試験が行える装置はなく、さらに現在はコロナの影響でリハ室での訓練を制限されています。
 どのような環境や状況下でも活用できる方法で、さらに汎用性の高い方法がないだろうか?
また、職域が拡大している現在において様々な現場で働くセラピストにとっても有用なものはないか?と探しているときに見つけたのが、この文献でした。

⚪スタッフ山本による考察
この論文では、
・機械的負荷法
 運動負荷試験としてトレッドミルやエルゴメータを用いる方法。
・非機械的負荷法
 それら機械を用いない方法。
と定義し報告されていました。

心肺機能評価における運動負荷方法の問題点としては以下のように挙げれていました。
・機械的負荷法
 運動障害により負荷装置が利用できない。
 装置の設置場所が限られている。
・非機械的負荷法
 個人の運動能力に合わせた様々な方法があるが、努力量に左右され負荷量の調整が困難。
 歩行試験での歩行路の場所の検討や準備が必要になる。
また、運動負荷装置の利用が困難な方の増加や、セラピストの活動範囲が拡大していることを考慮すると、従来の方法(機械的負荷法)では対応が困難である。そこで、非機械的負荷法の応用が課題となり、その一例である反復起立運動による負荷法の応用を挙げていました。

・反復起立運動負荷法
👉椅子さえあれば実施可能。
👉起立動作が自立さている方はすべて対象。
👉運動の進行を外部からコントロールするため、対象者の努力量に左右されない。
👉心肺機能評価としても有用可能。
👉漸増運動負荷法を利用した運動耐容能の評価としても妥当性が証明されている。

 以上の事から私も機械的負荷法では限界がある(在宅の現場では使用できない点や設備が必要である事により)と感じていた事もあり、この反復起立運動負荷法はとても魅力を感じました。
 また、当院で呼吸器の臨床研究を行う機会がありました。その中で、CS-10(10秒椅子立ち上がりテスト)を利用した事があります。これは、下肢筋力の簡易的な指標に用いられる方法の一つであり、虚弱高齢者を対象とした先行研究でも用いられていたからでした。
 この椅子からの起立動作という簡便な方法で筋力だけでなく、心肺機能評価も行える事。
漸増運動負荷法として、起立角度や椅子の高さを設定することで評価が可能な点なども参考になりました。
従来の評価方法による問題点として、環境に囚われることはなく安全に実施できると思いました。
これからは、実際に臨床の現場で応用していきたいと思います。

今回は以上になります。
最後まで読んで頂きありがとうございますm(_ _)m

⚪次回の予定
 投稿 10月22日(水曜)を予定しております。

次回もお楽しみに🤗

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