アートボード_1-3

“コンセプトアート”で会社スローガンの浸透をはかった話

株式会社ビビビットの小宮です。

今日は会社が掲げるスローガンについて、お話しさせていただきます。
※本記事は以前Wantedly feedに書いた記事のリライトです

いきなりですが、ビビビット社には「コンセプトアート」があります。コンセプトアートと聞くと映画やゲームを思い浮かべる人がほとんどかと思いますが、会社にとってのコンセプトアートとは……?

これがビビビット社の今期スローガンを表現したコンセプトアートです。

今回は「スローガン」を「デザイン」の力を使って社内に浸透をはかった話をさせていただきます。

ビビビット社にご興味を持っていただいた方だけでなく、ベンチャー企業の成長やチームビルディングの課題に関して興味がある方にとっても、何か気づきをご提供できるかも、、、しれません。

「ビビビット社のスローガンをデザインの力で浸透をはかった話」
1.ビビビット社スローガンの歴史と課題
2.スローガン決定の背景と狙い
3.浸透策としてのコンセプトアート化(多分一番おもしろいです)
是非さーっと3まで飛んで読んでみてください。

1. ビビビット社スローガンの歴史と課題

3人のメンバーからスタートしたビビビット社も、現在6期目。クリエイター×仕事のマッチングサービスViViViTの開発・運営をメインに、これまで事業を拡大してきました。

一方で組織としては、事業規模が大きくなりメンバーが増えてくるにつれて、徐々に意思疎通やコミュニケーション量などに課題を感じるようになりました。

そこで4期目からは、全員で集まって情報を共有する、全社MTGを実施しています。全社MTGでは「スローガン」を提示し、会社として注力すべきことを明示してきました。

初めて全社MTGを実施した4期目には、四半期ごとにスローガンを作成しました。
1Q:新たなビビビをつくりだす
2Q:体験の創出
3Q:個の成長
4Q:必達

はい、まったくピンときません。おそらく覚えてる社員は誰もいないと思います……(汗)。
すみません、僕も過去の資料を探してようやく思い出しました。

5期目では四半期ごとではなく、1年かけてやりたいことをスローガンとして提示しました。
・デザイン×新卒領域で圧倒的No.1
・中途領域への参入
・成果報酬モデルの確立
・大阪組織構築

これも、つい昨期の話ですが、多分誰も覚えてないと思います。
おそらく当時の自分を想像すると、4期目のピンとこなさに課題を感じて、わかりやすい目標チックな言葉にしたんだと思います。
ただ、このワード、面白くないんですよね。使いたくならない。
僕自身、この言葉を使うときは全社MTGの時だけだったと思います。

そして、5期目の途中から株式会社ビビビットの存在意義と持ちたい価値(Mission Value Credo)を改めて考えなおし、「Mission」「Value」「Credo」として明確にしました。
Mission Value Credoについての詳細はコチラ

Missionとして「全てのクリエイティブのハブになる」ことを掲げ、「AKINAI」をValueに置き、「チームシップ」「アントレプレナーシップ」「プロフェッショナルシップ」の3シップを判断基準にすると決めたことで、今期という1年を使ってやらなければいけないこと(最優先事項)がとてもわかりやすくなりました。

<クリエイティブのハブをつくるために、まずは構想のコアとなるメインプロダクトViViViTを「クリエイティブ×仕事」のハブに育てること。>

<それを共につくりあげてくれるメンバーが、会社の存在意義と固有の価値(Mission/Value/Credo)を体感・体現できる環境にすること。>

このふたつです。このふたつに注力する1年にして、そこで一気に成長する。そんな期にしよう。と決めました。

先に結論だけお伝えすると、今期のスローガンは
・テコで生む
・面でとる
・バトンリレー
・AKINAI EX
としました。

ここで読み終えてもらっても大丈夫ですが、なんでその4つにしたの?それって浸透したの??というところにご興味をお持ちいただけた方は、もう少しお付き合いください。


2. スローガン決定の背景と狙い

まずは、Missionである「全てのクリエイティブのハブになる」ために、構想のコアとなるメインプロダクトViViViTを「クリエイティブ×仕事」のハブに育てること。とはどういうことか。という問いからはじまります。

「クリエイティブ×仕事」のハブになるための条件を考えてみました

・場所や職種、業種の差なく、仕事を探したいクリエイターさんがしてみたい仕事が見つかること
・クリエイターさんの力を借りたい企業さんが、自社の課題に合う人材を見つけられること
・両者の最適なマッチングがストレスなく、スムーズに行われること
・セレンディピティが生まれること

つまり、ViViViTが「クリエイティブ×仕事」において圧倒的人口密集地になることです。

ViViViTを使ってくれる全ての方にとって、最適な情報がViViViTにある状態をつくるため、これまで得意領域としてきた地域や業種だけでなく日本全国津々浦々にViViViTを届けます。

そして、使ってくれるクリエイターさん、企業さんにViViViTを通じて最適なマッチング体験を提供します。

上記をクリアしなければならないとわかったことで、今までのビビビット社の体質であった、「今ある資源で、できることをできる範囲で、できる限りやる」というスタンスを卒業しないといけないことがわかりました。(立ち上げ時期の、生き残るための発想が根付いていました)

一時的に落ち込む可能性があったとしても、大きなストレッチを成し遂げるため。考え抜いた戦略をもとに、使う部分は大きく使って、テコの原理でさらに大きな対価を得ることができるチームへと体質変化する必要がありました。

ここから浮かんできた一文が

「テコ(知恵と工夫、考え抜いた資産の使い方)でより多く大きな機会を生みだし、クリエイターさん・企業さん共にクリエイティブ領域において純度高く面でとり、全チームのバトンリレーでビビビット社に期待してくれる企業・ユーザー・関係者につながりと体験を提供しよう」でした。

これをキーセンテンスとして、その中の「テコで生む」「面でとる」「バトンリレー」をスローガンに設定しました。

そして、そこに向かって一緒に取り組んでくれるメンバーに対しては「AKINAIをテーマにした最高の従業員体験」を提供することで、還元しようと決めました。

AKINAI EX = クリエイティブに軸足を置く当社で、メンバー各人が飽きない商いができる環境(AKINAI Employee experience)

3. 浸透策としてのコンセプトアート化

昨期以前の振り返りを通じて、スローガンは意味や解釈が正しく浸透しないと意味がない。浸透させようと自分が無理に言い続けても、虚しくなるだけだなという実感がありました。

今回はMissionから逆算したキーセンテンスをつくり、そこに出てくるキーワード(短い言葉)をスローガンにしたことで、これまでよりも口にするメンバーは増えて来ました。

しかしスローガンは覚えていても、そのスローガンをつないだキーセンテンスは忘れてしまうのではないか?

そうなると4つのキーワードだけが一人歩きして、本来言いたいことからそれた解釈ができ始めてしまうのではなかろうか?という懸念が生まれました。

そこでそれぞれのキーワードが持つ意味と、そのキーワードはひとつの文脈でつながっていることを毎日思い出せるようにするため、スローガン一つひとつを絵にしてビジュアル化したいと考えました。(コンセプトアートと言うんですかね?)

そのデザインをお願いするなら、僕の言いたいことや、ビビビットの雰囲気を理解してくれている方が良い。
そこで学生時代にビビビットでインターンをしてくれていて、現在デザイナーとして活躍している山田美優さんに依頼させてもらいました。


まずは自分で手描きしたイメージがこちら。(お恥ずかしい・・・)

▼テコで生む

▼面でとる

▼バトンリレー

▼AKINAI EX

これをもとに、弊社のCDOである田中と3人で協議を重ね、最終的なできあがりがコチラ!
(デザインの力って偉大だなと改めて実感・・・)

▼テコで生む

▼面でとる

▼バトンリレー

▼AKINAI EX

いかがでしょうか。
個人的にとっっっっっても気に入っています。
そしてこれをパネルにし、並べて会社に貼っておくことで、これらのキーワードが示すセンテンスを伝えます。

このスローガンを発表してから半年たちますが、個人的にはこれまでで一番スローガンが持つ影響力を感じ、戦略の浸透度を実感しています。

「デザイン経営」を自分でも実践できた成功体験として、経営者としてのレベルも上がったかなと。(そもそものスローガン策定の方法や考え方も含め)

もちろん、まだまだスローガンは浸透の余地があり、実現にはほど遠く道半ばなのですが、改めて自分にもメンバーにも共有したく、今回文章にしてみました。

他にもビビビット社の壁にはこれまで自分たちでデザインしてきたポスターや、それぞれメンバーが好きなポスターや作品などを貼ってます。
今後もビビビット社メンバーが働く環境を見た目も仕組みもデザインしていければと思っておりますので、ご興味ある方は是非一度お気軽に遊びにきてください( ´ ▽ ` )(オフィス環境は広さやリッチなど含め結構良いと思います!)

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