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【創作文】ロングたこ焼きを作りたい
(811字)
「ロングたこ焼きを作りたい」
朝起きてすぐ、呟いた。
ロングたこ焼きを作りたい。
思い描くロングたこ焼きはだいたい70センチくらい。横に長いやつ。
それを作ってどうするんだろう。
自分でも分からないけど寝起きですぐ言葉に出たんだから、これはもうやるしかないのだと思う。
さて、ロングたこ焼きを作ると決意したはいいものの、たこ焼き機は通常の球体のたこ焼きが作れるものしかない。
なので型から作る必要がある。どうやって作ろうか。
僕は商店街にある金具屋に行き、そこの店主さんである蜂丸さん(82)に相談した。
蜂丸さんからは一言、「普通のたこ焼きの方が美味しいと思うよ」と言われた。
そこで蜂丸さんの店の3軒隣にある魚屋、鈴鹿さんの奥さん(75)に聞いてみた。
奥さんからは「よく分からないけどタコあるよ! 安くしとくよ!」と言われた。
とりあえずロングたこ焼きにタコは必須なのでタコを購入。
家に帰り、ロングたこ焼きの型について考えているあいだ、タコが傷むのでタコを食べながら考える。無論、刺身だ。
はてさて、ロングたこ焼きをどうやって作ろうか。
ひとまずその日はタコだけ食べて眠ることにした。
翌朝。
起きてすぐ呟いた。
「ミニマムたこ焼きを作りたい」
商店街に行き、蜂丸さんに「普通のタコ焼きじゃ満足できないのかい?」と言われ、そのあと鈴鹿さんの奥さんにタコを勧められて購入。
今度は酢漬けにした。
そしてひとまずその日は眠ることにした。
翌朝。
起きてすぐ呟いた。
「ロングたこ焼きを作りたい」
そのうち、魚屋の鈴鹿さんの奥さんが毎朝タコを持ってくるようになった。なんか高そうなネックレスをつけている。
奥さんから購入したタコを茹でながら考える。
ええっと、今日はなんだっけ?
ついでに明日はなんだっけ?
あ、そうだ、
明日はストロングたこ焼きを作りたいんだった。
鈴鹿さんの奥さんに電話して明日タコを持ってきてもらおう。
※2022.4.2 0:30少し修正しました。
とても嬉しいです。ありがとうございます!!