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【創作文】松本スーパーウォーカーに会いたい。

 (約1300文字)

  毎月世界を揺るがしている雑誌『月刊スーパーマーケット』。その専属モデルである松本スーパーウォーカーは、バーチャル空間『今日はカレーの気分』でよく目撃されているらしい。

   俺は松本スーパーウォーカーが七百日連続で夢に出てきたことを機に、バーチャル空間『今日はカレーの気分』に入ることを決めた。無論、布団から出ずに。この世の中、ベッドの上で決めたことは大抵が素敵な方向か、とんでもない方向に向かう。ええ、そうです。たった今あなたが考えたように“穏やかな日々”を表現する言葉はいくつかある。快眠、快眠、快眠、そして快眠だ。
 大丈夫。俺は布団屋じゃない。
   ちなみに松本スーパーウォーカーのお気に入り空間である(らしい)『今日はカレーの気分』は、俺のお気に入りのバーチャル空間である『今日はシチューの気分』と雰囲気が似ているらしい。俺と松本スーパーウォーカーは趣味が似ているのかもしれない。とにかく今から『今日はカレーの気分』に入って、松本スーパーウォーカーを探そう。

 いくつもの選択と無意識の上に、この穏やかな日々が繰り返されている。毎日。そう、毎日だ。
(すみません。毎日はちょっと言い過ぎました。「え? え!? どこ曲がんの、これ!? アアアーッ!!」からのゴーン! カーン! バーン!! からの「うわ、サドル曲がった!!」ってなってる穏やかではない日も、なかにはあります。)

 穏やかな日々を維持するために必要なスーパーマーケット。そのスーパーマーケットをウォークする者達。それがスーパーウォーカー。
 会いたい。会いたい。七百一日目は、あなたはもう夢のなかだけの人じゃない。松本スーパーウォーカー8エイトを必ず見つけ出すよ。
 あれ? ここ鏡無い? 今の俺、地中海までぶっ飛ぶくらいカッコいいと思うんだけどな。

 地中海。……ううん、地獄じゃなくて。海です。地球の海。確かにこの前ライブ会場で地獄までぶっ飛ばされたけど……、え? 読み間違えたって?
 良かったー。「地獄へぶっ飛べ、この野郎」って、ライブ会場で言われた言葉そのまま脳内で思われちゃったかと一瞬思ったからさー。

 ポワワーン。
 バーチャル空間『今日はカレーの気分』のドアが出てきた。“マーカーペンみたいな顔したやつはここに置いていけ”って空中に書いてある。
 誰それ?

 え? ホント誰それ? ここ俺しかいないけど。咳しても足の小指ぶつけても果てしなく一人だけど。
 ドアが近づいてくる。どんどん、どんどん、俺に寄ってくる。

「うわああ! すいません、すいません、すいません、すいま……」

 バーン!!!!

 あっ、ドアがひらいた! 何か分からないけど、Open! Wonderful! Have a nice day! これ完全にいちゃってるやつ!! 行くぜよ!!

 空間に入った。パタン、と静かにドアが閉まった。俺はその場に座り込んだ。
 俺は絶対に松本スーパーウォーカー8エイトに会いたい。だから今から、今回は何時間おきに休憩をとるかを決めよう。

 バーチャル空間『今日はカレーの気分』内に、波の音が響き始めた。


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貴重なお時間をどうもありがとうございました。



とても嬉しいです。ありがとうございます!!