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いくぞキンドル!

アナログ作家の創作・読書ノート   おおくぼ系


 紙の本もすてがたいけど、環境が格段に変わりつつある。特に若い世代ではパソコンから、すでにアイホンなどの携帯が主流になっているという。
 小説もくだんのごとしかと、電子書籍にひたってみることにした。
 
 まず、実際にはいかなるものかと電子小説を購入して読んでみた。
目についたのは、同じくNOTEで連載小説を発表し、活躍している、南口綾瀬氏の小説、『ぼっちママ探偵』<最後の一行まで真実は謎〉である。
 著者は、表紙絵を描き続けるために小説を書いている、ぼっちママであるとのたまうが、なかなかどうして充実したエッセイも発表している。
 
で、実際のスタートは、まずキンドルの無料アプリをダウンロードすることから始まった。次に作品の購入であるが、いままで紙本をアマゾンで購入していたので、ここは割とすんなりと通過する。
 購入するとキンドルの画面に、作品が即インスツールされ、その速さにおどろいた。これを開くと、タブレットの画面に表紙、目次につづき短い〈プロローグ)が縦書きであらわれた。マウスをクリックすると、ページがめくれていき次章の〈名も艶やかなマリーゴールド〉へ入っていく。
 はっきり言って読みやすい。さらに、ひとつの作品をタテ読みの画面にして対峙すると、本を読むときのように集中して作品に向き合える気がする。どっぷりと小説の世界につかれる感覚は、紙の本と大差はない。
 
『ぼっちママ探偵』は、ママ友の世界になじめない、ボッチが好きなバツイチの母親とその娘のかかわりをメインに話が展開していく。いつも思うのだが、女性作家は、自身の内面世界をなめらかに語るのがうまい。昔、川上弘美の『センセイの鞄』を読んで、たいくつさに辟易したが、最近になって、これらのたうたう文章のながれが、ここちよいリズムを生み出し、女性の生き方につながっていくことをやっと理解しだした。が、そのようなものは、どうしても書けないのがアナログ作家たるゆえんである。
 
キラキラネーム、公園デビューなどのママ友の世界が読むにつれて広がっていき、なるほどと、ストーリーの展開とともにどっぷりとはまり込んでいった。
本作ではSNSが非常に有効に使われており、ことに〈SNS 子育て コミュニティ〉での会話はうまいと感心した。以下抜き書きすると、
 
 
《SNS 子育て コミュニティ》
○ ぼっちママ『うちの子が家出した。今は家にいるけどね』
● 南の島のメル『いきなりぶっ込んでくるなー』
● しずちゃんち『無事でよかったね』
○ ぼっちママ『ほんとだよ。家出とかって、私はやったことないからさ』
● 南の島のメル『私はあるけどプチ家出。高校生の頃』
● 夕張メロ『小学生もするんだね』
● ナッチ『家出の理由はなんだったんですか?』
○ ぼっちママ『 友だちが「お父さんに似てる私は邪魔者だ」って泣き出したらしく。 そしたら他の子も「お父さんがいる家にいたくない」って。うちの娘は二人に同情 してついて行ったって 感じ』
● 夕張メロ『理由がもう女子って感じだね』
 
で……ボッチと言いながらも主人公はボッチではない。メールや自身の趣味などのフィールドを築き、したたかかつ豊かにボッチを楽しんでいる。
ただ、バツイチなのだが、オトコ、元ダンナはどうなっているんだあ~と思う。出番もすくなく、いかに親父どもは印象が悪いのかを嘆く(笑).
影が薄すぎ?
まとめると、母と娘を中心とし、ミステリーの味付けをした絆の物語とよびたい。ほのぼのとした傑作であり、それが子育て世代に人気のある理由であろう。
 
で……これに対抗して(笑)、こっちが、キンドルでの出版をめざしている『海紅豆の秋』のフレーズの一部分だが、
 
「薬師丸さん、それで……幼なじみの彼女が実際に私だったらどうするの」
「……そうその時は、過ぎ去った時間を一気に埋めたいと思って……」
「ふふ、ミスターロマンチスト、女ってね、あなただけは特別だと言われなきゃダメなのよ。で、ロマンスの話しは後ですることにして、ビジネスはどうするの?」
楊女史も覗き込むようにして顔を合わす。その丸い目が細く潜んだ。スパンコールの襟元がきらりと光る。
「んんと、今、事業資金に困っている。三十億円のビジネスならぜひ乗りたいね」
「ミスター薬師丸、女と男は出会いが勝負よ。直感がモノを言うの。あまり時間をかけ過ぎると女と男はパートナーになれないわね……ビジネスもそう、想像以上にミスターはスクエアね。それに思ったより強欲よ」
「金についてかい、それとも女性に関して?」
「両方ともでしょう。野心を持つ男はそれなりに魅力的であるけど、大きな野望を持ちすぎる男は女を酔わす、そして結局は不幸にするの。パートナーも愛する女も」
「僕は、それほどすべてに強欲とは思わないな。そうであればすぐ楊さんの申し出に同意し次のステージに移るよ」
「ご謙遜を。ミスターシャイ、あなたのそのはにかみの裏には大きな野望が潜んでいる。それがないと否定するのがその証拠よ」
 
……果たしてこんなんで勝負できるか?
 人生半ばである30、40代の充実世代の読者に読んでもらいたい小説作品群であり、11月中に8作品をキンドルで電子書籍化していくつもりだ。フレーフレーの旗をぜひ?


〔 追記〕本日、アマゾン・キンドルに電子書籍作品、新作の短篇集Ⅲ『百日紅の海』、短篇集Ⅰ『深山霧島を見ずや』、薬師丸シリーズⅢ『カンガルーポーの絆』の三作を刊行しました。しばらくは、キンドルの無料アプリをダウンロードして、無料で試し読みできますので、なにとぞよろぴく!!

         (適時、掲載します。応援ヨロピク!)   


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