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【肺がん】体調の変化には治療前よりも敏感に気を付けて、記録に残す習慣づけを

治療開始2日目で休薬。抗がん剤治療が初めてだったのでよくあることかも分かりませんでしたが、嘔吐による食道の痛みと異物感が激しく、とにかく辛かったです。私におきた副作用や、体調の変化に気付かなかった反省になります。

半端ない食道の痛みと異物感。何も詰まってないってどういうこと?!

休薬で吐き気は治まりましたが、食道の痛み・異物感は取れませんでした。ツバをのみこむ、ご飯をたべる、ゲップをする、とにかく痛みが発生しました。説明しづらいんですが、痛い場所が上下にニュルニュルずるずる~ッと移動するんです。経験のない感覚で、涙が出るほど痛い。本当に辛くて先生に何度も困ってる事を伝えたのですが、理解してもらえずこれがまた辛かった。「レントゲンを撮りましたが何かが詰まっているような症状は見受けられませんでした」と。痛み止めが処方されましたがほぼ変化無し。「痛っ!」じゃなくて「じっとり」痛いので食事が怖かった。何を食べても痛いのかと思いきや痛くない物もあり、逆にそんなに固くない物でもメチャクチャ痛い時もあるんです。でもこれも時間と共に和らぎました。

1週間休薬し、減薬しつつ再開することになりました。治療最初開始時は250mgのカプセルをのんでましたが、200mgに切り替えて1週間、でまた250mgに切り替えました。カプセル数も減らしたため本来の薬の規定量の半分以下でしたが、慎重に進めていきましょうという理由からでした。
薬の規定量については外国人の身体が基になってるものもあり日本人は比較的身体が小さいので一概にはいえないようです。ま、状況に適した治療ができれば良いんでしょうね。

ザーコリはすごく効いた。自分でも気づかない内にピタリと咳が治まっていた。

気になるザーコリの効き目ですが(あくまで私の場合)、レントゲンを撮ると肺の影/白さが薄くなってきました。小走りするとゼーハーしてた息切れもほぼ無くなりました。何より、あれだけ出ていた咳がピタリと止まりました。咳は日中かなりの頻度で出ていたのですが、気づかぬ内に徐々に減っていって、ある時期には出なくなっていました。楽になっていくのであまり意識してませんでした。周囲の人から「前は結構咳してたけど最近してないよね?」と言われるようになって自覚したかも。
はっきりとした時期は覚えてないですが、一番最初の服用から(休薬期間も含めて)3週間強が経過時点では咳は止まってたかと。抗がん剤は休薬期間も含め、治療初月は合計15日ほど飲みました。

薬の力ってすごいな(こわいな)と思いつつ、咳が止まって体が楽になったのは大きかったです。日中に出る咳も大変でしたが、就寝時に横になると出る咳にも困っていました。咳って何気に体力を消耗します。外出先では人の目も気になりますし。
あと検査をする機会が増えてきたんですが検査の時って息を止めなきゃならない事もあり、でも咳を我慢するのがしんどくて。些細な事ですがこういったのも楽になりうれしかったです。

抗がん剤治療を始めたけど治療前と同じ、もしくはそれ以下の生活を続けた自分。体の変調に気づけず痛い目に遇う。

副作用は幾つか出ていたものの、耐えられないような症状は出ていませんでした。ただこの頃には会社の勧めから、在宅でほぼ毎日働くスタイルになっていました。しかしうちの会社では在宅だと様々な制限が発生します。もともと仕事のストレスが強かった私は、更にストレス過多になってきました。疲れやすくもなり、仕事が終わった途端にベッドに倒れて爆睡してしまうといった事もしばしば。運動不足にもなりますし、日常が安定せず、食生活も不規則になってきました。でも仕事を優先し、体調に特に気を配るわけでもなく治療前と同じような生活をしていました。

私はもともと便秘体質で2~3日ないのも日常茶飯事。気にも留めておらず抗がん剤を再開して10日強が経った頃、お腹が張ってることに気が付きました。そういえば1週間くらい便秘かもと先生に話して下剤をもらいました。
しかし下剤を飲んでも変化なし。様子をみようと悠長にかまえたけど、夜になるにつれ段々とお腹が痛くなってきました。私は生理痛もひどいのですが、この痛みと似ていました。ジリジリ&ずーっと痛いやつ。
夜中2時すぎに痛みで目が覚めた後は朝方まで痛みが続きました。でも痛み止めもないし、なにより今日は日曜日、病院もやってません。どうしよう・・休日診療の病院を探すしかないか?とスマホ検索していたら、24時間営業のドラッグストアがあるというのを知りました。半信半疑で店へ電話をかけて確認し、急いで着替えて駅に向かいました。
薬のお蔭かほんの少し痛みは治まりましたが結局夜20時過ぎにギブアップ。救急車を呼ぶか悩みましたが、ご近所迷惑だろうと勇気は出ず。

時間外でしたが通院中の病院へ電話をしました。電話に出た人へ事情を説明しこれから救急外来で掛かりたいとお願いしました。こちらは必死なんですが案外冷たい(冷静な)対応で、どうしても必要なんですか?明日の外来じゃダメなんですか?等を言われ、ギリギリまで我慢した末の電話だったので正直泣きそうでした。
「先生からも何かあったらいつでも来るようにとと言われてるんです」と訴え、最終的になんとか「来ても良い」の許可をもらえました。
「病院には自分で来られますか?救急車は必要ですか?」と聞かれましたが、これまでの会話から「来てほしい」とは言いにくい雰囲気に感じたので「多分タクシーなら時間かかるけど行けると思うんですが・・」というと即座に「そうですか。じゃぁタクシーで来てください」とこれまた冷静なお言葉。
思いつく物を鞄に突っ込み、親へ電話でざっと説明し、タクシーで病院へ向かいました。タクシー内では痛みで体をかがめていたのですが、吐き気があるのだと思われたようで「吐きそうになった言ってくださいね」と何度も言われてしまいました。

世界の中心で愛を叫ぶの「助けてください」ばりに救急外来のドアホンの前で叫ぶ。でもこんな状況でも「お名前は」と冷静に言われてツラタン・・

病院に着いたのは22時はすぎていたと思いますが、中には予想以上の患者さん達がいました。ほどなく私も診てもらえたのですが、症状は特定できないとのこと。とりあえず大事には至らないものと推察されるので今日はどうしますか?(帰るか入院するか)と聞かれ、とにかく痛みが強かったので入院することになりました。
ただしこのご時世で入院前には、そうですPCR検査が必須なんですよねぇ。腹痛に耐えつつ寒空のテントの中で待って検査→結果が出るのを待ち→陰性だったら晴れて入院が叶います。検査をパスして院内のベッドで横になれた時には、日を跨いでいました。パジャマを持ってきてないので洋服のままベッドに入り「痛い痛い」とうめいていました。(特に薬はもらえない)
きちんと検査や診察をして薬を処方してもらえば痛みなんて消え去る、それまでの辛抱だと考えていた私ですが、ここから痛みとの地獄の長期決戦、そして一か月間の入院生活を送ることになるとは…まさか思ってもいませんでした。

治療を始めたらやると良いこと

治療観察日記(メモで構わない)を付けると後々便利です。私の場合、排便の有無、こんな副作用があった等のトピックスだけですがメモしてます。
これをやって初めて、実際はどれ位便秘してるのかを知ることが出来ました。これまでは全く意識してなかったので2~3日位?と曖昧な認識でしたが実際のところは分かりません。
先生に説明するのにも便利です。こんな副作用が出てきましたと言って「いつ頃から?」と聞かれた際に明確に返せます。
私には「習慣付ける」ことが難しく、手帳のようなものに書き込むスタイルで、とにかく机の目のつくところに置き、いつでも書ける環境にしました。

抗がん剤治療時の入院する・しないってどちらが多いの?

初めての抗がん剤治療でも、私は入院しないケースでした。先生からは「あなたはまだ年齢的にも若いので、もし何かあったとしても自分で通院してもらえることが期待できるので通院(=入院しない)でやっていきたいと思ってます。高齢の方とかだと中々そうもいかないので入院もありますが。」とのこと。私は相変わらず「会社休まなくていいしラッキー」程度でした。

今でこそ抗がん剤開始時は入院するケースも多いことを自分でも認識してますが、どっちのケースが多いのかなとネット検索してみました。
・現在は通院で可能な治療は通院で行われるようになってきたため入院でも通院でもどちらでも良い
・経口薬のみの治療なら当然外来治療が可能、入院でしか行えない抗癌剤治療は入院が必要
・はじめての抗がん剤治療は治療による副作用を確認するために基本的に入院で治療が開始される(といった病院もある?)

等が出てきました。私は初めての抗がん剤治療でも入院しなかったので、結局は病院(先生?)の判断によるんでしょうね。

治療開始時の入院は色々と大変だけど臨機応変な対応や、体調に合った処置をしてもらえる

SNSでも色々な方の治療の状況を知る機会があるのですが(個々の症状にもよると思いますが)開始時は入院してるかたが多いように感じます。私は入院しないケース・するケースの両方を体験しました。働いていると会社を休むのに困りますが、入院して毎日の経過を見てもらうことで、体調の変化にも臨機応変に対応してもらえたり、治療中は疑問も出てくるのでそれらがすぐ聴ける環境(=入院する)だだたりのほうが、個人的には良かったと感じました。

抗がん剤の扱い方にお作法ってあるの?

今回の腹痛による緊急入院を経験した後で私は転院して新たな抗がん剤を飲み始めるのですが、飲み始めの時は入院(約2週間)しました。経過をみるため入院必須とのことでした。
新たな抗がん剤(ロズリートレク)もザーコリと同じカプセル状なんですが、1回目の服用時に看護師さんから薬を渡された際、手で持ったら「あっっ!素手では触らないように!」と慌てて止められ、手を石鹸で洗うように言われました。
「え?触っちゃいけないの?!」とビックリ。「あの、なんで素手で触っちゃいけないんですか?」と聞くと「抗がん剤ですから、どこからどう作用(反応?)しちゃうか分からないので。できるだけ皮膚に直接触れないようにしてください。」と言われて更にビックリ。だってザーコリは素手でバンバン触ってましたから~。
「もし触っちゃったらどうしたら良いんですか」と聞くと「水で洗う、できれば石鹸で洗ってください」とのことでした。

看護師さんは初日、私が薬を飲むのをじっと横で見ていて「もしや待ってる?いま飲まないとまずいの??」と正直戸惑ったのですが、こういうことを確認する意味もあったのかなぁなんて後から思いました。
ザーコリの時はこういったお作法?の説明は無かったです。同じ抗がん剤でもロズリートレクだからこうした方が良いなんてこと・・ない気がするんですがどうなんでしょう。
看護師さんは親切に小さな容器(これに一度入れてから口に運べば手で持たなくて済む)もくれました。これに慣れてしまい退院後も使って飲んでました。看護師さんありがとう~

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