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ベースボールにまつわる映画のはなし

ナショナル・パスタイム(国民的娯楽)。

アメリカ映画に於いて、親子の絆をキャッチボールで描く演出はよくあること。ベースボールは国技であり、生活に深く根ざしている。

「フィールド・オブ・ドリームス」や「メジャーリーグ」など、本格的なものも数多く存在するが、それはまたの機会に。ここでは、ベースボールが少しだけ物語に関わる作品を、ご紹介していきたい。


■バック・トゥーザ・フューチャー2(原題: Back to the Future Part II) 1989年作品

言わずと知れた、SF映画不朽の名作。第1作目は1985年公開、30年以上昔というのが俄かには信じがたい。

マイケル・J・フォックス演じる、主人公の高校生マーティ・マクフライが、エメット・ブラウン博士(通称ドク)の開発したタイムマシン「デロリアン」で、過去の世界へ旅立つのが、第1作目。第2作目は30年後の未来、恋人とともに、2015年へと向かう。

タイヤのない自動車が空を飛び、ナイキ製のスニーカーは足を入れるだけで靴紐が締まる。そんな世界でもベースボールは変わらず存在し、弱小シカゴ・カブスが、70年ぶりのワールドシリーズに出場。1908年以来の世界一に輝いていた。

■ビリー・ゴートの呪い

翻って、こちらは現実世界。1945年のワールドシリーズ第4戦、ビリー・サイアニスという熱狂的なシカゴ・カブスファンが、球団から入場拒否を言い渡される。相棒のヤギとの試合観戦を断られ「カブスは二度とワールドシリーズに勝てないだろう」と、球場を後にした。有名な「ビリー・ゴートの呪い」の誕生である。

時は流れ、2015年のカブスはナ・リーグ優勝決定戦まで勝ち上がる快進撃を見せた。そして翌年、71年ぶりのワールドシリーズに進出。悲願のワールドチャンピオンを掴み取る。

30年も経てば、弱小カブスの悪しき呪いだって解けるだろう。そんな映画のワンシーンで皮肉られた「予言」が、1年遅れで現実になったのだ。


アメリカ映画とベースボールは、切っても切り離せない関係にある。囚人の雑談からミステリーのトリックに至るまで、ベーブ・ルースが、ジャッキー・ロビンソンが、ありとあらゆる場面で話題にのぼる。ほんの少しだけ世界の解像度が上がる、ベースボールファンにささやかな喜びをもたらしてくれる瞬間が、そこにはある。




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