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ラッセル・ウィルソンのトレード経緯と要因──「信頼関係が崩れた」両者の5年間
(ヘッダー画像引用元:@Seahawks)
まずはこちらをご覧ください。
シーホークスの攻撃時のランプレーの割合
2014: 53.6%(1 位)
2015: 50.6%(4 位)
2018: 55.6%(1 位)
2019: 48.2%(5 位)
2020: 42.2%(19 位)
2021: 43.3%(13 位)
このデータは、「直近 2 シーズンは、ピート・キャロルが己の哲学を曲げ、ウィルソンを信じてパス主体(当社比)にした」ことを示しています。
※2016-17 は本当に OL/RB が壊滅的だったので参考になりません
【まず結論】ラッセル・ウィルソンがトレードに至った流れと、考えられる理由
※内容には筆者の想像・考察も含みます。
<結論>
どっちもどっち。
<経緯>
特に 2018 シーズンオフからドラフト・FA 補強の失敗で戦力が年々低下しており、ウィルソンが経営陣(GM・HC)に不信感を抱いていた
経営陣はウィルソンの勝負強さは信頼しているが、パサーとしての総合力はそこまで評価しておらず、ウィルソン+OL/WR に過剰投資するのは ROI が低いと考えている(推測)
ピート・キャロルは 2020 年のパスハッピー O# が尻すぼみになったことから、2021 年シーズンは過去に成功事例のあるラン主体の O# に戻したかった
しかしウィルソンは OC 人事に介入し、補強の具体的な要望も挙げ、自分にとって理想のパス O# を要求した
キャロルも近年は時代にアジャストして変化する姿勢を見せている(D# のスタイルも少しずつ変えている)ため、ウィルソンを信じて二年連続で任せた
戦力補強に関するウィルソンの要望のいくつかは叶えたが、完璧には補強しきれなかった
結果、2021 シーズンの O# が過去最低レベルになった
ウィルソン自身がランヘビーではなく “バランス・アタック” を望んで要求を通したはずが、本人の言動からそれを遂行する意志が感じられなかった
D# も再建できず地区最下位に沈み、雰囲気は最悪に
ウィルソンの契約は残り 2 年となったが、彼には残留する気は無さそうだと GMが感じていた(あくまで一方的な言い分)
今年はドラフト候補が不作のため最大級のビジネスチャンスとなり、決断するなら今だった
<原因>
この機会(ピンチ)を一緒に乗り越えられるほどの信頼関係がなくなっていた。現地メディアでもそんな表現。
おそらく両者の心境は
シュナイダー&キャロル(経営者)「私らは反対したのに君がやりたいって言うから任せたんだけど…。結果もプロセスもひどかったし、自己評価も私らと差があるっぽいから今後昇給させてまでお仕事任せづらくなってきたわ…。もう別れたほうがお互いにとって良いかもね?」
ウィルソン(現場 Mgr)「いや結果出せるほど支援してくれてないよね? そもそも経営陣が無能すぎて社内ボロボロになってんだから、こんなプロジェクト誰がやっても失敗するよ」
という感じではないかと(推測)。
そのへんの会社でもよくある話で、30 代〜の社会人のみなさまは実体験として理解できるのではないでしょうか。
【補足】ラッセル・ウィルソンにまつわる誤解と仮説
誤解1.「ザル OL が足を引っ張っている」「OL を補強してもらえない」
直近 4 年の SEA のパスプロ勝率(2.5 秒以内)は 3 位→28 位→9 位→15 位なので、元からそんなに悪くないです。
2021 年のシーホークスは、NFL で最も「パスプロで勝っている割に OL のパスプログレードが低い」チームになりました。
※パスプロ勝率は「2.5 秒もった」というファクトに基づく指標ですが、PFF のパスプログレードは被サックや被プレッシャーで下がるため、「QB が持ちすぎる」「WR がフリーになれない」「OC のプレーデザインやコールが悪い」といった要因に影響されます
Updated pass protection ratings.
— Computer Cowboy (@benbbaldwin) January 4, 2022
Would be fun to see what Burrow could do with better pass protection pic.twitter.com/XPFQYqTrVZ
誤解2.「短いパスが苦手で常にロングボムを狙うため、持ちすぎでテンポが悪い」
シーズン通算成績を見ると、Time To Throw もコース別のパス成績もひどいわけではありません。
野戦病院と化していた 49ers 戦では TTT が 2.1 秒前後だったり、早い試合は早いです。また D# が弱い相手には、ロングボム以外の短いパスもバランスよく通して完璧なパス成績を残したりします。
誤解3「被 INT(ミス)がとても少ない QB」
ウィルソンの長所として、常に INT が少ないこともよく挙げられます。が、そもそもタイトウィンドウに通す場面は少なく、副作用として被サックや無茶振りのような雑なぶん投げが多い。良くも悪くも「ミスを恐れすぎている」心配性で、チャンスをじっと待つタイプです。
なので、ドライブの遂行・継続能力が反比例して下がっていると考えられます。O# が機能不全となった 2021 年シーズンはタイムポゼッションが絶望的になり、D# のビッグプレー直後も高速で 3 凡を決めるなど、15~24 分程度の試合が続きました。
∴シーズン通算スタッツで語れることには限界がある
1.「パスプロ勝率は平均以上」
平均的な DL との真っ向勝負なら堅い
スタンツに滅法弱く(印象)、相手 DC の手腕にも影響
LAR・SF などトップ級にはボコられがち
→シーズン通算では「そこそこ」だが…
また、OT が堅く IOL が弱いので、身長が低いウィルソンにとっては数字以上に被プレッシャーあたりの影響が大きい?
2.「持ちすぎ、ロングボム偏重」
DB が弱くて WR が簡単にワイドオープンになれる相手、スキームがシンプルでカバーが読みやすい相手ならリリースも早く、短いパスもバランスよく通せる
パスラッシュが弱く DB が強い相手、カバーが読みづらい相手だと粘りすぎて TTT が極端に長くなる(だいたい 3 秒程度になる)
DL/DB 両方が強い相手だと自暴自棄のように唐突なロングボムを投げ続けてしまう
→シーズン通算では「INT(Bad Throw)は少ない」「TTT はちょっと長め」「ADOT はリーグトップ」という感じだが、数字ほど印象は良くない
→仮説:
相手の守備に難があれば正攻法でいけるが、手ごわい相手になると、ちまちまと攻略するより全打席マン振りでホームランを狙ったほうが効率がいいと考えている?
…といった近年の状況から総合的に考えて、経営陣はウィルソンを王様に据えたパス主体の O# に振り切る気はなく、ウィルソン+高額な WR/OL にまで投資するのは効果的ではないと感じていたと考えられます(じゃあドラフトで当てろよって話ですが)。
◆ここからはオマケみたいなもん(超長文です)
〜シュナイダー&キャロルとウィルソン、決別までの 5 年間〜
「首脳陣の評価とウィルソンの自己評価が合っていない」→「信頼関係が崩壊した」という話は歴史を学ぶことも重要なので、もう少し掘り下げていきます。
個人的には、2018 年のプチ再建の成功体験が両者に深く影響したのではないかと考えています。
【2017 年オフ】OL 崩壊、LoB 解体、そして一度目のプチ再建
このへんはみなさんもご存じの通り、OL を軽視した結果として 2016 年には NFL 史上に残るグロい OL が完成し、ランでもパスでもスナップ直後に OL が崩壊して何もできない展開が続きました。
結果、2017 年シーズンには、ラッセル・ウィルソン獲得後初めてプレーオフを逃しました。
D# の主力もごっそり抜け、黄金時代の終わりどころか、翌シーズン開幕前にはメディアから「4-12」と地区最下位を予想されるほどでした。
原因は異なりますが、状況は 2021 年シーズン終了後(今)に似ています。
オフにはピート・キャロルが再建に着手し、O# では「ランが出ないことには話にならん」とラン回帰を掲げます。
【2018 シーズン】ランヘビーからたまにぶん投げるラッセルのロングボム気持ちいい~~~~~!!!!
OC にはブライアン・ショッテンハイマーを招聘し、OL にはランブロックに特化したベテラン選手を(お安く)獲得。
鍵となる RB には、7 巡指名から 2 年目を迎えたクリス・カーソンを抜擢しました。過小評価されがちですが、コンタクト後の獲得ヤードがリーグトップ級の選手でした。早い話がジェネリック・ヘンリー。
ダグ・ボールドウィンの後継となる WR には、俊足かつ非常にキャッチ力の高いタイラー・ロケット&デイビッド・ムーアをフィーチャーしました。
基本的には
読まれてようがひたすらカーソンが突撃してこじ開ける
ウィルソン(OC)は常にチャンスを伺い、ロングボムを狙う
と、カーソンがチャンスメイクをしてウィルソンに繋ぐという、ウィルソンをポイントゲッター(FW)、四番打者のように扱うスキームでした。
カーソンが最も警戒される 3rd & short や 4th down では俊足 WR が 1on1 になりやすいため、ウィルソン(と WR 陣)の勝負強さを信じて積極的にロングボムを狙うという点も特徴的でした。
結果としては、この年の再建は O#・D# ともにそこそこの成功を収めました。
カーソンやムーア、DE フランク・クラーク、DT ジャラン・リード、CB シャキール・グリフィンなどのドラフト組や、格安で獲得した FA 選手の “小当たり” が続き、わずか一年でプレーオフに返り咲いたため、キャロルの手腕を評価するファンも少なくありませんでした。
![](https://assets.st-note.com/img/1647624245865-aBEIYoR3UW.jpg?width=800)
接戦をモノにした後のロッカールームでは飲み会のコールみたいなアレで盛り上がり、失われかけていたキャロルの統率力が戻ってきたと思われていました。いくら人格的に嫌いでも認めざるをえないでしょう、このジジィが有能だということは。
【2019 シーズン】ランランロングの限界が見えた
しかしランとロングボムの二択という O# も当然ながら欠点があります。
ランに強いフロント 7 で 1st〜2nd down のランを死守する(3rd & short にさせない)
ボールスキルのある DB 陣でディープを厚く守る(縦の 1on1 を作らない)
俊足 LB や SS をスパイとして意識させ、スクランブルを警戒したりディレイドブリッツに使ったりする(ウィルソンの 2nd Option を封じる)
という “SEA 対策” が考案され、実行できるだけの駒が揃っている MIN・PHI・BAL・NE などのチームには O# が機能しませんでした。
ウィルソン・カーソン・ロケット・ムーア+この年加入したメトカーフの「個人技をねじ込む」形でなんとか打開していましたが、チームとしてもう一段階レベルアップする必要がありました。(が、ここからはメトカーフ以外のドラフト・FA・トレードが失敗続きになっていきます)
【2020 シーズン】脱・ランランロング → ウィルソンを信じろ
この年、シーホークスは伝統を捨てて大きくシフトチェンジしました。
ランが読まれて止められるなら最初からパスを投げればいいじゃない。
だって、
「「俺たちの QB はラッセル・ウィルソンだぞ!!!」」
"Let Russ Cook" の大合唱とともに圧倒的な火力で得点を積み重ねていき、前半戦を 6-1(1 bye)で終えるというロケットスタートを見せました。
「やっぱりウィルソンを信じるべきだったんだよ。ランランパスとか古いわ」
「ロケットとメトカーフの両方止めれるチームなんてなかなか無いでしょ」
「ムーアだ。DK 以上に縦の 1on1 に強いムーアが 3 番手にいるからこそのバーティカル・オフェンスだ。DK とロケットが奥に走らずに相手が前がかりになったところでムーアが(早口)」
しかし、過信の報いはすぐそこまで迫ってきていました。
象徴的だったのは後半戦しょっぱなの BUF 戦です。
ウィルソンの低身長ゆえの制限
そもそも長短のパスを投げまくる O# の経験などない
ロケット&メトカーフという 2 トップも超一流というわけではない(オールプロ級の DB には勝てない)
WR2 のメトカーフ、WR3 のムーア+α がピーキーすぎる
OC はランランロングの専門家な上に、そもそもゲームプラン作成とプレーコーリングの評価は低い
という要因で、「パスプレーの幅は広くないため、対策しやすい」という弱点が浮き彫りになりました。
パスプロ重視にシフトした「軽い」OL になり、ランブロックが弱くなったことも響きました。
さらに、NYG が新たな SEA 対策として、スクリメージに 6〜7 人並べてカバーを偽装するコールを増やしました。どうもウィルソンはこの形が苦手なようで、シーズンを通して、そして翌年も抑えられ続けました。
「ウィルソンってパサーとしては限界あるんじゃね?」
「本当に我が軍はパスハッピー O# をやれるのか?」
と、"Let Russ Cook" とイキることもできなくなり、プレーオフでも苦手の LAR D# にシャットアウトされ、尻すぼみのシーズンとなりました。
【2020 年オフ】離婚の一年前、その時歴史が動いた
2020 年オフ、シーホークスは転機を迎えました。
ピート・キャロルは「ファンのみんなは嫌がると思うが、我が軍はやっぱりランのチームだ」と宣言します。天井が見えた 2018-19 のスタイルをどう進化させるかは不透明でしたが、ウィルソンにパスを 40 回投げさせるのは正しくないと判断したようです。
しかし、このあたりからウィルソンは公然と不満をぶちまけるようになりました。「OC 選定に参加したい」「うちの O# に求められるのはランとパスのバランス、そしてテンポ」「エリート OL を補強してほしい」「OBJ、フリオ、AB 誰でもいいから戦術兵器になる 3 枚目の WR が欲しい」と、多くを要求しました。
すべてを経営陣に任せると微妙な人材が揃えられそう…と不安になったのかもしれません(推測)。
※ちなみにこのときもトレード騒動が起こり、GM・シュナイダーがウィルソンの代理人との話し合いの末に「イライラしていた」と報じられています。この時点で両者に不満が溜まっていたもよう。
結果として、ウィルソンの要求の多くが通りました。「理想的なバランスアタックをしていた」という LAR から新 OC・ウォルドロンを迎えたことで、現地の番記者やアナリストは「ロングボムを減らし、ショートパスを増やしていくのだろう」と予想しました。もちろん私たちも。
さらに実績のあるレシービング TE としてエベレット、ドラフト 2 巡で WR3 候補となるエスクリッジ、長年の弱点だった IOL にも高給のゲイブ・ジャクソンを補強し、体裁は整えました。
C に不安は残り、その不安は的中するのですが…。まぁクリード・ハンフリーを指名しなかったというのは結果論です。「スペシャルな WR3」もニーズかつウィルソンの要望だった。
【2021 シーズン】徹底討論:「バランスアタック」とはなんだったのか
「「思てたんとちがーーーーーーーーーう!!!!!」」
開幕前~初戦の快勝後の選手へのインタビューでは「プレー選択にこだわりを持たず、相手の D# の出方によって柔軟に攻め方を変える」「パズルのようなもの」という声が聞かれました。
しかし Week 3 で、苦手の MIN D# に後半でアジャストされて以降は絶望的なほどに失速。ウィルソンは、特に苦戦している展開ほど、何かに取り憑かれたようにロングボムばかり狙い続けました。
象徴的な試合は、指の故障からの復帰戦となった Week 10 の GB 戦です。
ウィルソンは Cover 6 に対して明らかにロングボムで攻めるという傾向があり、GB はウィルソンに対して執拗に Cover 6 を敷いて「ロングボム通してみーや」と正面からぶつかってきました。
The #packers played an unbelievable amount of Cover 6 against Russ. Throughout the season, and even last season, he has been consistently launching the ball against Cover 6. Seemed like the Packers essentially tried to bait him into throwing deep all game, and it worked. pic.twitter.com/80SrvVaQYj
— Ryan Weisman (@ryanweisman12) November 18, 2021
Keys to the Packers Shutout 🛑
— Next Gen Stats (@NextGenStats) November 15, 2021
The Packers sold out to stop the Seahawks passing attack.
🔹 Light Box Rate (6-or-fewer defenders): 97%*
🔹 Average Depth of Deepest Defender: 16.1 yards
🔹 Blitz Rate: 19%
*2nd-highest by any defense in a game this season#SEAvsGB | #GoPackGo
結果、ウィルソンはキャリアで初めて完封負けしました。優秀な DB 陣が揃う GB は、見え見えのロングボムを通してくれるほど甘くありませんでした。
もちろんこの試合は故障の影響も大きかったはずですし、QB だけでなくレシーバー陣、そして OC の責任も追求されるべきです。ランブロックの弱体化、エース RB・カーソンの勤続疲労でラン O# が壊滅した影響も大きいです。
ただ、自ら OC を選んだ以上は「D# の出方に応じて攻め方を変える O#とはなんだったのか?」「ウィルソンにとってのバランス・テンポとは何を指しているのか?」というツッコミは増えていきます。
そもそも、「新 OC の指示に従っているのか?」という疑問も生じるようになりました。
しかしその後も O# は変わりませんでした。天敵である LAR 戦でも、アンダーニースにパスを投げられそうな場面だろうが狂ったようにサイドライン際へのロングボムを狙いました。
【2021 年オフ】来るべくして来た決別
そして久々の地区最下位に沈んだ 2021 シーズンのオフ、ラッセル・ウィルソンはトレードになりました。
現地アナリストは「バランスアタックを掲げて O# を改革したことが、かえってウィルソン自身を苦しめることになった」と指摘しています。
ピート・キャロルはおそらく一貫してウィルソンのことを “絶対的司令塔” ではなく “最高に勝負強いワントリック・ポニー” だと考えており、「それ見たことか」「ワシの言う通りにランランパスの PA 専用機をやっとけば傷つかずに済んだものを」と思ったのではないでしょうか(推測)。
ただ、ウィルソンも「現 GM&HC に任せていても停滞から抜け出せない」という不信感、「何かを変えなければいけない」という焦りが強かったのでしょう(推測)。
ウィルソンの不信感は根強く、2023 年までの契約が切れれば残留する気はなさそうだった、と GM・シュナイダーが語っています(プロパガンダ的な可能性もあり)。
…そして、この最悪なムードの中で、過去最大級のビジネスチャンスが来ました。QB を求めるチームが多く、ドラフト候補も不作年のため、売るとしたら今でした。本能寺の変のように天がお膳立てした感があります。
経営陣からすれば、「今の」ウィルソンとは今後一緒に仕事しづらい、破格の延長オファーを出しづらい、つまり別れたほうがお互いにとって良い…と判断したのでしょう。
結局何が問題なんだったっけ? ウィルソンが「見切られた」ポイントとは
平均以上の D# に対して「ロングボムを通して相手が後ろ寄りになったらアンダーニースを使う」と長短のパスで崩して勝った実績は少ない
手強い相手はコツコツと攻略するよりホームランを狙ったほうがいいと考えている?(2018~2020 前半戦のバーティカルオフェンスの成功体験の影響?)
加齢によりサック回避力は低下
間違いなく「一流」ではあるが、決して「超一流」ではない
「チェックダウン使おう」「相手を研究しよう」という意見に「自分の考えを変える気はない」「自分たちのふっとぼーるをやる」と答えるなど、現 GM&HC に対していい子ちゃんでいることは辞めた
要求サラリーはキャップスペースの 20%
考えられる中で最悪の仮説は、「守備戦術が進化し続ける中でパスを通しまくるのは難しいし、失敗したらウィルソンブランドが傷つくし、コンフォートゾーンから出たくない」という考えを持っているのではないかということ。歳を取ると誰でも大なり小なりそうなる。
それでもウィルソンは永遠の NFL 全体 6~8 番手 QB(主観)をキープしてきたので、D# とか周りが援護して SB 連れてってやれやという話ではあります。ただ SEA ではもう無理だという状況。BAL とラマー、ARI とマレーも今後どうすんでしょうか。
そもそも首脳陣の責任も大きいので、戦力が揃ってるブロンコスでどうなるかは注目
この 2 年間はウィルソンの限界が見えた一方で、
パスプロに特化した人材を揃えたためランブロックが弱くなり、ランの援護がなくなった(両方強いエリートを全く育てられなかった)
WR 陣もリーグトップレベルとまではいかなかった
2018 年のプチ再建成功によって、GM と HC がますます「ワシは有能」「ワシらならまた再建できる」と調子に乗ってしまった(推測)
→ 2019 年からはドラフト・FA 補強もますます独自路線(笑)となり、失敗続きだった
2019 年から徐々に D# が崩壊していき、O# の負担が非常に大きくなった
HC が現場に細かく口を出しすぎで部下に仕事を任せきれていない
と、長年にわたる経営・チームビルディングの失敗も大きな影響を及ぼしました。また、「ウィルソンが長短のパスを投げ分けられないと見切るのが早すぎる」という指摘もあります。
ブロンコスは近年のドラフトで成功しており、ウィルソンの負担は確実に減るので楽しみではあります。サットンが雑なぶん投げを全部捕るか、ジューディが 1~2 秒でワイドオープンになってくれれば、KC 戦の勝利や CC 進出は堅いでしょう。たぶん難所は KC よりもラッセルの倒し方を知ってる NE・BUF・BAL らへん。あとマホを抑えた CIN か。
そして D# が援護し、すべてが噛み合えば SB 制覇も狙えるはずです。知らんけど。わしは疲れた。もう知らん。2018 年に戻りたい。あの頃は楽しかったのにどうしてこうなってしまったんや。もう一回 "Can you win the game in 1st quarter?" のコールやりたかった。
ということでおしまい。
余談:できるだけすべてのデータに出典を貼りたかったけど改めて探すのが面倒で諦めた。だいたいケン・ノートンが悪い。
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