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「キャスト・アウェイ」を見て。


原題:CAST AWAY
邦題:キャスト・アウェイ

監督:ロバート・ゼメキス(2000)

あらすじ: チャック(トム・ハンクス)は速さを誇る宅配便“フェデックス”のシステム・エンジニア。世界中を駆け回り、システム上の問題解決に明け暮れる日々。一秒も無駄にしないことが信条の彼は、恋人ケリー(ヘレン・ハント)とのデートも秒刻みだった。そんな彼はある時、飛行機事故に遭い、1人無人島に流れ着く。(引用)

感想:場所はどこであれ、風と潮の流れで生きてくんだね。

無人島生活よりも、戻ってきてからの描写の方が肝。

苦労して手に入れた魚やカニを始めとする食べ物たち、必死の思いで起こした火と灯り。全て当たり前のようにありがたみもなく、時にはぞんざいに扱われてしまう現代。ベッドではなく、床の角で横になる姿がなんとも切ない。

心の支えにしてたケリー。あんな追いかけてくれる人、他にいないよ。ただ、無情な時間のお陰で、あの結果になってしまったのが悲しすぎて。号泣。チャックも紳士すぎる…。冒頭の電話口でのセリフと比べたら、なんともまあ。環境と時間で人は変わるのね。

島から戻ってきたものの、こちらの世界の方が孤独感が否めない。なんでだろね。これって誰もが感じたことある経験ではないだろうか?複数人でいた方が孤独感増して悲しくなること。不思議。

ウィルソンと決別の時。あれこそ独り立ちで元の場所に戻れるという享受なのかな。

何かを手に入れる時、何かを手放さなくてはいけない。わかるけど、やっぱ人間、欲があるから全て手に入れたくなるよね。自分の身体と関係してしまったもの、人に関しては。ウィルソンはチャックの血で誕生したわけだし。

無人島での描写、素晴らしすぎる!何がリアルかわからないけど、なんかリアルで。トム・ハンクスだからできる感覚なのか。原始人も火が誕生したとき、あんな感じで喜んだんだろな。

ケリーも、待ち続けてたんだよね。事故の要因とか調べたりして。けど、ケリーも環境と時間によって、違う人生を歩んでしまった。もしも周りに諦めろという人間がいない環境だったら?なんて、切ないことは考えない。4年間待ち続けてたわって方が現実味が無いと思う。

最後の道の真ん中でのチャック。

人生の中で不時着してしまったけど、きっと風と潮が何かを運んでくれる。

それってワタシも同じであって。今はまだまだ漂ってる状態だけど、生きるためにもがいていれば、風と潮が何かを運んでくれるはず。命を経たない限り。


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