「ロケットマン」を観て。

原題:Rocketman
邦題:ロケットマン

監督:デクスター・フレッチャー(2019)

あらすじ:イギリス郊外の町で両親の愛を得られずに育った少年レジナルド（レジー）・ドワイト(タロン・エガートン)は、唯一、音楽の才能には恵まれていた。やがてロックに傾倒し、ミュージシャンを目指すことを決意したレジーは、「エルトン・ジョン」という新たな名前で音楽活動を始める。そして、後に生涯の友となる作詞家バーニー・トーピン(ジェイミー・ベル)との運命的な出会いをきっかけに、成功への道をひた走っていく。

ひとりのスーパースターの半生でもあるけど、ひとりの片想いの人間の話でもある。ジョンがバーニーに対する感情を歌うことで発散してたんだろなあ。バーニーの書くラブソングの相手は自分じゃないのだから、いつも自分の失恋ソングを歌ってるようなものだから。

でも、唯一、両想いになれた歌が「Your Song」ではないだろうか。バーニーは他の女性に向けて書いたのかもしれないけど、ジョンの実家でのあの2人の目線は紛れもなくお互いを思い合ってる姿に見えた。ジョンのために書いた詞、バーニーのために乗せた音。君の歌、僕の歌。

そして、ジョンとタロン・エガートンが歌う動画も合わせて見ると。

ジョンの中ではバーニーは一生の片想いかもしれない。Your Songはまだお互いの歌かもしれない。でも、この歌は世界中の人のための歌にもなってる。

タロンのための歌にもなってるし、タロンが思い浮かべるまた違う人のための歌にもなってるかもしれないし。

世界中の人がこの歌を知って、色んな人がカバーして、それがジョンとバーニーに返ってくるのがまた2人のための歌にもなってるわけだし。

だから世界中で愛される歌になったんだろなあと。

映画のシーンで、見つめてるおばあちゃんの姿も本当に素敵すぎて…。おばあちゃんにとっては誰のための歌になったのかな、と。

ワタシは？
うん、思い浮かぶ人はいるけど、それが相手に届いてるか伝わってるかはわからない。あなたの歌になればいいなあ、という願望だけ。