生きにくさをどこかに感じていてほしい。
私の初恋は、中学生。
うぶというか、鈍感というか感性が死んでいるんじゃないかと、思う。
そんな私にも初恋というものがあって、人生で唯一ひと目ぼれをして、何年も何年も好きで、ついでにいえば、告白も何もなく卒業とともに終わってしまったものだから、たぶん、一生引きずっていると思う。
恋は、きちんと区切りを自分でつけなくてはいけない。
それは置いておいて。
ふと、そんな初恋のひとを思い出した。数か月に一度くらい、あの人はどうしているだろうかとおもうのだけど、ふと、思った。
もういい年だし、なんだかんだいって器用な人だから、会社でそこそこ重要なポストについて、美人なひとと結婚して、幸せそうな人生をきっと歩んでいるんだろうなと思った。
それと同時に、どこかで生きていることに不満を持っていてほしいと思った。
なんか、嫌な感情だなと思って、なんでそんなこと思ったんだろうと思った。
好きだった人に不幸でいてほしいだなんて。
でも、なんてことはない。私は、彼のどこか世間になじめないように見えたところにひと目ぼれしたのだ。
だから、どこか、この世界に生きづらさを感じていてほしいと思ったのだ。
だって、中学生の初恋だもの。そして、私はまだ厨二病を引きずっているんだもの。
だから、どこかで、時々でいいから、器用なくせに、幸せなくせに、世間になじめてないと感じて、生きづらさを感じていてほしいと思った。
そうであったら、いいな。
もう私は、彼ときっと人生で交わることはないけれど、交わることがないからこそ、こっそりと、そんなことを願ってしまう。
私も、どこかの誰かに、そんなことを願われていたりするのだろうか?
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