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九死に一生を得た

九死に一生を得た話


これは今から27年前の
俺が小学1年くらいの頃の話です。

夏休みで家族で山に遊びに行った時のこと

家からどれくらい離れたとこに来たのかは

全然分からなかったけど

とりあえず覚えてる範囲で書こうと思う

山に行った時、そう言えば母親は来ていなかった

父と姉2人と兄と俺の5人でいってた

昼になりスーパーで買ってた

弁当を食べようということで

車で山を登ってる途中だったけど(どこに向かってるのかが
わかってない)
道路の脇に車を止めるくらい広い道で
ここで昼飯タイムに入った。

外は晴れていて清々しい空気だった

弁当を皆んなで食べてひと段落した時

姉ちゃん達が近くの″石の橋″の上で何か話をしてた。

この″石の橋″っていうのは今現在はあるかは分からないけど

手すりとかは付いてなくて、平面の橋で、

端っこの部分だけが10センチくらいのブロックがついてる様な

簡易的な橋だった。イメージ↓

(夜の写真で申し訳ない)

その上で姉2人が何か話してた。

近づいて聞いていると

『ねぇ、あそこに魚がおる』
『あ、ほんとやねー』

小さい俺は、魚とか虫とか好きだったから
『どこー?どこー?』って聞いてた

ただ、冷静にその橋を考えるとその橋があるところって言うのは

高さが恐らく20メートルくらいはある。

3階建てのビルの屋上から下を除いてるイメージ

まず、見えるかどうかってのが一つ疑問は残るが

とにかく魚を見たい一心で川を覗き込む様に見ていた。

ただ俺から見えていたのは魚というよりか
まっすぐ下に見えていたのは

大きな大きな岩のかたまり。



その岩の周りにいるのかな?って思いながら注意深く観察を続けた。


その時。


あ、

 •  •  •  •  •  •!!?

俺は、、完全に覗き込み過ぎて

落下していた。

ヒューーーーーーーーーーーーーーん

前回りしながら、、、落ちていく。

ゆっくりと、、、時間が過ぎていく。



姉兄たちは発狂してる。

キャーーーーーーーーーー((((;゚Д゚)))))))






完全に、、、、俺。

死ぬのかな?




 •  •  •  •  •  •  •  •。




この真下には大きな岩。





 •  •  •  •  •  •  •  •  •。



7年間ありがとう。




俺、生まれて、7年。

死ぬ。。。。




死ぬのかな?どうなるの?

小さいながらに思考を続ける。

俺が覗き込み過ぎたのがダメだったんだんだよ

もう無理だろうか、

何もせず、何も成し遂げる前で

短い命であった。



嫌だ、


いやだ


いやだーーーーーーーー(´;Д;`)

ーーーーーーーーーーーーーーーポチャ。




ーーーー息が吸える。

そういえば俺は

あの橋から落ちたあの瞬間から

前回りをしながら落下し

大きな岩の真上で半回転していた。

ちょうどそのタイミングが、

お尻が地面につく様に着陸。

【気づいたら俺は奇跡的に無傷で川に寝転んでいた。】

俺は寝転びながら、

親父が川の脇の林の中を
ほぼスライディングする勢いで
スピーディーに降りてくるのが
よく見えていた。

おーい、おーい、おーい!

谷底から山林に響くその声は
よく通った。

俺は薄目で、親父に抱っこされながら

先程の林を登って行った。




ようやく橋の上に戻ってきた時は

姉2人は泣きながら

『完全に死んだと思った』って。

そりゃそうだろう!
俺が一番死んだと思ってたからね!

あの高さから落ちて九死に一生を得た俺。
そして、無傷で生還できたこと。

もう、見えない何かに助けてもらったとしか
思えない様な幼い記憶の物語でした。

大人になった今。

その場所が何処だったのかは

今だに知る由もない。






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