『ベル・エポックでもう一度』をもう一度

今日はすごく気分が乗らなくて、結構ぎりぎりまで行くか迷い、どうしても見たい映画ではないし今日を逃したら見れないけどどうしようか……となりつつ結局行きました。
ただ、行く前にfilmarksを見てしまって、それでさらに気分が落ち込んでしまって。映画見に行く前に他人の批評見るもんじゃねえや。

で、見に行って。
話自体は予告で見た通りコンセプトが面白いし、結構終盤まで「どうやってまとまるんだろう?」と分からない部分がよかった。
そして今70年代に凝っている私は、70年代フランスをなんとなく追体験できて気持ちよかった。
主役のカップルはおじいちゃんのヴィクトルとマリアンヌ(これは若いほうもおばあちゃんのほうも)だけど、裏でアントニーとマルゴのカップルの話もあって、なんかそのあたりがぐらーっと表裏一体であって、みたいな。そのせいで複雑になってしまっている気がした。

ヴィクトルとマルゴの間に恋愛はなかったけれど、確実に親愛はあったんだと思う。し、そのことからあのラストにつながっていくんならそれでいいかな。
壊れかけていた恋愛をつなぐのが別の親愛から生まれた偽りの愛で、あ~~~~難し~~~~~!!!難しいこと、言わすな~~~!!!

あっでもね。
「昔はよかった」じゃなくて、「変わってしまったかもしれないけれど、今だっていいんだよ」ってことは伝わってきた。
そう伝えたいからこそあのラストなんだと思いましたよ。

で、私にしては結構ネガティブな感想なんですけど。
事前に見てしまったとおり、おばあちゃんのほうの奥さんがすごく嫌な人として描かれている。主人公を冷たく突き放して、時間旅行にのめり込ませる要因の一つになる。本当に好きになれないというか、「女」の嫌な部分が全面に主張されていて、うちも母親がヒステリックなタイプなので本当にもう……嫌で……しかも浮気してるし……ほんとなんなんですか?
あと、裏カップルの二人も本当に分からなくて、ずっとずっと喧嘩してるのにセックスするし一緒に風呂入るんだよな。愛ってなんなんだ??おい。分からん。というか、こっちの二人はあくまでも主ではないせいで、細切れに描写が挟まれるので(この二人の関係性に)イマイチ感情を入れづらいというか。アントニーも癇癪持ちで嫌な感じの芸術家だったし。おんなじような系統のキャラを二人も出さないで…………というかこれは私がただ、ヒステリックで裏表のあるキャラクターをあんまり好きになれないだけの可能性もあります。申し訳ない。
ヴィクトルとマルゴが過去を追体験しながら関わり合っていく様子はとても綺麗で好きだったし、マルゴが演じるマリアンヌのおかげでヴィクトルの人生が前向きになったのも事実なのだ……。

こうやって書くと、私はこの映画に対してすごくネガティブな感情を持っているように見えると思うんです。
いや……感情はそうなのよ。見に行かんでよかったな~とまでは思わないけど、まあ人生で通っても通らんでもよかったかなって思っちゃった。
なのに、不思議な事に、3回くらい泣いてしまったのよ。ヴィクトルはこんなに奥さんを愛してるのになんで伝わらないんだろうとか、それが結末につながっていったときにわーっと泣いてしまって。
結局自分は人を愛することも愛されることもできないから、そういった感情の昂りと抑うつ状態が合わさって、爆発してしまったんだろうなって思うことにしてます。何かしらの琴線に触れたんやな。
だから総合的に、見てよかったって思いました。映像は綺麗だったし音楽もよかったね!

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