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本当の自分を見つけたコーチング体験

私がコーチングを受け始めてから、早くも1年が経過しようとしているのも気づかず、前回のセッション時にコーチの方に提案されるかたちで、これまでのコーチング体験を振り返ることにした今、初めてコーチング開始から1年が経とうとしていることに気がつきました。

振り返ってみると、「あっという間だった」というだけでは簡単すぎるぐらい、非常に中身の詰まった1年だった気がします。その間は身の周りの環境の変化や起きる物事も様々ありましたが、自分の内面が変化していったことで、周辺で起きる出来事への捉え方も変わってきた気がします。そんな1年の振り返りをこれまでのコーチング体験記としてまとめたいと思います。

コーチングを受けることにした背景

そもそもコーチングを受けることにした背景は、将来に対する漠然とした不安感でした。特にキャリア、仕事に関する部分で悩んでいました。

これまでやってきた仕事は、その先も無理なくなんとなく続けられるものだとは思っていたました。ただ、充実感を感じることもあまりなく、ただただ発生するタスクに向き合ってこなしていくだけで、タスクを終わらせた先に何か目指すものがあったわけではなく、ただ目の前のことをこなす事で時間を消費していた気がします。もちろん、自分がそれをすることで、事業や会社や社会に多少なりとも貢献している部分もあったと思います。

しかし、それが自分の中の充実感のようなものには繋がっておらず、次第にこの先この状態をいつまで続けることができるんだろうと疑問に思うようになっていきました。
そして、将来のキャリアや、もっと言うと自分自身の在り方としてどのような在り方が良いのだろう、それを探りたいと思うようになりました。
そんななかでコーチングを受ける決断をしました。

コーチング自体は以前から知っており、何度か単発で体験したこともありましたが、その後それを継続的に活用することができておらず、なんとなく気にはなりつつも頭の片隅に置きっぱなしになっていたものでした。
ただ、このタイミングにおいては、なぜか「もう、ここはコーチングしかない!」と思って、片隅に置きっぱなしになっていたもの引っ張り出してきて、ど真ん中に置いてみることにしました。
さて、これが自分のなかでどのように動いて、どのように作用していくのか。

解体

そしていよいよコーチングが始まりました。コーチングセッションがどのように進んでいくのか、体験したことがあるくせに若干の不安も覚えつつ、今後のキャリアについて、「自分が本当にやりたいことってなんだろう?」ということをテーマにコーチングしてもらうことにしました。

キャリアという言葉にすると、「仕事とししてどのような業界のどのような会社のどのようなポジションで働くかを考える」と言うことをイメージしてしまうのですが、当時の私としてはもっと根源的な「自分が本当にやりたいこと」を考えたい、確かめたいという思いで臨みました。

「自分が本当にやりたいこと」は自分自身のことなのに、全然わかっていなかったと思います。そのため、最初は
というところからスタートしていったと記憶しています。

自分の中身を確かめていくために、コーチが様々な質問を投げかけてくれるのですが、今改めて振り返ると、それらの質問に答えることが初期の私にとっては大変辛く重苦しいものでした。

自分自身についての質問なので、自分がきちんとわかっているはずで、すんなり答えられるはずなのに、ものすごく答えに詰まってしまう、時には答えたくない、答えるのが辛いと思った瞬間もありました。

客観的に見ると、自分のことなのになんでそんなに答えるのに困るの?という話ですが、辛いながらもなんとか絞り出して答えていくことで、今まできちんと触れて、向き合ってこなかった自分の中の考えや気持ちがたくさんあったことに気がつきました。そして、それらがなぜこれまできちんと触れられず、処理されず、半ば放置されたかたちでいたのかもわかってきました。

ここまでの過程は、これまでの人生やキャリアによって組み上げられ、建てられた家を一度バラバラに分解して、そもそもどのような材料が存在し、どのような設計図でできていたのか、どのような組み合わせによってできていたのかを見てみるとったような作業をしていた感覚です。

それぞれの材料や、それを繋ぎ止めている釘やボルトのようなものは、簡単に外れるものもあれば、なかなか外れず苦戦するものもあったり、なかには錆びついてしまってとれないようなものもあったと思います。ただ、コーチングを通じて、それらを1つずつ丁寧に外していく作業が行われました。

そして、ただただ材料が外されていくだけでなく、コーチからの様々な角度の質問により、それぞれの材料が改めて綺麗に磨かれていったという印象があります。磨かれて綺麗になったことで、それぞれの材料の形や質感がしっかりと現れ、それらがどのようなものなのかを改めて確認することができました。

再設計

一通りの解体が終わり、1つずつ外された材料が目の前にずらりと並んでいます。これらは、自分自身を形成していたはずのものなのに、あまり見覚えがないような形をしたものだったり、いざ外して見てみると、もともと自分が認識していた形とは違っていたりするものもありました。

それらを改めて確認してみた時に、自分自身のことを全然わかってなかったな〜という多少のショックもありつつ、少し辛い思いをしながらも自分自身のことが再確認できたんだというなんだか清々しい気持ちで、目の前に材料がずらりと並んでいる光景を見ている自分もいました。
そして、並べられた材料を使って、ここからどのように組み立て直していくのか、改めてどのような自分が作り上げられていくのかという、少しワクワクするような期待感へと変わっていきました。

新たな発見や再認識を繰り返しつつ、自分を構成する要素はなんなのか、その中からコアになるものはなんなのかを整理していきました。
解体されて並べられたパーツの中から、自分のなかで重要な価値観に該当するパーツはどれなのか、そしてそこに組み合わされる他のパーツはどれなのかを、コーチの質問を通じて選びながら、徐々に自分の真の姿、形が見えてくるようになってきました。
その結果、どうやら自分は「人」そのものに関わりたいということが分かりました。そして、より具体的には、今回の自分がクライアントとしてのコートング体験を通じて、自分自身のなかで大きな変化が起こり、自分の将来が開けた感覚を味わったことで、コーチングの素晴らしさと、人の可能性を広げることに携わりたいと思い、自分もプロのコーチになりたいと思うようになり、プロのコーチになるための設計図を作ることになりました。

プロのコーチになった場合の働き方や活躍の選択肢が様々考えられるなかで、自分が今考えられる選択肢を捉えつつ、おおよその設計図ができました。今後多少は変わっていく部分もあるかもしれませんが、プロコーチになるという部分は決まったので、さぁここからいよいよ再建築が始まります。

基礎づくり

自分の真の姿が徐々に見え始めてきたなかで、プロコーチという家をいよいよ実際に組み立てていく工程に入っていきます。まずは、建物を建てる時の基礎に当たる土台の部分を作っていくところから始まりました。

基礎を構成するのは、やはり自分のなかで一番大切にしていること、重要視したい価値観の部分です。プロコーチになるという設計自体はブレないものの、自分のなかの重要な価値観にもとづいて、どのようなことに向き合いながら仕事をしていくか、あるいはこの先の人生をどのように生きていきたいのかということを考え、整理し、基礎として組み上げていくことになります。これまでの工程で確認してきたこと、自分の内面を表すパーツを1つ1つ、しっくりくる形で組み合わせて形をつくっていきます。
そんな基礎を作っていく工程のなかでひとつ大きな出来事がありました。
実際にコーチを目指すための第一歩として、CTIが提供しているコーアクティブ・コーチングの基礎コースに参加しました。このコースでは、実際にコーアクティブ・コーチングの要素の触れ、体験をしながら学んでいくプログラムなのですが、他の受講者も含めてその場にいる全員でその場を作り体験していくというようなものでした。約2.5日間をかけて行われるプログラムですが、その2.5日が終了した時点で自分の中心に厚く、太く、堅牢な柱ができていることに気づきました。これまで経験したことない不思議な感覚でしたが、2.5日のプログラムを通じで、自分自身が求めていたもの、大事だと思っている価値観を再認識することができ、自分の真の姿を自分自身でしっかりと確認できたと思います。新しく作った設計図はやはり間違いないものだと思えました。
そのため、かなり丈夫でしっかりとした、安心できる基礎が出来上がったのではないかと思います。出来上がった基礎を眺めながら、この上に自分が理想とする家が建つのだということを想像しながら、自分の将来への期待感にワクワクしたことを覚えています。

母屋の建築

現在は基礎の上に建物を建てていく工程の中にいますが、なかなか思い通りに工事が進まないことも多々あります。
これまでの仕事とこれからのやりたいことの間で葛藤したり、予定しいていた工期を遅延させられるような出来事が起きたりと、足を引っ張られる瞬間は辛いと思う時もありました。それらの出来事は、自分の中に出来上がった柱を汚そうとしたり、苔を生えさせようとしたりしていたような感覚です。そして、これからもそのようなことはたくさん待ち受けている気がします。
ただ、過去の自分が感じていたような深いストレスや、嫌な思いを長く引きずることは無くなりました。

なぜなら、今の、そして将来の自分の土地と住所がはっきりとわかっており、そこにはすでに建物の基礎が作られており、ど真ん中にはすでに立派な柱があり、その基礎の上に自分の理想の家が建つことがもう決まっているからです。

その場所から動くことなく、基礎も崩れることがないことがわかっているので、たとえスムーズに進まなくても、時間がかかってしまっても、間違いなくそこに自分の家が建つとわかっています。たとえ、柱を汚されたり、そこに苔が生えたり、丈夫な柱がそこにあることがわかっているので、汚れや苔を落として磨けばいいと思っています。
工事を妨げられることがあっても適切なタイミングを待ったり、建設材料に工夫を加えてみたりなどして、自分の理想の家を建てるということに向き合い続けることができていると実感しています。

完成までの道のり

基礎の上に建つ家の部分はまだまだ着手したばかりで、理想の形には程遠い段階ですが、工事は少しずつでも着実に進んでいっていると思います。時には、コーチの力を借りつつ、設計図や工程の見直しもあると思いますが、理想の家を完成させることに向き合っている自分に対して、これまでに感じたことのない期待感とワクワクを感じています。本当に大丈夫なのかと自分自身で不安になることもあると思いますが、コーチに伴走してもらいつつ、そのような不安感も楽しみながら、今後の家づくりを進めていきたいと思います。
そして、将来にはこのような過程を共有し、共感しながら伴走していけるコーチになりたいです。

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