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海外からの大規模団体客に思うこと

今日も中国から、定員4905人の大規模なクルーズ船が入りました。8月は8日に次いで2回目です。
春〜秋にかけて年間40隻以上あり、うち10数隻は、海外からの2千人を超える大規模なもので、これが毎月1~2回はあります。
数百人単位の船はさほど目立ちませんが、1千人を超えると「今日は観光客が多い」と明確に感じられ、4千人規模の船となると「今日は外国人だらけ」といった雰囲気になり、一般の観光客が“埋もれて”しまいます(今日は天気が悪かったので、あまり水木しげるロードに立ち入らなかった感じでした)。

日本の政策として、海外からの観光客を年間6千万人にまで引き上げたいと考えているようですが、それ自体を否定するつもりはありません。日本文化を広く知っていただき、日本を楽しんでいただきたい、とは思います。
ただ、中国や韓国からの大型クルーズ船は客層が良くないので、どうしても町が“荒れる”傾向があります。「日本語はおろか英語も話せない」「日本円に両替していないうえに、母国でしか使えないカードを出す」「万引きが横行する」「ごみが散乱する」――など、いつも各店が悩まされているようです。

それでも――、大型船が入る日は「定休日を振り替える」「従業員を増やして臨戦体制を採る」などは多く、「トータルで儲かるほうを選ぶ」傾向があります。

あくまでも個人的な意見ですが、町が外国人でごった返すこと以上に、こういった「金儲け」が目に見えてしまうことが、すごく嫌いです。
上記のほか、水木しげるロードでは「露天商の出現」「電子たばこの販売業者の出現」「某宗教団体が書籍を売りに来る」――などが見られます。
一方で、外国人団体を嫌って「臨時休業」する店も、僅かながらあります。個人的には、このほうが好ましく思えてしまいます。

今年は、繁忙日では「5月2日」(定員3290人)、リニューアルの翌日で3連休の中日となった「7月15日」(同2706人)、夏休みに入って「8月8日」(4905人)に入り、もともと観光客が多めの日でありながら、外国人で“ごった返す”状態になりました。
こうなると、一般の“たまたまその日に来た人”が楽しめなくなる事態が起こりますので、正直なところ「繁忙日は入れないでほしい」と願っています。

自分は「水木しげるロードのまちづくりの『原点』である、故・水木先生の遊び心を基にした“楽しさ”」に惚れ込んで、その「本来の魅力」をずっと残していきたいと願っているので、どうしても「金儲け」的なものが見えると、悲しさと虚しさに苛まれます。
正直言って、大リニューアル完成後、町はきれいに変貌を遂げて観光客は増えていますが、一抹の寂しさと“楽しみ方”の違い、さらには人間関係の悪化などで、少しモチベーションが下がっています。魅力ある旅人さんが宿泊してくださるのが、唯一の救い、です。

今、「大規模な団体客(特に海外からの)」が入るたびに、大好きだったはずの町に「居たくない」という気持ちが強まってしまい、葛藤との闘いになります。
県や市は、護岸整備を進めて年間100隻を目指していくそうですが、そうなると、ますます自分は居場所を失うかもしれません。

ついでに言えば、鉄道やバスのフリーパスが、外国人が利用する場合は日本人の半額以下、極端なものは7~8割も安く利用できるようです(「一畑電車の縁結びパーフェクトチケットは一般3,000円のところ1,000円」「広島―出雲の高速バスは通常3,900円のところ500円」――など)。ほか飛行機や、ホテルや観光施設でも優待制度がたくさんあります。

それほど優遇する必要が、どこにあるのでしょうか・・・。
少しは良いと思うのですが「数」を入れたいばかりの施策としか思えません。

自分はすべてにおいて「気持ちで行動する」ほうで、損得勘定抜きに好きなことで生きていきたい、という感情でずっと過ごしてきた、いくつになっても“青臭さ”から脱却できない人間です。
「金儲け」の才覚は皆無なので、時代に取り残されて、野垂れ死にするかもしれないと自覚しつつも・・・、昭和のフォークシンガーのような生き様を崇拝し続けています。

いつの間にか、自分にとっては、生きづらい時代になりました――。
大型クルーズ船が入るたびに、そう感じる日々に、苦悩しています・・・。

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