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[ACG]火力コンの組み方[MTG]

まずカードゲームうさぎはご存じのものとして、
その第百十六話、6コマ目をご覧いただきたい。


野良がバーンデッキの種類を列挙した中に
「見方によっちゃバーンの範疇だ」と付けた上で「火力コン」なるデッキが言及されている。

また同一のデッキかは不明だが、直近では第三百四十三話において野良勇気がCDC勢の治癒亀採用を苦に「妨害バーン」なるデッキをチームHDRMの共有リストに採用している。

この2つのデッキには明確な元ネタが存在する。
それはMTGにおいて「カウンターバーン」と呼ばれている青赤コントロールの一種で、身近な使用例としてはカドうさ著者のワタル氏が大会に出始めた頃にこのデッキを握っていたそうだ(参考)。
このデッキはメタゲームの上流には決して(※1)上がって来ないながらも、今になってもなお一部の層によってフォーマットの片隅で擦られ続けている。

今回僕がしたいのはこの「火力コントロール」、ないし「カウンターバーン」の話だ。


※1 決して。断じて。

ここは

この記事はACGおよびMTGにおける火力コントロールの理念を考察、言語化していく事による、実在するカウンターバーンの実例における個々の構築思想を説明し得る、より一般的な構築理論の展開を主眼に置く。
これによって将来新しい火力コンを組むにあたって、その構造や満たすべき条件、必要なパーツを明確化し、構築をより円滑かつ少ない労力で行える事がこの記事の目的となる。

また考察に付き合っていただくにあたって、主役となる火力コンおよびカウンターバーンというデッキ自体についての軽い紹介も行う。理論のみを目的とされている方は、この部分は定義の所だけ軽く目を通しつつ読み飛ばしていただいて構わない。

自己紹介

著者近影
相手の火力に対応でドロソから本体を打ち消している図

この記事を書いている人間として少しだけ自分語りをさせてもらうと、
僕は2018年からMTGを始めた1対1の構築戦中心のプレイヤーで、現在は「2012/10/5以降のカードのみから成る環境」と「1995年から2003までの旧枠カードのみから成る環境」の2つを主戦場としている。
火力コンに関係のある所ではこの95~03環境の方で固定リストの無かった参入当初に自前の火力コンの構築思想とリストを組み上げ、参入からここ2年近くの間、12~24人規模の店舗大会での優勝やTop4入りなど一定の戦績を上げ続けている実績がある。

火力コンの引き出しとしては自分の火力コンの他に「発売時期の制限の無い環境」で使用されている所謂「瞬唱-工廠型」と2012~環境の方で見た「血羽根-イオン化型」「真昼の決闘型」の4タイプが知識としてあり、
この記事を書くにあたってもこれらを念頭に置いて考察を行っていく事にする。

ACGの方は東京ビッグサイトでの体験会に参加したり
discordのコミュニティを見つけてそこでアレやコレやしている。
興味があれば是非参加して見ていってもらいたい。
(ちなみにacg鯖は他にも存在しているらしい。興味があれば色々ワードを変えて検索すれば見つかる筈。)

そもそも火力コンとはどういうデッキなのか

火力コンの定義

1/で書いた原則に則るなら、盤面制圧と本体を削り切る手段に、束の火力を用いるデッキがカウンターバーンである。

しいて定量的に言えば、火力とカウンターがそれぞれ3種類前後、10枚前後入ってるリストは、だいたいカウンターバーンと呼べそうだ。

カウンターバーンの話をしよう-heggie023

デッキの定義については冒頭で言及した「一部の層」の代名詞のような人物が既に上記の記事でいい感じのを出しているが、名前もACG準拠で「火力コン」とする事だし、ここでは一旦これを参考にしつつ再定義を試みるものとして。

まず「火力」「コントロール」の名前を額面通り受け取るならば「火力を用いるコントロール」という事になるが、この火力は間違いなく除去による延命手段として用いられるもので、さもなくば手札に本体火力を抱えながらそれ以外の延命手段で攻め手を捌いていくのは、何というか、コンセプトとしてヘンだ。そもそも破綻している。従って、「除去枠および勝ち手段に火力を採用したコントロール」に含まれているのは確かだろう。

その上で、わざわざ「火力」コントロールと銘打つからにはそれ以外を明確なフィニッシャーとして想定しているのはしっくり来ない。それならそれで、そのフィニッシャーの名を冠した別の名前の方が相応しい筈だ。
そういうのも引っくるめた総称として「火力コン」と呼ぶのも考えられなくはないが、わざわざ単体のデッキ名に「火力コン」などと名付けるならばせめて本体火力による相手ライフの焼き切りは勝ち手段として搭載していて欲しい。

さらに言うとこのデッキは純粋なバーンそのものとも区別されるものだから、火力以外の、本体焼き切りに寄与しない不純物も一定数枠を割かれている必要がある。ドローソースは本体焼き切りを強化するものだから、この不純物とはコントロールの思想的に妨害やハンデスなどの延命手段だろう。
バーン自体の分類については諸説あるが、特殊なコントロールの一種としての見方もあり、そうなると純粋なバーンにほんの数枚対策札を挿しただけのものも火力コンの範疇に入ってしまうため、不純物は相応の枚数入っていなければならない。

という事で、
「相手のライフを焼き切るに十分な火力を採用し、
かつそれとは別ベクトルの延命手段を一定枚数採用したコントロール」
という文言が得られた。「別ベクトルの延命手段」に妨害を当てはめればへぎーお兄さんの定義にも一致するし、一旦この記事に限ってはこれを火力コンの定義という事にしておこう。

デッキの挙動/様相

ここでは一旦話をカウンターバーンに限定させてもらうとして、このデッキが実際どういうものかを僕なりの視点で軽く説明しておく。
理論とはあまり関係が無いので知ってる人は読み飛ばしてもらって構わない。

このデッキについて、除去枠に勝ち手段にもなり得る火力を採用している事や、青赤というカラーリングから攻撃的、前向きなコントロールという印象を持たれているかも知れない。しかし実際に握っている身としてはその実態は両極端、それなりに前向きにもなれれば、なろうと思えばいくらでも後ろ向きになれるというのが自分の認識に近い。
実質的な手札消費を伴わない生物/動物を一定数搭載するなどして本当に前向きに組まれている構築もあるが、前述の定義に額面通りに従っていけば理論上デッキのスロット全てを延命手段とドローソースのみで埋める、コントロール使いの欲望そのもののような構築も可能で、
カウンターバーンの理念そのものはヘヴィパーミッションの極北、コントロールの枠組みの中においてもかなり後ろ向きな部類だと言える。
「瞬唱-工廠型」は前者、95~03環境での僕の火力コンは後者に当たる。「血羽根-イオン化型」は正直よく分からない、話を聞いている限りではどちらの動きも取り得る気がする。

「魔法使いになって呪文を撃ち合う」事をコンセプトとしているMTGにおいて、防御呪文で相手の攻撃をいなしつつ攻撃呪文で(時には仲間の魔法使いと共に)襲い来る脅威や対戦相手を焼き払うこのデッキの動きはまさしくMTGのお題目を額面通りに体現するものである一方、
その実ゲーム上でやっている事は「自分は何もしない、相手にも何もさせない」を地で行く陰湿さの極みであり、クリーチャーを展開して戦闘の機微を楽しませるゲームデザインに対して中指を突き立てるような行為にも等しい。このフレーバーとゲームデザインの矛盾と背徳もカウンターバーンの美しさの1つと言えるだろう。
勿論フレーバー単体でも相手が繰り出して来る脅威に対して生身で手持ちの呪文だけを武器に単身やり合っているような感覚がこれまた楽しく、緊張感があって良い。火力の届かない大型生物を前にしたが最後、無抵抗に蹂躙されるか、さもなくば絶叫と共に手持ちの武器を投げ出して全力の逃走を余儀なくされる生身の脆弱さも含めて。

メタゲーム上においては、除去枠に比較的小回りの利く火力を、これも本体を焼き切る都合上通常の除去よりも多めに搭載している関係から、一般的にコントロールが苦手とするアグロ/速攻型ビートダウンに対して有利に立ち回れるのが旨味として大きい。
一方、火力が届かない大型生物を利用するコンボやミッドレンジ/中速ビートダウンには厳しい戦いを強いられる事になってしまう。
また、何らかのコストにライフを犠牲にするようなデッキ相手にも有利が付き、環境にこのようなデッキが数多く存在する場合はデッキ選択の最適解にもなり得る。

プレイングの難度が高くなりがちで使用者が増えにくい側面もあるようで、かくいう僕の火力コンもコピーしてもらえる事が増えたものの何不自由無く回せるのはごく少数らしく、先日「こいつ以外が使っても強く回せない」との太鼓判をいただいてしまった。回している身からすればお手本のようなごく簡単なコントロールに過ぎないのだが。

尚、このデッキを回していると本体火力の扱いが上手くなるという副産物もあり、純粋なバーンもある程度回せるようにはなる。

デッキの成立条件

コンセプトの破綻

カウンターバーンというコンセプトに徹してゲームに勝つには、致命的な欠陥がある。ありがちなバーンスペルは1枚3点前後しかダメージが入らない。プレイヤーの初期ライフは20点。カウンターデッキの振る舞いをしながら計6,7枚の余剰なバーンスペルが必要という、実はなんとも冗長なコンセプトである。

カウンターバーンの話をしよう-heggie023

前置きも十分済んだので、そろそろ本題に移ろう。
「相手のライフを焼き切るに十分な火力を採用し、
かつそれとは別ベクトルの延命手段を一定枚数採用したコントロール」
という定義から推し進めて考えて行くと、
順序としては「ゲーム開始時点ではコントロールとして振る舞い、ある瞬間からバーンデッキとして振る舞う」というのがこのデッキの基本的な挙動、コンセプトとなる。

さて、ここで身も蓋も無い事を言うとこのコンセプトはこの段階で既に破綻している。
詳しく理解するため、まずはこのコンセプトを「バーン」と「コントロール」の2つの要素に分解し、各々の基本思想を書き出していく事にする。

バーン

「対象にn点のダメージを与える」所謂火力呪文の束を対戦相手に撃ちこみ、相手のライフを直接焼き切る事を意図したデッキで、MTG,ACG他ライフの概念が存在する全てのTCGに存在し得る。MTG,ACGにおいては一般的にはデッキの大部分を同質の火力呪文で構成し、対戦相手との相互干渉を無視しつつ手札の火力を吐き切って速やかに勝利する事が基本戦略となる。火力に限らず、安定したダメージソースとして生物/動物を採用する事も多い。

この本体を焼き切るという勝利条件をもう少し細かく噛み砕くと
「最終ターンまでに合計20点分の本体火力を手札に引き込み、それらを全て本体を対象にプレイする」
という事になる。MTG,ACGの場合、基本的にはゲーム設計上3ターン目までに20点分引けるかどうかである事が普通だが、少なくとも本体火力を引き込む事自体はデッキ全体が本体火力で満たされていれば(MTGの場合土地を引き過ぎない限り)ターン開始時のドロー供給のみで容易に達成が可能であり、実行段階においてもダメージ軽減効果や妨害で直接干渉されない限り対処は不可能に近い。
反面、ゲーム設計上引き込める火力量がぎりぎりである事から1枚でも火力を撃ち損ねると大体1枚につき1ターン、大きな隙が生まれてしまうのが弱点と言える。ここで火力を撃ち損ねるというのは軽減や妨害によるプレイへの干渉、ハンデスで引き込んだ火力を落とされるなどして火力をカード単位で無力化される事、もしくは火力以外の不純物を引く事を指し、盤面の脅威に火力を撃つのもこの範疇に含まれる。

基本的にこのデッキの存在意義はキルターンの速さ、これに尽きる。もう一つの存在意義として盤面の無視が挙げられるが、これを活かすにも相互不干渉下の速度勝負で相手に倒されるよりも早く相手を焼き切る事が前提となるため、いずれにせよ速度が求められる。そしてその実現には手札のリソースを全て本体火力として吐き切る事が求められる。
従って、このデッキにとって火力を盤面に撃つという事は存在意義の放棄にも等しく、それが肯定される状況とは速度勝負に無視できないリスクが伴う、もしくは不可能になった状況に他ならない。具体的には相手のキルターンが自分のそれを上回った場合と、妨害軽減ハンデスその他諸々による干渉があり得る場合である。

コントロール

あくまで僕個人の見解を含んでしまうが、
コントロールとは除去や妨害による1:n交換をはじめとする延命手段によってゲームを長期化させ、長期化による恩恵から相手の優位に立って勝負を進める事を意図した戦略を指す。
この長期化の恩恵とは例えば

  • コスト域の増加からのフィニッシャーまたは大量アドバンテージソースなどの高コストカードのプレイ

  • 大量展開された土地/領土からの妨害の多段構え

  • デッキ枚数差に起因するライブラリアウトによる自然死

  • 延命の過程でコンボパーツを揃える

  • 除去と妨害の応酬で肥えた潤沢な墓地リソースへのアクセス

などが挙げられ、最後の墓地リソースに関してはコントロールの思想的にやや刹那的かも知れないが、長期化の恩恵は必ずしも勝ち手段である必要は無く、土地や領土の大量展開も成り行きとしてそうなりやすいだけで必ずしも必須という訳では無い。
逆に言えば、環境が許す一般的なキルターン内での運用が非現実的な動きをデッキに搭載していて、かつ延命によるゲームの長期化をそこへの到達手段としているならばそれはコントロールデッキだと言える。

デッキ構造の方に目を移すと、まず長期化の恩恵にアクセスする手段となるカードとは裏を返せば序盤に機能せず、初手に引きたくない取り回しの悪いカードとも言えるため、これに割くデッキのスロットは必然的に少なくなる。
また、これに該当しない勝ち手段についてもゲームプラン上序盤からアクセスできる旨味は少なく、初手に引いた分だけ腐るため、それ自身が延命に寄与するか、もしくは着地時ドロー効果などで手札が減らない類のものでもない限りこちらも枚数は切り詰められがちである。
そういう事で、コントロールデッキの一般的なデッキ構造としては除去と妨害の束がデッキスロットの大部分を占め、残りをドローソースと少量の勝ち手段で埋めるといった具合になっている。

延命手段は1枚で相手のカードn枚を無力化する類のものが基本となり、n≧2まで行くと強すぎるためこういうものは高コストに設定されている事が多い。全体除去などが好例だろう。
この基準において手札を消費してライフを回復するだけ、など相手のカード単位での無力化を行わない類のものは延命手段であっても1:0交換とみなされ、よほど爆発的なコストパフォーマンスでもない限りコントロールでも好まれない。ただし、例えば本体火力に対するライフ回復など特定の条件下で1:n交換に数えられるような場合は環境次第で肯定され得る。
また、1:n型の延命手段のうちでも手札破壊は敬遠され、枚数が控えめになる事が多い。詳細はここでは割愛するが、手札破壊はその性質上短期決戦型の戦略の方がポテンシャルを発揮しやすく、長期戦における延命手段としてはやや賞味期限が短く安定性に欠ける点で妨害に劣るためである。
妨害は盤面に残るものも使い捨てになるものも等しく対処できるためコントロールの延命手段としては理想的だが、後引きが許されず構える事を要求される都合上序盤での鈍重さがネックになるため、撃ち漏らしの処理も兼ねて除去と併用される事が一般的である。
除去は高コストの範囲除去と低コストの単体除去に大別され、
とりわけ単体除去はものによって対処可能な範囲が異なり、環境に合ったものが選定されたり、複数の仮想敵を意識して種類を散らしグラデーションを付けたりなどの手法も一般的である。この辺りの除去と妨害の配分は乗り手の思想が色濃く反映され、コントロールが専用機になりやすい理由の一端にもなっている。

ドローソースも極めて重要な役割を果たす。とりわけ高コストで手札の増加に寄与するものはデッキにほぼ必須である。終盤に入っていざ勝ち手段を投入する段階に入った際、向こうとこちらの有効牌の総数が同じでは向こうのそれに対してこちらは勝ち手段の1枚分を差し引いた枚数しか対応に割けず、残った向こうの1枚に負けてしまっては元も子も無いためだ。勿論これはごく単純化した説明だが、要はコントロールデッキの勝利にはカード・アドバンテージが必要不可欠なのである。土地の展開に手札を消費するMTGにおいては相手よりも多くの手札を土地に割かざるを得ないため尚更の事だ。
低コストで手札の増減に寄与しない所謂キャントリップも必須という訳では無いが、必要に迫られた際に相手の攻め手に合わせた延命手段を探したり、終盤で勝ち手段にアクセスする手段になったりと役割分担の激しいコントロールデッキの潤滑剤として機能する。

勝ち手段に関しては展開後に相手の攻め手の一部を無視し得る速度または制圧力や、相手の対処手段の一部を透かせる除去耐性を持つもの、もしくは単純に上記延命手段やドローを内蔵したものなどカード・アドバンテージに寄与するものが適している。

プレイング面ではデッキ全体の配分を意識した立ち回りが求められ、除去で対処可能な脅威にはより致命的な脅威に備えるため敢えて妨害を切らず除去を引くまで泳がせる、何なら全体除去で一対多交換を期待して除去も温存する、逆に相手の展開速度に追いつくため敢えて早期に妨害を吐く、など延命手段の用法に多彩な選択肢がある事が望ましい。


両者の説明が済んだ所で、今度はそれぞれの視点から火力コンについて見ていこう。

バーンに妨害を積むということ

前述の思想に照らし合わせると、バーンの思想において本体火力以外のカードは全て不純物である。それが打点に寄与し、実質的に火力として数え得る生物/動物ならまだ良い、ドローソースも火力を引き込む手段にはなるから一応は許せるものとして、本体に撃てない除去や妨害が手札に来る事は実質的に手札破壊を撃たれたのと同じ事でしかなく、キルターンの大幅な減退に繋がり、盤面への火力の消費を余儀なくされる。・・・(B1)

これは単にデッキの速度だけではなくプレイングにも関わる重大な問題で、純粋なバーンであればデッキから引き込む内容が分かっている分安心して初手から火力を吐き始める事が出来たのが、こうも不純物まみれの構成ではいつ何を引くか分かったものではなく、決死の覚悟で火力を吐き切った後であと一枚と引いてくるものは最早手遅れな妨害札、その後2ターン3ターンと相手のサンドバッグになる未来は想像に容易い。

従って火力を本体に撃ち始めて良いのは手札の総火力量が相手のライフを上回った瞬間、それも焼き切りまでに盤面に割く分や妨害に遭う分も上乗せして判断しなければならず、キルターンは本来のバーンのそれから遥かに遅れる事になる。焼き切りの判断がつかない限りは延命を辞める理由が無く火力を盤面に吐き続けるしか無いため、最悪焼き切りのタイミングが永遠に来ない事すらあり得る。・・・(B2)

頑張ってマイルドな言い方をすれば火力コンとは相手からの妨害、もしくはバーンより速い相手への干渉を前提として構築した超低速のバーンという事になる。元々それとして組むことを意図していようがいまいが分類としては間違いなくコントロールとして組む事になるだろう。
バーンの存在意義から考えるとこれはとても正常な判断とは言えず、構築思想の段階からバーンとは別物として全く違った強みを持たせなければそもそもデッキとして成立し得ないであろう。・・・(B3)

コントロールに火力を積むということ

火力というものをコントロールに採用する延命手段の一種として見た場合、これは対象の範囲を序盤に展開される小粒の脅威に絞り、それと引き換えに小回りが利くようになった除去だと言える。
一応本体へのダメージ効果がオマケとして付いているものの、それが機能するのはコントロールにとって非現実的なラインまで相手のライフが削れている場合に限られ、ほぼほぼインクの染みに過ぎない。・・・(C1)

ここまで見ればただの優秀なアグロ対策カードに過ぎないが、問題はその量だ。元来コントロールの除去枠とは環境の仮想敵に応じて選定され、想定される状況に基づいて配分されるものだった筈だが、ここに人一人を焼き殺せるだけの火力の束をあてがうのではまず除去選択もへったくれも無く、それも全て同一の対象範囲に向かっているのだからクラデーションとは何だったのかとばかりにお話にならない。そういうのがどのデッキにも多数採用されているような環境ならまだメタゲームへの解として成立し得るが、その場合環境の変遷に伴って除去枠も変更され、火力コンの範疇から逸脱していく事だろう。・・・(C2)
しかも無駄に枚数が多いためデッキスロットも圧迫され、他のカードの配分にも不便を強いられる事になる。・・・(C3)

当然この欠陥はプレイングにも支障を来すもので、まず火力で対処できない生物はどのような環境にも明らかに多数存在するため妨害の当て先が明らかに増え、何なら火力で対処し得る生物に対してももしかしたらこれ妨害吐かなきゃダメっぽい…?みたいな雰囲気がデッキ全体から何となく醸成されてしまっている。要は火力コンの中にあるバーンの魂とコントロールの理性が二重拘束を引き起こしている訳である。・・・(C4)

こういう訳で、コントロールの視点においても火力コンというコンセプトは狂気の沙汰でしか無い。コントロールとして組まなければならないのは確かだが、どうもそれと同時にコントロールの範疇を逸脱した何かが必要なようだ。・・・(C5)

火力コンという矛盾

以上の考察から火力コンというデッキの姿が何となく見えてはきたものの、同時に下記の問題点を孕んだ矛盾の塊でもある事が明確になった。

  • (B2,C1)手札の総火力量が相手のライフを超えるまで焼き切りに行けず、
    リーサルが無限遠レベルに遠い

  • (C2)除去範囲の画一性のせいで剛直なゲームプランを強いられる

  • (C4)そもそも火力が除去として頼りなさ過ぎるせいで他の延命手段への依存度が異常に高い

  • (B1,C3)しかもその火力が多すぎる スロットが圧迫され無駄引きも多い

  • (B3,C5)コントロールであって同時にコントロールでない
    もしくはコントロールとして常軌を逸した何かを有する

とはいえ裏を返せばこれらの要件を構築上の要請と見なし、問題点を一つずつ解消していけばこれを一つのデッキとして成立させる事が出来るかも知れない。というか実際成功例は存在するので可能なのは間違いない。

という事で上記の欠陥に関して考察を推し進め、構築上の要請に書き換えていく事にしよう。

(B1,C2)に関してはそのままこれをデッキの勝利条件と見なし、遅すぎるリーサルをいかに補うかを構築の主眼に置けば良い。
(C2)に関してはそもそも(B1,C2)の勝利条件の問題が解消されればある程度は同時に解決される。つまり、その場合に限っては火力の除去範囲内に居るのは小粒の脅威のみに留まらないという事だ。
(C4)に関しては(C2)と同じ理屈である程度緩和できはするものの、これはデッキの特性として捉えて、それを前提にデッキを構築、運用していくしか無いだろう。
(B1,C3)(B3,C5)は明確な弱点であるから、このままこれらを克服していく事を構築上の要請とすればよい。

これで火力コンの構築思想となる5つの命題が得られた。

  • (W:勝利条件)手札の総火力量が相手のライフを超えている状態をデッキのゴールとする

  • (V:速度要件)遅くとも条件(W)をデッキ切れよりも前に実現する手段が必要である。
    特に火力で対処不可能な脅威との対峙が環境的に不可避である場合、条件(W)の達成をそれに対する抑止力とするのに十分な速さが求められる

  • (S:配分要件)デッキ全体での総火力量が初期ライフ以上になるように火力を搭載し、かつ火力以外の延命手段を引き続ける事を意図した枚数配分をデッキスロットの枠の中で無理なく行う必要がある

  • (H:手札要件)火力、火力以外の延命手段双方が無駄引きになりやすい性質を克服する手段が求められる

  • (I:概念的要件)コントロール以外のアーキタイプの要素を持つ、もしくはコントロールとしての何かしらの要素を極端化する

尚、条件(V)に関してはあまり極端に速度を追求する必要は無く、常識的なコントロールのキルターンに前後する程度で良い。ある程度は妨害に頼りつつ、最後の最後で焼き切れればそれでいいのだ。
また、条件(I)は他の各条件の達成手段の評価基準として捉えるのが分かりやすい。

火力コンを組む

構築上の要請が得られた所で、各条件へのアプローチの方針として、まず少なくとも速度要件(V)は勝利条件(W)の達成そのものを要求するものであるから、目下の課題はこの速度要件(V), 配分要件(S), 手札要件(H)の3条件それぞれの達成を目指す所から始まり、条件(I)をその指針および優先順位として得られた案を選定していく形となる。

一旦ここで勝利条件(W)、つまり「手札の総火力量が相手のライフを超えている状態」という文言を見やすいように一つの数式として書き換えてみると

(手札の総火力量) ≧ (相手のライフ)

さらにこの式の左辺について

(総火力量)≒(火力枚数)×(1枚あたりの火力効率)

という事が言える。従って、条件(V)について考える際は手札の火力枚数と火力効率、または相手ライフのうちいずれかに着目すればよい。


ここからは各条件へのアプローチに有用なパーツを挙げ、本格的なデッキの成立を目指す。パーツの実例としてMTG他各種タイトルから少なくない枚数のカードについて言及していく事になるが、各々詳細はカード名に付けたリンク先に任せる事にする。
また各手法の説明にその手法が達成に寄与する条件を付記し、寄与の大きいものを大文字、小さいものを小文字で表すものとする。

火力枚数に着目したアプローチ

  • 複数ドローソースの大量投入
     達成に寄与する条件:(V)(H)(I) 悪化する条件:(S)
    ドローソースによるアドバンテージの確保はコントロールの常套手段であり、火力コンもその例外ではない。とりわけそれが手札の火力枚数の増加に寄与する点で相性も悪くはないが、問題はその量である。軽く2枚3枚ドローした所で本体の焼き切りにそれ以上の手札消費を強いられるため、他のアプローチ手段と併用しない限りコントロールの範疇においても過積載と言えるレベルの枚数を投入しなければならず、スロットに負担をかける事になる。
    また、厳しい条件と引き換えに低コストで爆発的な量のドローを許す類のものがあれば、勝利条件の達成速度を確保しつつ、無駄引きを無視できるだけの手札枚数から条件(H)の疑似的な緩和にも繋がり、間違いなく有用である。
    行き詰まり》や《直観》からの《蓄積した知識》、《祖先の幻視》などがこれに当たるが、《行き詰まり》に関しては性質上火力を盤面に向ける状況が増えてしまうため、多少デッキ全体との反りが悪い面がある。

火力効率に着目したアプローチ

  • 高コストの大火力の採用
     
    達成に寄与する条件:(V)(s)(h)
    バーンに対する火力コンの利点の一つとして、別に最速での勝利を求めている訳ではないため、極端な話、《サルカンの浄化》のような通常バーンでは見向きもされない高コストの火力も採用の範疇である。
    取り回しが悪く、焼き切りの段階でやや動きが鈍重になるものの、デッキ全体の総火力量も増加するため、これで火力量を稼いだ分で通常の火力に割く枠を数枚節約でき、微かながら条件(S)にも寄与する。ただし、取り回しの悪さから完全に通常の火力と挿げ替える訳にもいかず、スロットへの寄与は本当に僅かである。
    また、それが盤面にも当たるものなら除去範囲の拡大によりデッキの対応力が増し、これは条件(H)への軽微な寄与として数えられる。
    実用的な例として、自分が実際に使用したものでは《轟く怒り》《火の玉》《ウルザの激怒》が挙げられる。また、後述する《地震》についても同様の運用が可能であり、《予言の稲妻》《砕骨の巨人》もこの範疇に含まれているものと言えなくもない。

相手ライフに着目したアプローチ

こちらは手札の火力量ではなく、相手のライフの方を直接変動させる事によって条件(W)の達成に繋げるアプローチとなる。
一見して意味の分かり辛い字面になってしまったが、要は手札を本体焼き切りに吐き始める前の段階から他の手段で相手のライフを削っていき、焼き切りに要求される手札枚数を最小限に抑えようという発想である。恐らくこの部分が実際のカウンターバーンにおいて最も一般的な手法であり、イメージ的にも最も強く認知されているものと思われる。

  • 延命行為に付随する本体ダメージ
    達成に寄与する条件:(V)(S)
    たとえば《焼尽の猛火》や《イオン化》のように、コストの増加や色拘束、使用タイミングなどの制約と引き換えにオマケとして少量の本体ダメージが付随する除去や妨害が存在する。自分のライフも痛いが《地震》なんかもその最たるもので、元々カウンターバーンの始祖は地震コントロールだったなんて説も目にするぐらいだ。火力コンから見たこれらの価値の大きさについては、まあ、言うまでもない。本来はライフ回復にも劣るこのインクの染み程度のオマケも、火力コン視点においては実質的なアドバンテージとなる。当然デッキ全体での火力計算の勘定にも入るため、スロットの節約にも繋がる。難点としては火力コン以外には需要が薄く、販売元がわざわざ我々に向けてそんなカードを刷るものだろうかという懸念がある。MTGでも正直満足の行く性能のものは少ないが、それでもあるだけまだマシかも知れない。

  • 手札消費を伴わない火力
    達成に寄与する条件:(V)(h)
    高コストの大火力が許されるなら当然同等のコストのキャントリップ付き火力も同様、デッキ枠的には火力枠の中で除去の種類にバリエーションを持たせるような形になってあまりスロット節約には機能しないものの、勝利条件達成前に適当に撃っても手札が減らないため腐る事が少なく、またそもそも除去として撃った時に実質アドバンテージが取れて強い。
    電解》《ラルの発露》《予言の稲妻》がこの典型例で、《天才の煽り》もこの範疇かつドローソースにも計上できて理想的だが、流石にここまでの性能になるとコストとタイミングの重さ的に無理があるかも知れない。

カウンターバーンでしっくりくのは、既に仕事をし終えた瞬唱や砕骨などの、カウンターで守る価値もない安い命でちまちま削った後、残りの数点を火力で刈り取るといった戦い方だ。

これこそ、クロックパーミッションでもコントロールでもないカウンターバーンだと感じる。

火力と打ち消し[カウンターバーン]-アド兄
  • クロックの採用
    達成に寄与する条件:(V)(s)
    バーンデッキの常套手段として、安定したダメージ源として生物/動物のクロックに頼るのは一般的な手法である。これは火力コンについても同様で、安定したダメージソースとして実質高打点の火力として計上できる他、ブロッカーとして延命にも回せる点でも有用である。というより、実際のところライフを削る手段を有限な火力のみに頼っていては除去に割ける火力の枚数も限られ、延命手段として心許ないため、前述の《火の玉》《地震》のような可変型火力でも採っていない限りクロックの採用無しに火力コンを成立させるのは非常に厳しい。
    ここまで火力による勝利を追求してきて身も蓋も無い話だが、要は火力以外のフィニッシャーを採れという話である。
    それでも火力コンである意味が消失した訳では無く、勝ち手段を特定のフィニッシャーに依存していない分、そこに除去耐性や制圧力など通例コントロールのフィニッシャーに要求される性能を求める必要は無く、比較的気軽に使い捨てる感覚で選定、運用が可能である。とはいえわざわざ手札を消費してクロックを展開して1,2回小突くだけでは火力を本体に撃つのと大して変わらないため、最低限着地時のドローなどでアドバンテージの損失なく展開できるものや、除去耐性や回避能力を持ち攻撃を阻害されにくいものなどが適している。この点、上述の「延命行為に付随する本体ダメージ」や「高コストの大火力」など、火力に換算して他の構築要件へのアプローチ手段として数えられる事が選定基準と言えるかも知れない。その分コスト域はバーンが採用するものに比べてやや重くなりがちで、この手のカードを重点的に採用し始めるとデッキが段々とミッドレンジじみた構成に近付いていく。

    有名なのは《瞬唱の魔道士》《ミシュラの工廠》あたりだろうか。前者は瞬速、ACGでいう《敏捷》持ちで隙無く展開できる上に墓地の呪文を再利用する能力を持ち、キャントリップや火力の再利用でドロー付き火力にも大火力にもなり得る1枚である。後者は所謂「ミシュラランド」と呼ばれる生物化能力を持った土地で、コントロールの本分である土地の展開だけで運用する事が出来る上にデッキのスロットも一切消費せず、またブロック時の固さから実質的なロックを形成し火力の節約にも大きく貢献する。ちなみにこの2枚は両者とも汎用性が高く、火力コンに限らず多種多様なコントロールやビートダウンで活躍した実績がある。

配分要件(S)に着目したアプローチ

スロット問題の解決策は既に上記の速度問題の解決策のいくつかで事足りているため、敢えてここに着目して直接解決にかかるような手法は1つしか無く、また無理に採用する必要も無い。


第二百九十六話
  • デッキ修復
    達成に寄与する条件:(S)(H)(v)(I)
    一番分かりやすい例はカドうさ第二百九十六話においてアルカトラズの実質的な勝ち手段として使用された《輪廻の狭間》だろう。
    火力コンにおいては序盤で盤面に切った火力を終盤に使い回して焼き切りに充てるのが主な使い道となる。輪廻がどうなのかは分からないが、実際やるとすればなるべく延命行為に付随し、手札消費も無く、その上で回収できる枚数に制約の無いものが良い。《悪賢い隠蔽》2枚による無限ループがこの好例で、これを採用する場合はクロックやX点火力にダメージ源を頼る必要も無くなり、それ以前にそもそもデッキ内の総火力量の制約からも解放されスロットの問題自体が消失する。
    とはいえこのような構築が可能ならそもそも本体を焼き切らずとも相手のデッキ切れまで延命し続ければ勝つ事が可能で、それならそれで特有の強みでもない限りより優秀な除去を採用できる他のコントロールでやれば良いという話になり、わざわざ火力コンでやる意味合いは薄いかも知れない。
    コントロールとして重度に後ろ向きな構築になる点でこの手法は条件(I)を満たしているものと言える。

手札要件(H)に着目したアプローチ

  • 他の用途に変換可能な火力
    達成に寄与する条件:(h)
    腐りがちな火力をドローに変換可能なものにして火力の無駄引きを防ぎ、延命の強度を上げる発想となる。とはいえこのような火力はその分性能が落ち、そればかりに枠を割くわけにも行かないため、ほんの数枚申し訳程度に添えておくに留まる事が多い。
    火炎噴流》がイメージそのままの例となるが、流石に自分ターンでしか撃てないのはもっとマシな選択肢が欲しくなるもので、実際火力コンでの採用実績があるのは《火+氷》のようなもっと取り回しの良いものとなる。
    ちなみに妨害など火力以外の主軸の延命手段に変換効果を持たせるのは、火力にそうするのに比して旨味は少ない。火力が妨害よりも優先されるような局面になっている時点で既に手札にほぼ十分な量の火力を抱えている事になるためである。

  • 手札入れ替え手段
    達成に寄与する条件:(H)(v)
    不要牌を捨てるなりデッキに戻すなりしてドローに変換する手段は、火力が無駄引きになりやすい環境下における火力コンの心臓部と言っても過言ではない。そのような環境、そのようなマッチアップにおいては火力は引けば引いただけ負けに近付くカードでしか無いのだ。他にこの無駄引き問題を解決する手段はアドソースの過積載ぐらいしか存在しない。一応キャントリップや土地の着地時能力などでデッキトップを操作し、ドロー内容を選別する事で同じ事を疑似的に行うのも出来なくはないが。
    デッキ全体の火力総量を考えると、捨てるよりも戻す方が好ましい。《渦まく知識》がこの好例で、先日《脈打つ知識》というアド源を兼ねたもっと良いものが新カードとして発表された所である。


火力コンの構築思想および成立条件、実現手段に関しては概ねこんな所だろうか。ここまでの手法をパズルのように組み合わせ、大元の欠陥を解消する作業を終えた暁には、少なくともそれは最低限デッキと呼んで差し支えの無いものになっている筈だ。後は環境に合わせて配分をいじるなり、余った枠でバウンスやら全体除去やらに手を出してみるなり、そこからはもう他のデッキと変わらない、普通のデッキとしての調整が続いていく事だろう。


ACGにおける火力コン

とりあえず火力コンに関して頭の中にあったあれこれは全部吐き出して、一応理論らしい理論にはなったと思うので、最後にACGの火力コンの可能性についてだけ語って終わりにする。

結論から言うと、体験会に参加し、構築済みの内容の一部を見た身としては正直現状のACGで火力コンを成立させる手段はおそらく存在しないし、何なら今後供給が来るかすら怪しいと言わざるを得ない。それも必須級のものに限ってピンポイントに怪しい。
一旦火力コンの構築手法をおさらいしておくと、根幹に関わるものから順に

  1. アドソースの過積載

  2. 手札入れ替え手段

  3. 4~7のいずれかの特性を持つクロックの採用

  4. 延命行為に付随する本体ダメージ

  5. 手札消費を伴わない火力

  6. 高コストの大火力の採用

  7. ドローに変換可能な火力

  8. デッキ修復

といった具合だが、まずドローソースがどうも緑のカラーパイらしく、アドソースや手札入れ替えはおろか、アドバンテージを伴う動物すら悉く緑に独占されており、実質正統派の青系コントロールは青緑でしか組めず、何なら赤緑でフォグ入りロックバーンでも組んだ方がまだ火力コンの思想に近いといった状況である。こうなると開発が青赤のコントロールを想定しているかすら疑わしく、わざわざそれに向けて延命行為に付随する何たらが刷られるのも期待し辛い。手札消費を伴わない火力にしても、来てもカラーパイ的にどうせ赤緑だろう。期待できるものがあるとすれば《輪廻の狭間》が原作から輸入されるのが確実な事ぐらいである。

基本的なパーツの方にしても、火力に関しては現状バーン向けのもの以外見えていないのもあってかそもそも盤面に撃てるものが少なく、妨害も妨害で《冬》や《鉄檻》の存在を前提に調整してでもいるのかあまり満足の行く性能とは言い難く、肝心のコンボが妨害1,2発程度で何とかなるような代物では無いのも致命的と言わざるを得ない。

とはいえ原作にはにゃんにゃんコントロールなる雰囲気青白っぽいデッキも登場している事なので青のアドソースが出る可能性も全く無いわけではないだろうし(母にゃんこが緑だったらオシマイだが)、運営もあんまり酷いと判断した場合は妨害の上方修正やコンボ側のナーフも考えられないわけでも無いだろう。
個人的にコントロールを握っていて一番楽しいのは同型対決だと思っているので、火力コンも含め、青緑以外の各色のコントロールもいつかは組めるようになると信じたいものだ。一応原作に火力コンが存在している設定もある事だし。
そうなった暁にはこの記事がデッキを組む一助となる事を願う。もしかしたら今の段階でも不可能を可能にできるような事もあるかも知れない。

くぅ疲

という訳で本当に終わりにする。
実践編としてカウンターバーンの実例を1つ2つ挙げつつ構築上の要請に照らし合わせながら各手法によるデッキの挙動の変化なんかも語っていきたかったが、明日も早いし疲れたのでこれは近日やる気があった場合に加筆を検討するものとして、一旦ここまでで切り上げてネットの海に放流させてもらう事にする。正直内容を考えるよりも句読点の位置やら細かい言い回しやらを直していく方が大変だった。

一応最後に予防線を張っておくと、散々偉そうに語り散らかしたものの結局はカードゲームをほんの数年遊んできただけの一個人の私見に過ぎないので、視点の欠落やら前提の誤り、書き漏らし、論理の飛躍、説明の順序の誤り、日本語の誤り、過剰な記述、過剰な記述、過剰な記述、純粋な誤りといった粗は探せばいくらでも見つかると思う。
肝心の理論に間違いや不備を見つけた場合は遠慮なく言ってもらった方がお互い有益だろうと思う。何なら理論の穴を起点に新しいデッキが組めるようになるかも知れない。

という事で、質問やご指摘など何かあればTwitter(自称X)かdiscordの方にご連絡お願いします。
それではこの辺で。
ここまで時間と労力を割いていただきありがとうございました。


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