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カウンターバーンの話をしよう

0/予防線

・これから語るのはすべて僕の所感。
・いろんな解釈があっていいと思う。僕が正しいとも思わない。
・それがカウンターバーンだったとして、別に何も起こらない。
・「なんとか使い」って名乗りたいだけだろ →はい(照れ

1/カウンターデッキ

マジックの黎明期、スタンダードにCounterspellがあった頃、ひとつのジャンルとしてパーミッションやカウンターデッキと呼ばれるアーキタイプがあった。
特に10枚強のカウンターと、何かしら特定の盤面制圧・フィニッシャーとなるキーカードを積んだデッキは、カウンター〇〇デッキと呼ばれた。有名どころではKjeldoran Outpostをキーとしたカウンターポスト。MtG Wikiに列挙されてる通り「制圧手段and/orフィニッシャー名」が、〇〇に入る。

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参考:MtG Wiki

2/火力呪文

Lightning BoltやIncinerate、Shock。
生物もプレイヤーも打つことができるダメージ呪文を、バーンスペルや火力と呼ぶ。ダメージが入るからといって、Prodigal Sorcererはバーンスペルとは呼ばない。また、なんとなくの共通認識として「生物にしかダメージが入らない」ダメージ呪文もバーンスペルと呼ばれない。

3/カウンターバーンは存在していたのか?

黎明期、カウンターバーンは確かに時々存在していた。
インターネットをまだISDNで繋いでいたようなはるか昔、Yahoo!やGoogle検索は「検索ヒット数」を表示していたが、カウンターバーンという単語の検索結果はだいたい500件強あった。多くはないが、カウンターバーンと呼ばれる、もしくはカウンターバーンと名乗ってるデッキは、昔から存在していた。

4/カウンターバーンの定義

1/で書いた原則に則るなら、盤面制圧と本体を削り切る手段に、束の火力を用いるデッキがカウンターバーンである。
カウンターバーンというコンセプトに徹してゲームに勝つには、致命的な欠陥がある。ありがちなバーンスペルは1枚3点前後しかダメージが入らない。プレイヤーの初期ライフは20点。カウンターデッキの振る舞いをしながら計6,7枚の余剰なバーンスペルが必要という、実はなんとも冗長なコンセプトである。
上記の定義を正とするなら、別にノンクリーチャーか否かは関係ない。ただ、盤面制圧と削り切る手段が火力の束かどうか、それだけだ。
しいて定量的に言えば、火力とカウンターがそれぞれ3種類前後、10枚前後入ってるリストは、だいたいカウンターバーンと呼べそうだ。

5/歴史上の青赤カウンターデッキたち

カウンターフェニックスはカウンターバーンであろうか?
当時主流だったRandy Buehler氏のリストは、カウンターバーンと呼べない。
ただ、藤田剛史氏の日本選手権98のリストは、カウンターバーンと呼べるであろう。(くどいがこれはあくまで僕の所感)

カウンターハンマーはカウンターバーンであろうか?
バーンスペルで盤面制圧・フィニッシャーとしているのでカウンターバーンと呼んでも差し支えないと思う。ただ、カウンター〇〇デッキの原則でいえば、それよりはキーカードのハンマーこそ、〇〇に入れる単語である。

ドラコ爆発はカウンターバーンであろうか?
確かにErratic Explosionはバーンスペルっぽいかもしれないが、Dracoと組み合わせたほぼ瞬殺コンボを決めるためのデッキのため、カウンターバーンとは呼ぶのは違うだろう。

6/「ミシュラン型」と呼んでるカウンターバーン

僕が2009年からレガシーでずっと回している青赤コントロール・ミッドレンジデッキはカウンターバーンであろうか?僕はそうだと自認している。
以下、コンセプト自体はそのままだがカードプールの変化で変わっていったリストである。

2010/12 晴れる屋レガシー(5-03 Vendilion Clique
3 Spell Snare
2 Spell Pierce
2 Counterspell
4 Force of Will
4 Ancestral Vision
3 Brainstorm
2 Jace, the Mind Sculptor
4 Burst Lightning
4 Lightning Bolt
2 Fire/Ice
4 Engineered Explosives

3 Island
4 Volcanic Island
1 Mountain
2 Tundra
2 Misty Rainforest
4 Scalding Tarn
1 Arid Mesa
3 Mishra's Factory
3 Mutavault
2016/11 GP千葉(10-54 Snapcaster Mage
3 True-Name Nemesis
1 Vendilion Clique
3 Spell Snare
2 Flusterstorm
2 Counterspell
4 Force of Will
4 Brainstorm
1 Jace, the Mind Sculptor
2 Pyroblast
2 Burst Lightning
4 Lightning Bolt
3 Fire//Ice
2 Engineered Explosives

5 Island
4 Volcanic Island
1 Steam Vents
4 Polluted Delta
4 Flooded Strand
4 Mishra’s Factory
1 Faerie Conclave
2021/11 直近(習作)
4 Snapcaster Mage
1 True-name Nemesis
2 Hullbreacher
2 Brazen Borrower//Petty Theft
1 Stifle
3 Spell Snare
3 Counterspell
4 Force of Will
4 Brainstorm
2 Pyroblast
4 Lightning Bolt
4 Bonecrusher Giant//Stomp
2 Fire//Ice
1 Engineered Explosives

4 Island
4 Volcanic Island
4 Fiery Islet
7 Ux Fetch
4 Mishra’s Factory

カウンターデッキが本職の盤面制圧を放棄して勝ちを目指すことを「キレる」という。歴史的には、たとえば「キレメロク」「キレスワン」という言葉があった。
盤面を火力とカウンターでしのいで、合間で安い命でちまちま削りつつ、カウンターデッキでありながらどこかのタイミングで束の火力を投げて削り切る「キレプラン」が主な勝ち方となる僕のこのデッキは、僕の思い描くカウンターバーンだ。
ただ上3つから変遷が伺えるが、2つ目までのリストは、たとえばMiracles戦でエンドやドロー後にBurst Lightningのキッカーを連打して7~10点を削るような勝ち方も多かったが、直近のリストの火力の束撃ちは、だいたい5~6点ぐらいとなり、ラストワンマイルのレンジがけっこう変わってきている。

7/最後に

人々がカウンターバーンと呼ぶそれは、マジック黎明期から確かに存在した。僕も少年の頃、Yahoo!やGoogleでの検索する単語としてカウンターバーンを認知してたし、検索結果にもいくつか存在していた。

ある意味カウンターバーンは都市伝説やネットロアみたいな存在かもしれない。僕が少年の頃見たかもしれないその幻影を、今のフォーマットでひとつのかたちとして再現したのがこれらのリストである。
この10年ぐらい僕がDiarynoteでカウンターバーンと連呼し続けた結果、ネットロアが人々の記憶から少しずつ薄れていくのを、ほんのちょっとだけ妨げたのかなと思っている。

カウンターバーンはいささか人を感情的にさせますね。

8/おまけ

今インターネットで見つかる、ああカウンターバーンだなぁと思えるリストたちを紹介する。

GPミルウォーキー2002 トップ64
Anthony Justice氏のCounter Burn

3 Syncopate
2 Gainsay
4 Counterspell
4 Repulse
4 Sleight of Hand
4 Fact or Fiction
2 Earthquake
3 Firebolt
4 Fire/Ice
3 Urza's Rage
3 Prophetic Bolt

1 Cephalid Coliseum
11 Island
8 Mountain
4 Shivan Reef
2008 UK Legacy Fortnightly トップ8
Mike Stanley氏のUr Landstill

4 Counterspell
4 Force of Will
4 Brainstorm
4 Standstill
3 Fact or Fiction
3 Echoing Truth
4 Lightning Bolt
4 Fire / Ice
2 Crucible of Worlds
3 Nevinyrral's Disk

6 Island
4 Volcanic Island
3 Polluted Delta
3 Flooded Strand
2 Faerie Conclave
4 Mishra's Factory
3 Wasteland




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