見出し画像

フリーランスになって私が感じる最大のデメリット

フリーランスになってデメリットってどんなところでしたか?という問いを僕自身なる前にフリーランスの先輩にしていたし、Webでも検索して調べたりしていた。
ただ実際になってみると、それらは僕にとっては大して問題ではなく、むしろ全く別のことを問題だと感じるようになった。

あくまでこれはフリーランスエンジニアに限定した話である。他の業種は知らない。

始めに結論を書いてしまおう。自他共に認めるつよつよエンジニアだったら何ら心配する必要はない。生涯最前線でエキスパートとして活躍できるだろうし、フリーランスに失敗しても渡米してGAFAにでも就職すればいい。
そうでないエンジニアは技術力以外の強みを持っておいた方がいいんだけど、それがフリーランスエンジニアになると習得できなくなる。
もっと具体的に言えば、縦の方向のスキル取得ができなくなる。

縦の方向というのはいわゆるリーダーやマネージャー、プロジェクトオーナー、そして経営者の仕事を指す。
プロジェクトの企画から始まり市場調査、工数見積、要件定義、スケジューリング、設計など。全体を俯瞰した業務というのを行う。
フリーランスは基本的にプロパーの誰かの下で働くのが基本で、昇進はしない。昇進しないということはリーダーやマネージャーに必要な学びも実践も得られない。
これが社員だと昇進の機会があるので、リーダーになるために必要な学びの機会などが与えられてそれがスキルとなって身についていく。
全く向いてなくて心折れる人も当然いるけど。

一方で横の方向というのは簡単で、例えば新しい言語、フレームワーク、サービスなどについて学ぶのは本を買って読むなりセミナー通うなりQiita見るなりして手持ちのスキルの延長で時間とやる気さえあれば幾らでもできる。

リーダーやマネージャーの仕事は結構しんどい。複数の社員をまとめ上げてスケジュール通りにプロジェクトを進行させるのは職人技だ。
順調に進んでいたかと思いきやリリース直前になってメンバーの一人から実はできていないんです、と泣きながら告白されたりする。泣きたいのはこっちだよ。
また各個の裁量に任せすぎるとマネージャーの仕事をしていないとか陰口叩かれて胃薬を飲む日々になったりする。
ある分野においては自分より出来るメンバーの相手もしないといけない。そんなことも分からないでマネージャーやってるんですか?的な事を言われたりもするので益々辛い。
厳しくすればいい訳でもなく、優しくすればいい訳でもなく、理屈的にでもないし情熱的にでもないし、トップダウンが正しいわけでもなくボトムアップが正しいわけでもない。これといったテンプレもなく、なかなか難しい。
そして最後は大抵の場合ドタバタしながら納品を迎える。

そんな大変なマネージャーを手助けするように、ここの機能は別のメンバーと被っているから親クラス作った方がいいですよとか、コスト的にだいぶかかりますが大丈夫ですかとか声をかけるだけでマネージャーは頼もしい右腕を得たかのような気持ちになれる。

なのでプログラミング以外の差別化要因としてマネジメント能力はあった方がいいんだけど、それを学ぶ機会が無くなるということ。

あとフリーランスというのは個人事業主なので、言い換えれば社員数1名の会社の経営者とも言える。
その経営者が経営やマネージメントを知らないというのは結構ヤバくて、普通に騙されたり失敗したりする。よく分からない顧客からよく分からない仕事を引き受けて、納品しても入金されないとか、義理人情で仕事を引き受けて大赤字とかよくある話。
大金に目がくらんで自身のキャパシティを大幅に超えた仕事を引き受けてしまい結局できなかったみたいな話だってある。

それでも若いうちからフリーランスになって、いろいろ失敗しながらなんとかやってきましたなんて人もいるし、フリーランスにはいつでも誰でもなれるので、今すぐやってもいいし、僕みたいに一通り全部学んでからやってもいいと思う。
ただ個人的には、学べるものは会社で学んでからやった方がいいと思う。
プログラミングが独学だと実際の仕事では殆ど役に立たないのと同じで、経営も独学よりは経験者のもとで実戦形式で教わる方が断然効率が良い。
それに自分の財布も痛まないし、ヤバい時には上司がストップをかけてくれる。

各業態に特化した経営者のためのスクールなんて、あるんだろうか?
あっても高いだろうな。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?