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4_koto_bungaku

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四コマ漫画みたいなノリで書けないかなと思い、始めたショートストーリー集です。
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#掌編

ステイン

 ドアを閉めて内側から鍵を掛けると、1k6畳の中に滞留している空気が、僅かに入り込んできた外気と混ざり合う。  外の気温は0度。部屋の中は20度前後。彼は電気を付けて、まずは買ってきた発泡酒を冷蔵庫に入れ、パソコンを起動させる。小雨で僅かに湿気を含んだコートはハンガーに掛けられた。 「ただいま」  彼がリモコンを手に取り電源を入れると、短い電子音の後にエアコンから吹き始めた風が、しんと冷えた壁に染みこみはじめた。ぬるい風と彼の溜息が混じり合って留まる。溜息を吐き出すのと同

ボディ・テンプラチャー

 駐車場に止めてある車のフロントガラスの隅に、霜が降り始めた日の明け方、ベッドのそばに置いてある丸椅子はしんと冷えていて、座面にはまだ日の光の温かさがない。  だから際立っているように感じるのだろうかと、彼は思う。  開いた股の間に置いた両方の掌は湿っていて、座面と掌の間に籠る熱は解放してくれと叫んでいるかのように熱い。 「これであなたの身体は、あなただけのものではなくなったからね」 「お―――、うん」  首の後ろから釘を刺されたように、喉の真ん中で言葉が詰まり、出てこ

『omm...』

 指先で何の感慨もないまま、呟いた言葉があるとする。それはどこかの誰かの共感を誘い、本人が想定していない規模の人数を巻き込んだりする。だが、真摯に考え、なるべく相手が傷つかないようにラッピングし、贈った言葉に限って、当人には届かなかったりもする。  そんな経験があったからこそ、彼は彼女に、なるべく剥きだしの言葉を、脊髄の段階で掬い取った言葉を、躊躇なくぶつけてやりたかった。 「コンポタだろ?」  彼女が黙って頷く。  無人駅のホームで彼と彼女は二両しかない私鉄を待っている