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在宅ワークの求人は本当にあるの?【体験談】

コロナ禍を機におうち時間も増え、在宅ワークにシフトする人や企業も増えてきました。私もそうでしたが「おうち時間を利用して少しでも稼ぎたい」と思う方は少なくないと思います。そこで、複数のクラウドソーシングサイトや求人サイトを使って在宅ワークに応募した体験談を書いていきます。
在宅ワークに興味ある人、始めようか迷っている人の参考になればと思います。

1.在宅ワークの求人自体はある

在宅ワークの求人は結構あります。内容は様々ですが、要資格職ではシステム開発やアプリ開発・プログラミングといったIT業界がかなり多いです。また、SEO対策やマーケティングといったインターネットサイトの運営に関わる仕事やWEBデザイン・ライティングなどの記事作成、中にはオンラインで行う経理や秘書代行といった仕事もありました。

完全在宅の求人も中にはありますし、週1程度出社必要になる求人もありました。企業によって差異はありますが、コロナ禍の影響もあり在宅での仕事も幅広くなった印象です。

2.初心者でもできるものは

様々な求人がある中で、「初心者でもできるものはあるかな?」と思い調べてみました。求人数が多いものだとテレアポ(テレフォンアポインター:企業や個人に電話をかけ、商品の紹介をしてアポイントを取る仕事)やSNS運用、アンケートサイト、データ入力などがあげられます。”無資格で初心者でも可”となると単純作業や電話等の仕事がほとんどでした。


「知らない人に電話かけるのはちょっと・・・」
「SNS運用、毎日やらないといけないし・・」
「アンケート単価やすいから稼げないし・・・」


正直、架電業務は私も苦手です。しかもそのほとんどが鬱陶しがられます(経験談)。学生時代にテレアポのバイトをしていましたが、「あー、いいからいいから」「そんなの興味ない」「もう電話してこないで」と言われたことがあります。むしろほぼそういった感じです。さらに上から「今日アポ件数少ないけど!タダ働きしてんのか!(今でいうパワハラ)」なんて言われ、速攻辞めました。ストレスは良くないです。

ただ、テレアポ等は”時給が他に比べ高いことが多い”です。時給1200円-1500円の求人もあります。断られたり言い返されても仕事と割り切って働ける方や電話が苦痛でない方ならオススメです。

いろいろある在宅ワークを始めるにあたり、私が気になったのが「データ入力」です。
薬剤師(本業)という仕事柄、タッチタイピングできますし入力速度や正確性にはある程度自身があります。なので私はデータ入力の求人にターゲットを絞って検索してみました。

3.データ入力やタイピングの仕事はある?


結論から言うとほとんどないです。
求人サイトには「データ入力」「音声書き起こし」などたくさんありますが、実際に申し込んでみると下記のようなメールがよく来ます(特にind〇ed)

ご応募ありがとうございました!大変申し訳ございませんが、こちらの求人は先程埋まってしまいました。

この他にも多数の求人を取り揃えておりますので、もしよろしければご確認ください。
【テレアポなどの求人URL https://・・・・】
【公式ラインなどのID】など

(一部改変)


”データ入力”や”音声の文字起こし”と言った比較的人気で応募が集まりやすい求人をあえて出して、いざ応募がくると他の仕事に誘導すると言った求人(案件)がめちゃくちゃ多いです。実際には本当に枠が埋まってしまっただけなのかもしれませんが、色々なデータ入力の求人に応募してみると同じような文章が他の企業からも送られてくるので実際には存在しない求人を載せている可能性が高いです(この返信業務自体もおそらくこういった求人で集められた労働者によって行われているのだと思われます)。中には詳細な応募条件を出さずに外部サイトに誘導するような企業もあるので、そちらについては後述します。

4.詐欺に近い求人もある

実際に私が応募した求人に多かった個人的にグレー~黒な例を3つご紹介します。基本的に途中辞退しています。ですので最終選考まで行けば、もしかしたら”普通の企業”かもしれません。ただ『最終選考にいくまでの間に少なからずおかしい』と思い、契約をしなかった求人ですので行きつく先は言わずもがな、かと思います。


手口①外部サイトに誘導する

上述した内容の続きです。
ind〇edなどの求人サイトに掲載されている、上記のような求人に申し込むと以下のような返信が届きます

お問い合わせいただきありがとうございます。
いくつかのサイトでご自宅でできる豊富な案件の掲載をしており、たくさんの方からお問い合わせいただいております。在宅でのお仕事になりますので履歴書の代わりに下記のURLからアンケートのご回答をお願いしております。
【外部サイト(Googleフォーム等)URL】

(一部改変)


送られてきたGoogleフォームを開くと氏名や住所、LINEやメールアドレスの入力画面になります。

こういった求人の多くは「在宅の仕事ですので詳細についてはLINEにてご連絡いたします」などと記載してLINEを入力させようとしてきます。そしてLINEを通して口座番号や氏名住所などの個人情報を聞き出したり、LINEアカウント情報そのものを不正流用したりと悪用されるケースがあります。

LINEの提出を求めるすべての求人が悪いというわけではないですが、採用すらされていないのにグループに追加されたり口座番号を聞かれるのは常識的に考えてもおかしいと思われます。

在宅の仕事がLINEでないとできない理由はほとんどないので、こういった返信が来たらまず怪しいと疑った方がいいです。


手口②オンラインサロンに加入させる

実際に、公式LINEを登録してみると以下のような文章が送られてきました。

公式LINE株式会社○○の追加、ありがとうございました。
以下のフォームから説明会の日程をご予約ください。Zoomを用いて行います1時間ほどの説明会です。【Googleフォーム等URL】

(一部改変)

公式LINEを登録すると次はGoogleフォームを用いて説明会の予約を取るよう指示されます。指示通り予約を取り、Zoomのオンライン説明会に参加すると、企業の理念や労働条件などを動画で説明されます。そして『誰でも高いスキルでお仕事に取り組めるよう、会員限定ではありますが、通常月〇万円のところ△万円で様々な情報を提供いたします。』といった”労働前に金銭を要求”してきます。つまり”オンラインサロン”です。

(個人的な体験談になりますが、「コツコツ、誰でも簡単データ入力」といったタイトルで「詳細はオンライン説明会でお話しします」といった返信内容の求人はほぼほぼこういったオンラインサロンです。これもバイトが行っているんでしょうね。)


手口③賃金が著しく低い案件の紹介

「在宅OK!いつでもOK!月給20万以上も可!カンタン作業でコツコツ!」
音声と書類を照らし合わせ、間違いを訂正していただくお仕事です。
初めて在宅ワークされる方もOK!ほとんどの方が初心者から始められてます。
業務上正確性が求められるお仕事ですので、適正テストを実施し、合格者のみガイダンスの案内を致します!
いつでも自分のペースで働けるので、ライフスタイルに合わせて長く働けます!ご応募ください!
(一部改変)

(一部改変)

いかにも良案件そうな求人。怪しいと思いつつも実際に応募してみました。
応募後のフローは以下の通りです。

求人に応募

採用担当から適正テストURLが送られてくる(定型文)

適正テスト実施して送信

採用担当から適正テスト合格の通知と採用条件やスケジュールについてのURLが添付されたメールが届く

添付されたURLはYouTube動画7~8本、すべて見るよう指示あり

ここで初めて労働条件を確認できる

1時間で4-6件程度の仕事量、1件あたり20円からスタート(続けることで報酬UP可能!)」

この求人の場合、詳しい労働条件を知るためには適正テストを通過しなければなりません。つまり、応募前では具体的な給与が分からないのです。

実際にこの求人では1件あたりの入力量が20分前後なのにも関わらず、報酬は20円です。この報酬額を求人を探している段階で見たら応募するでしょうか?ほとんどの人はしないと思います。
応募段階で詳細な労働条件を提示していない求人は、”詳細を書いていないのではなく、『書けない』”ということが言えます。

”適正テストを通過した合格者のみ”といった『特別な仕事感』を出し、人を集める。そして労働条件通知書のような書面ではなく動画を何本も見せる。ここまで時間を使った求職者は”せっかくここまで時間使ったし、やるか分からないけど一応登録だけしておこうかな”となり登録する。そして実際の案件は20分で20円程度の報酬であり、企業としてはほぼ無償で労働力を法的に確保できる。
こういった流れになっています。

”でも最低賃金下回ってるじゃん?1時間入力して100円って違法では?”

こういった求人のほとんどの募集形態が『業務委託』になっています。簡潔に言うと業務委託契約には最低賃金は適応されません。なので1時間100円の報酬でも法的になんら問題ないのです(労働者サイドから見ればほとんど詐欺に近いですが)。詳しくは後述します。

5.諸悪の根源は”業務委託契約”とは

上記で述べた詐欺まがいの低報酬求人のほとんどは”業務委託契約”の案件です。アルバイトやパート、正社員といった雇用されて働くのではなく、あくまで個人事業主として会社と対等に働くものです。最低賃金は雇用された労働者を守るためのものなので、業務委託で働く場合は適応されません。つまり、悪い企業側からすれば”最低賃金を守らなくてよいので報酬設定は安価でも問題はない”のです。
応募にあたり個人情報を入力すれば抜かれて悪用されたり、いざ説明会に参加したら数万の会費の支払いを促されたり、やっと応募できたと思えば1時間でジュース1本分しか稼げなかったり、正しい情報を見抜くのが本当に難しいです、クラウドソーシングは。

6.在宅で生計を立てるのは狭き門

何かしらのスキルや資格を持っている場合は、雇用者として企業のもとで在宅にて働くことは可能です。また、個人事業主として会社を立ち上げて活動する分にも可能です。自宅で株式やFXを運用するのもできます。

しかし上記で述べたように”誰にでもできる簡単な仕事のみ”で生計を立てるのはかなり難しいです。誰にもできる分、単価がかなり低いからです。

在宅ワークをするには”何かしらのスキル”が必要になり、さらに”そのスキルを活かす知恵”も必要になります。誰かの元について雇用されて働くのではなく、主体的に活動できる能力がないと在宅のみで生計を立てるのはかなり難しいのではないかと思われます。

以上が私の見解です。新型コロナも終わりが見えず、給与も据え置きの現世。個人的な意見としては、本業のほかに副業といった立ち位置で自分のスキルを活かした在宅関連の仕事を併用していくのが理想的なのかな、と思います。(そもそも本業の収入だけで余裕を持った生活ができるくらいの給与を与えない社会がおかしいんですけどね

ここまで読んでいただきありがとうございました。
私の本業は薬剤師ですがClubTにてイラストTシャツやトートバックを販売してますし、ココナラというサービスでは薬剤師のスキルを販売しています。
気になる方はそちらもご覧いただければと思います。

他にも本業に関する記事やゲーム考察、猫に関する記事も時折書いてます。更新頻度は少なめですがかなり凝って書いているので見てもらえると嬉しいです。

今日はここまで。


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