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さようなら

本当に大切なことはいつまでも闇の中かもしれない。考えれば考えるほどわからなくなる。だからこそ考えない、考えてもいいけど考えない。

行きたいと思ったら行く
言いたいと思ったら言う
欲しいと思ったら手に入れる
食べたいと思ったら食べる
触れたいと思ったら触れる
会いたいと思ったら会う

嫌だと思うことも、好きだと思うことも、間違ったと思うことも、失敗したと思うことも、良いも悪いも全部自分のしたことはどれもこれも素晴らしい出来事になる。しっかり刻むことができる。真実になり得なかったとしても、事実として残る。

数日前に、大切な人が目の前から消えた。もう二度と触れることはできない。もう一度声が聞きたい、もう一度触れたい。もう一度、もう一度、何度もそう思ってしまう。後悔とかそういう次元ではなく本当に心から大切な人のことを一生失ってしまったんだと実感する。実感して大泣きする。ここのところ泣かない日はない。せめて目が腫れなければいいのだけど、そうはいかないから泣きたくはない。感情の揺れ動きが激しくて実際に胸のあたりが痛む。呼吸がし辛くてうまく酸素をとり込めていない。それでも、いくら辛くても、大切な人はもういない。二度目はない。会いに来てくれることも、また触れさせてくれることも、声を聞かせてくれることも、もう二度とない。

この世界は結局、0か100。白か黒。きっぱりさっぱりしているんだ。関わっている間はどんな数にでもどんな色にでもなれるのに、関わらないというそれだけで、スッと終わってしまう。本当に、スッと。今までの時間、言葉、温度はどこへ行ってしまったの?きっとどこかで、なんて違うよ。どこにもいない。無の世界。

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