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90年代の隠れていない名盤、その60(Robert Wyatt)

遂に60回目を迎えた当コーナー、ヘヴィなロックバンドが続いたので、今回は対照的なアーティストである、Robert Wyattのアルバム『Shleep』を紹介します。
それでは早速レビューに移させて貰います。

Soft Machine、Matching Moleのドラマーだったワイアットだが、事故からドラムが叩けなくなり、紆余曲折してシンガーソングライナーとした再活動したRobert Wyattが、97年にリリースしたソロ・アルバム『Shleep』。1曲目『Heaps of Sheeps』は、ゆったりとした曲展開が印象的なワイアットらしい牧歌的なナンバー。2曲目『The Duchess』はエレクトロニカと言うか浮かんでは消える音響と、たまに鳴らされているピアノの音をバックにワイアットが淡々と歌うナンバー。3曲目『Maryan』は
リリカルなアコースティックギターのイントロに始まる、ややダークな、不思議な感じのするナンバーだ。4曲目『Was a Friend』はメロディはあるが、独特なテンポで歌い続けるワイアットの姿が印象的な,ワイアットの気持ちが徐々に伝わってくる様なナンバー。5曲目『Free Will and Testament』はワイアットのボーカルから始まる穏やかなナンバー、ボーカルのソロから楽器が重なる展開が美しいナンバー。6曲目『September the Ninth』は楽器が空中に漂っている様なインストゥルメンタルで始まり、中盤からワイアットのボーカルが入って来るナンバー。7曲目『Alien』は静かな立ち上がりからパーカッションと思われる打撃が入って来て曲がややアグレッシブになるナンバーだ
。8曲目『Out of Season』はワイアットのボーカルも含めて、霧の中で演奏しているかの様な浮遊感満タンのナンバー。9曲目『A Sunday in Madrid』は、漂う様なオープニングからジャズっぽいリズムが入り、淡々と演奏が続く様なナンバーだ。10曲目『Blues in Bob Minor』は本アルバムで1番ロックしているナンバーだ、冷たく引き締まった演奏をバックにワイアットが歌いまくる、素晴らしいナンバーだ。自分のこのアルバムのベスト・ナンバーでもある。このアルバムのラスト・ナンバーでもある11曲目『The Whole Point of No Return』は重いドローンの様なサウンド。
このアルバムは、ワイアットの持つ実験性と穏やかな「うた」の魅力が融合した傑作である。
個人的には『Blues in Bob Minor』一曲の為にアルバムを購入するのもアリだと思う。必聴!

以上、Robert Wyattのアルバム『Shleep』を紹介しました。次回取り上げるアーティストは未定です。よろしくお願いします!

#90年代
#名盤
#プログレ
#カンタベリーミュージック

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