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良いアドバイスは「一般解」と「個別解」をつなぐ補助線になる

柴田(@4bata)です。アドバイスをもらったり、したりするときに自分が感じていた違和感がちょっとすっきりしました。

「一般解」と「個別解」

こんな言葉があるらしい。ここでは以下の意味ぐらいで使う。

一般解・・・かなりの頻度で使える答え。
個別解・・・自分に必要な答え。一般解をほぼそのまま使えるときもあれば、そうじゃないときもある。

個別解じゃなくて、本当は「特殊解」のほうが近そうだが、わかりやすさ優先(元ネタは数学用語らしい)。イメージはこんな感じ。

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アドバイスとして一般解を伝えてしまいがち

何かアドバイスをするとき、アドバイスする側は個別の事情を考慮せず「一般解」を伝えてしまいがち。

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アドバイスをする側とされる側で「個別の事情の大きさ」の見え方が異なってるのだろう。

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例:仕事の問題と見せかけて家庭の問題も絡んでた

在宅勤務時に音声が途切れがちなので、回線を改善するように伝えているのに、まったく改善されない社員がいたとする(注:架空の事例です)。

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実際には、家の中で会議が許されず、ベランダで会議をしていて音声が途切れるのだった。会社の人に言い出せないし、バーチャル背景だから気づかれないのだった。

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この状況を知ったとしても「近所のコワーキングスペースとかいけないの?」とアドバイスする人もいるかもしれない。大抵の人は、そんな状況ならコワーキングに行くことも許されないだろうと想定するだろうけど。

一般解と個別解をつなぐ「補助線」は、論理的に出てくるとは限らない

「個別の事情を考慮してアドバイスしましょうね」なんて結論を言いたいわけではない。もうちょっと続きがある。

ここで最近知ったクイズをひとつ紹介する。このクイズを私が解いたときの思考プロセスを紹介したくなった。(クイズの引用元「戦略脳を鍛える」)

3個の金の輪がつながった鎖が4本あります。
1個の金の輪が開くのには2セント、閉じるのには3セントかかります。
12個の金の輪を全部つないで、1つのネックレスにしたいのですが、お金は15セントしかありません。
どうすればいいでしょうか?

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【私の考えたプロセス】
・15セントかー、奇数だ。2セントの開くだけじゃなくて、3セントの閉じるも1回はやるな
・「3」。そうか、ひとつの鎖を分解して接続するのがよさそう

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・ひらくのに2セント×3回、閉じるのに3セント×3回。6+9=15。できた。

書籍にも似たような答えが書いてある。ポイントは、「15セントだから、3セントが1つはある」→「ひとつの鎖を3つに分解しよう」の部分だ。ここは、3を連想キーワードに使っているが、別に論理的には関係ない。でも、ヒントにはなっている。ここにアドバイスに関するヒントがありそうだ。

個別の事情を踏まえた「個別解」は本人にしか出せない。周囲の人ができるのは、「答えを代わりに出す」以外のことすべて。

「個別解」に関して「これだったらいける」と判断出来るのは本人だけだ。なので最終的な答えは自分で考えてもらおう。じゃあ周囲にできることは何か?いろいろある。

・いろんな「一般解」を提供して、本人がそれの組み合わせで「個別解」をつくるのを手伝う。これが答えではないだろうけど、というスタンスが重要。いちばん「アドバイス」のイメージに近い。
・応援したり、元気づけたりする。答えについては何も話さない。
・よくわかんないアイデアも含めていろいろいって、本人の着想のヒントにする。発散型の人ならそれもヒントになったりする。
・「個別解」が出てくるまで待てるように時間を稼ぐ。
・「解決できずに周囲に迷惑をかけている」と本人が悩んでいるようだったら「別にそんなに周囲は困ってないけど」といったりする
・似たような状況のひとを紹介する。その人が導き出した「個別解」がヒントになったり、似た境遇の人と話すだけで、元気が出たりするかも。
・一緒に悩む。
・全く一緒に悩まないで、あっけらかんとして隣にいるだけ。

まとめ:良いアドバイスは「一般解」と「個別解」をつなぐ補助線になる

「補助線」は直接答えを出さない。あくまで手伝うだけだ。「アドバイス」というと、「答え」を提供するイメージがある。アドバイスが必要そうな相手に対してできることは、「元気づける」や「答えがでるまで待てるように時間を稼ぐ」など、かなり幅広いと思ってよさそうだ。



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