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本音を口に出せてない、と気づいた人と話した

いまのまま働き続けてもいいのか診断」のやりとりを公開します(本人確認済)。

相談内容:今の部署では代えのきく存在に感じる

柴田:ご自身のこと、相談内容をざっくりで構いませんので教えてください。

製造業です。私は電子部品の製造工場に勤めています。今の部署では、たくさんいる従業員のひとり(代えのきく消耗品)のように感じていて、役に立っていないように思います。
今の部署は、不良品を作らないことや誤って顧客に販売しないことを目的にしたシステム(ルール)を構築、改善するのが仕事です。部署としては、状況や環境の変化に合わせてルールの見直しをしています。ある程度、やることのゴールやそこまでの道筋が見えている業務が多いです。
前の部署では成果を出した実感があって自分でもとても充実していて部署内でも評価されていました。前の部署は、新製品開発や既存製品の品質改善が主な業務でした。ですが、あらゆる業務をしていました。他には生産管理(生産計画や在庫管理など)、設備メンテナンス、クレーム対応、新規設備導入、情報セキュリティ管理、など多岐にわたっていました。

柴田:まずは前の部署と今の部署の違いを掘り下げてみるとよさそうです。前の部署は現場に近く、今の部署は全体を俯瞰するような部署にも思えます。業務経験をつんでいくと、このような俯瞰した部署にいくことが御社内で多いのでしょうか。また、素朴な疑問として、前の部署に戻る方法はあるのでしょうか?

おっしゃる通り、現場からの距離は前の部署の方が近く、今は少し離れて俯瞰する部署にいます。
前の部署には戻る方法はありません。別の部署に異動することはあると思います。異動がどのように決められているかはわかりません。異動について、異動先や業務など希望を出すことはできます。

(柴田注:他にもいろいろ異動の経緯等細かく教えてもらったけど割愛)

柴田:なるほどー。であれば
1.今の部署で先を見越してやれることをやっておく
2.部署異動、もしくは転職等「変化の機会」を伺う(2を見越して1でやれることはやっておく)

の二つを平行で走らせるのがよさそうですね。2の「変化の機会」って、偶然の要素もあると思うのです。それに備えて何ができるか、みたいな視点も加えるとよさそうです。

私もそう思います。

1.今の部署でひとつだけ自分の裁量で進められる業務があります。それを一通り完結させると自分にとっても大きな経験が得られて、会社にとっても損失コストが減るメリットがあります。すでに損失コストは減らしたのでそれを維持管理する仕組みづくりをしているところです。その仕組みは、今後の管理をしていく上で、横展開のモデルケースになるのではないかと思います。その後をどう展開させていくかを模索しながら進めています。

2.他の部署で興味がある部署があります。そこを調べて、自分がそこにいるとしたら何ができるか、どのように会社に貢献できるか、自分は何がしたかを考えます。転職などは1年近く前から考えているものの、自分に合う職ややりたいことが明確にないので積極的にはなれていません。

ただ、『今の会社を辞めてもいいや』と決めてから、今の部署での自分の取り巻く状況が好転したように思うので、1を主軸に進めようかと思っています。自分にとって居心地の良い環境にできないかを模索します。時間を見つけて他部署の調査をして、休日には1にも2にも活かせるように視野や知見を広げていこうかと思います。
社内他部署への社内公募(異動希望)も募っているので、その情報も定期的に確認します。

偶然の要素を待つ「言いふらし」

柴田:ちょっと「偶然の要素」という説明がわかりにくい気がしましたので補足します。過去に似たようなブログをかきました。

ざっくりまとめると「よい偶然を起こすために、周囲に曖昧な自分のやりたいことや興味を言いふらそう」という内容です。

周囲にいろいろ言いふらす、みたいなことからスタートしても面白いかなーと思いました。

周囲に言いふらすというのは、本気さや具体的な度合いはどのくらいを考えれば良いでしょうか?例えば、『今お金や経理に興味があります、でも本業で経理をやりたいと思ってません』くらいの、目的や理由がなく少し興味がある程度のことでも良いのでしょうか?

柴田:周囲に言いふらすのは、本気でなくても、曖昧でも構いません。大切なのは、多くの人に言いふらすことです。「良い偶然が起きる種まき」なので、何が芽吹くか分からないためです。
前に紹介したブログのワークシートの中にも、言いふらすときのテンプレートとして「まだ曖昧なんですけど」とか、言い訳がはいってます。そのレベルのほうがよいと思ってます!
「なんとなくこのままだと自分もまずいと思ってるんですけど、どうですかね?」ぐらいの曖昧な相談を、同僚の方などと、話せると面白いかなーと思ってます。「え?どういうこと?」と深掘りしてくれるような方だとベストかなと。

今浮かんでいる言いふらしを3つ挙げます。アドバイスなどありましたらお願いします。
まだあいまいなんですけど、
1.お金や経理に興味があって勉強しよう
2.自由に本音を吐ける場が必要
3.環境事業について知りたい
ということを漠然と考えていて、何かいい方法とかだれか良い人いたり、この本読めとか何かないですかね?

話す内容によって、言いふらす相手は選んだ方が良いですか?

柴田:これでいいと思います!いいふらす相手も特に気にしなくていいかと。「とにかく数」です。で、何も返事がなくても気にしないと。3つ言うより、ひとりには一つのほうがいいですね。

私は会社のお金の流れをこれで理解できました!経理というより財務側かもしれないので、そこは違うかもですが。

お金はご紹介いただいた本を買いました。短絡的にお金について知りたい=経理、とつながっただけなので経理にこだわりはないです。最近、見えないものを可視化することって大事な気がしています。お金は信用を数値化したもの、つまり見えない信用を具体的な数値として可視化したものとして興味をもったのかもしれない、と思い始めました。

自分が本音を言うことが先のような気がしてきました

柴田:本音を吐ける場、例えばどういう場所か、イメージあるでしょうか?似た境遇の人と話したいのかどうか。オンラインでもいいのか、などでいろいろありそうです!

本音を吐ける場に具体的なイメージはないです。ただ、皆言いたいことを言わずに我慢したり諦めたり躊躇したりしてるんじゃないかなって感じていて、そういうことがいつかどこかで歪となって大きな問題に発展するような気がするので、そういうことが言える場所や相手がいると状況って良くなるのかなと思います。単なるグチで終わらないで、状況は変えられなくても自分の考え方や行動を変えるきっかになると良いなと思います。むしろ自分にとって本音を言える場がほしいのかもしれません。

柴田:「本音を吐ける場」のイメージがわきました!すみません、本ばかり紹介しちゃいますが、もう一つ読んで欲しい本があります。

この本は、同じように「本音」を話せる場を少しずつ社内でつくっていくプロセスが書かれている本です。この本をよんでみて、社内の有志で少しずつそういう場をつくっていくイメージはわいたりするでしょうか?

話していて何となく本音を言える場をつくる前に自分が本音を言うことが先のような気がしてきました。率直に感じたことを言うとか。言いふらしも自分の本音なんだと思います。

柴田:なるほど!それは小さなスタートしてよさそうですね。本音をいう相手はみつかりそうでしょうか?もしくは、日記など、テキストに書き起こしてみるという手段もあります。個人的には、職場の中である程度話せそうな相手と、1週間に30分だけもらって、意図を説明した上で、上の本のようなことをやってみるのもありかなとは思います。

30分話すとなると相手は見つからなさそうです。
それよりも何気ない会話の中で、ふと感じたことや思ったことを率直に言葉にすることを意識する方が良いかもしれません。今まで自分の本音を殺してきました。これ言ったら失礼かな、と先回りして考えて結局言わないことが多かったです。自分が本音を言えば、場はなくても私に対しては本音を言ってくれるような気がしてきました。
あとは、別の記事で書かれていた雑談を意識するのも面白いと思いました。
休日何してますか?→料理、ではなく→サンドイッチを作ること、のようなことです。今までは完全に前者だったので、それをやってみるのもありです。

柴田:「自分が本音を言えば、場はなくても私に対しては本音を言ってくれるような気がしてきました。」確かにこれは真実かもしれません。しかも、小さくチャレンジしてみることができます。何人かにいつもよりちょっとだけ本音を出してみて、ぜひ結果(相手の反応)を教えてください!

本音を出すというのに、2つ追加してみようと思います。
・疑問(聞きたいこと)はその場で聞く
・要求がある場合はその場で伝える
今まで本音と言ってきたのは、意見や主張という特定の意味で使っていました。疑問や要求も自分の本音の一部なのですが、今まで自分で勝手に相手の気持ちを解釈して聞きたいこともやってほしいことも言わずにいたのだと思います。意見、疑問、要求を相手に伝えることをします。

・ホテルに宿泊したときにスタッフの方に聞いてみたいことをいくつか聞いてみました。素人みたいな質問にも丁寧に答えてくれました。相手は仕事の一環としてやりとりしたのかもしれませんが、それが私にしてみたら最初に率直に聞く相手としては良かったように思います。次は自分の身近な人に本音を行ってみます。

・関東圏以外に住んでいて、周囲の人はコロナに対して敏感で県外に出かけたというのは言いにくいと感じていました。その上で、ある人に東京に行ったと伝えてみました。そうしたら『私も最近行ってきた』と意外な反応でした。そこから話が展開して相手の趣味などがわかって、私もいろいろな情報がもらえました。

・買い物に行ったとき弁当箱を見ていたら店員さんが話しかけてきました。ふと気になったこと(弁当箱を使っていく過程での変化)を聞いてみると、店員さんははっきりと答えなかったので、自分で使っているわけではないんだと思いました。

柴田:おお!これはとてもいいですね。確かに日常でもちょっとした「気になったこと」を口に出すとか、そういう習慣から始めるのは、とてもいいと思います。
これは私にとってもすごく発見がありました。確かに仕事でいきなりスタートする必要がないですよね。ひとつ質問なのですが、「意見、疑問、要求を相手に伝えること」をやってみての自分の中での変化は何かあったでしょうか?

ひとつ自分を許すことができました。ここがわからない、この部分が自信がない、と伝えると丁寧に教えてもらえることで、わからないことをわからないと言って良いんだと思えました。今まではわかっていなくてもわかったように振る舞って、結局後で聞き直すという無駄なことをしていました。

子供の頃に親から厳しくしつけられて、自分の意見を言えずに親に言われたことにしたがっていた影響が、20代になって現れて鬱になったのを思い出しました。もう鬱は克服したのですが、条件がそろうと再発するリスクはあると思っていましたが、リスクが減っていく気がします。

先日社内のとある部署で空いているポジションのスタッフ募集があったので、応募して面接を受けました。そのとき面接官の質問の意図や言葉の意味がわからなかったので、確認のための質問をしました。今までは何となくわかったような振りをして話を進めていたので、大きな進歩と思います。
最近わからないことはわからないと率直に言えるようになってきました。言い切ってしまうと、昔は合ったモヤモヤがなくなったように思います。

柴田:最初のご相談内容とは違う着地になりましたが、ご自身の中でひとつ前進があったのであれば、これにていったん終了とするのがよさそうです。
ご相談がありまして、これ匿名性をもう少し増した形で、私のnoteで公開させていただけないでしょうか?(もちろん、事前確認はしていただきます)似たような方の参考になる部分もあるのではと思いまして!

これまでありがとうございました。おかげさまで自分の考えが整理できました。私の事例が参考になるようでしたらぜひ公開してください。
自分の意見、疑問、要求を率直に言うことが今の自分の課題だったと気づきました。その課題が見えにくくなっていて、それを認識するためのプロセスでした。
今思うと、自分の市場価値を知りたいと感じたのは、そのプロセスに入るきっかけにすぎなかったので、最初と違う着地になるのは当然のように思います。
このプロセスで、自分のなかの違和感を受け容れてそのように感じた理由を突き詰めていくと自分自身の課題に行きつくことがわかりました。課題が明確になると今の自分にできることを始めて、そこから変化していきます。

自分なりにまとめてみました。
違和感:自分の市場価値を知りたい(→背景:今の職場では自分の価値を感じない)
感情:周囲に受け容れられないと考えて、本音を言ってはいけないと感じていた
課題:自分の意見、疑問、要求を伝える
できること:要求を受け容れてくれる人(ホテルスタッフなど)に要求する

今回は以上です!

この記録で表現できないのは「返事するまでの間」かもしれない。相手に返事するまで1週間ぐらい空いたりして、お互いに考える時間がとれている。私もどういう返事をするかすぐに思いつくわけじゃない。この返事を急がなく宛ていい「間」が文通形式のポイントだと思う。そういえば最近似た記事を書いた。

最終原稿チェックのときにいただいたコメント。

最後に書かれていますが、文通形式が良かったと思います。
・時間の自由度が大きかった
・質問に対する答えをまとめる時間があった
・時間を置いて答えを追加できた
1on1が流行っているようですが、面着ではなくこういった形式の1on1も面白いですね。

非同期1on1(=文通)はいろいろ可能性ある。興味がある方は以下からご連絡ください!ゆるくやっております。






誰かが書いてたけど、サポートしてもらったらそのお金をだれか別の人のサポートに回すと書いていて、それいいなとおもったのでやります!