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炎上マーケティングがおきる理由と、その応用

柴田(@4bata)です。書籍「反脆弱性」、ひさびさに良い本を見つけました。そこからの気づきを自分なりに書きます。炎上マーケティングの本ではなく、炎上マーケティングにも適用できる「構造」を書いた本です。

炎上マーケティング(炎上商法)とは

炎上を意図的に引き起こし、世間に注目させることで売り上げや知名度を伸ばすというマーケティング手法である。(wikipediaより)

炎上マーケティングがおきる理由

炎上して多くの人に批判されても本人はそんなに困らない。その裏で特定の人に圧倒的に好かれて、それぞれが月1万円ぐらい払ってくれるとか。これなら実行する理由になる。

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本人はいいけど、周りは迷惑

本人は困らないけど、嫌な気分になった100万人側は迷惑だ。それを追加するとこうなる。

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選挙にも似た構造がある

選挙には「マイナス投票」がないので、批判者が増えてもそんなに困らないケースがある。野党の候補一本化とかはこれの対策か。対抗馬が複数いると効果が落ちる。

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よいことにも使える。新しいチャレンジを小さく試す。

ここからが本題。新しいチャレンジをするときに使える。

設定:100個のあたらしいアイデアを試すとき
・何がうまくいくかわからないが、1個は成功する
・99個は失敗する

たとえばこういう設定とする。何がうまくいくかはわからない。やるべきことは、失敗してもダメージが少なく、上手くいくとリターンが大きい構造にしておくこと。

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100個のアイデアを先に吟味しない

何がうまくいくかわからないので、しなくていい。大抵は100個のアイデアをプレゼンさせて、吟味したりする。アイデアを吟味したいひとの頭の中だと、こうなってるのかも。

前提:アイデアの内容を聞けばある程度成功、不成功の予想ができる
・失敗度が大きいとダメージが大きくなるイメージをもっている
・うまくいきそうなアイデアだけ事前に選別したい

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きもちはわかる!それは無理。「ノーベル賞 偶然」で調べたらこんな記事があった。

100個のアイデア実行時に、失敗度が大きくなってもダメージが少なくなるようにしておく

ここが肝だと思われる。「小さく試す」といっても、仕事内容によって、「ダメージを少なくする方法」は異なる。

何かしら「許可」を出す上司的な人は、自分の知見から考えると「うまくいかないかもなあ」と思っても、NGを出すのではなく、「どれだけダメージが小さくなるような、小さいお試しとしての許可を出せるか」を工夫したほうがよさそう。ここの能力が高いとみんな自由にできるけど、ダメージがすくない、という状態がつくれる。意外とうまくいったりするし!

「どうやって?」と思った人!それを考えるのがあなたの仕事です!私も頑張って考えております。ただ、世の中には「小さいチャレンジをダメージ少なく試す方法」が既にいろいろあるはず。以下、なんとなくそうかな?みたいなものを紹介した。

プロトタイプみたいな話。

たとえば車メーカーがニューモデルを販売する場合を想像してみてください。車は大ヒットとなればば100億円単位の売り上げが生まれるけれど、外したら同じくらいの赤字が出る産業です。つまり、尖ったアイデアの商品になればなるほど、市場に出すのに大きなリスクが生じる。だから事前に、限りなく実際の販売環境に近い状況を作ってテストをするんです。モックアップを作ったり、店舗を作ったり、その商品が載っている雑誌の記事まで作って、テスト参加者であるお客さんの反応を見る。そこまで徹底すると、商品が実際に売れるかどうかが、かなりわかってくるんです。もちろんお金はかかります。けど、数百億円の損失の可能性と比べたら、数千万円くらいを投じてテストをするほうがずっといいですよね。(引用元

洗濯機が売れるか検証するときに、家電量販店のダミー店舗をつくる。洗濯機の「見た目」だけで選ばせる。「洗濯機の機能」だけで選ばせる、とか、いろいろ書いてあって面白かった。「β100」で調べてみてください。本もある。

スケジュールとかでも、失敗度が高くならないように、ダメージ減らす工夫をしてるものがたくさんあるはず。私は詳しくないです。

人の稼働とかもあるはず。

「失敗のダメージを少なくする方法」という軸で見ると、いろいろ知ってる知識の再編集で学びがあるかも。

100個のアイデア実行後、本人も気づいてない「成功の兆し」を見つける

こっちも結構重要。適当にいろいろやってもらったものを「観察」しておく必要がある。広く全体を見ている人は「Connecting The Dots」ができるから、別の応用可能性も見えたりする。

Connecting The Dotsとは
Dots(点)は、ひとつの事象やデータを指します。Connecting(つなげる)とは、それらをつなぎ合わせて新しい概念を発見することを指します。つなぎ合わせる点(事象やデータ)は、必ずしも新しく発見した点でなくても、以前からある既存の点であってもかまいません(引用元

依頼される側はそんなに実行できない。実行されたら儲けもの、ぐらいにしておく。

いろいろつなぎ合わせて着想するのが得意なひとは、アイデア思いついたら実行したくなる。依頼される側はそんなにいろいろ実行する余裕はない。

思いついても、伝えるだけでよい。アイデアを言って実行されなくてもダメージは少ない。ひとつでもやってくれたらありがたい。これも吟味して伝えがち。もしくは全部やってほしいと思いがち。それは無理!

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「目的論的仕事観」と「いじくり回し的仕事観」で住む世界が違うので会話ができない説

ちゃんと目的設定して、アイデアを吟味する仕事のやり方をしている人。多産多死で、いろいろ「いじくり回して」そこから何かを生み出していく仕事をしている人。互いの住んでいる世界が違う。むしろ二つの世界の住人が一緒に仕事をしたら最強なのでは。だから、互いに「違う世界の人に説明する言葉」が必要だと思われる。

この文章は「目的論的仕事観」の人に対して「いじくり回し的仕事観」を伝えるために書かれた。

以上です。


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