20231229_雲をひとつかみ

 自分の行動を、一日という単位で区切る・締め切りをつける事によって、「とりあえず(その場限り)の意見」を作る練習をしてきた。内容の質については問わず、ただの記録として。だから、意味というものは何もなくて、ただ提出するという行為をしている。意味を作るという目的が、自分にとっては窮屈に感じてしまうから、なんとなく書き続けるという行為が、空洞な 自分を上手く動かせる。
 文字を書くのが楽しいというよりかは、手をリズムよく動かしているのが楽しいのだろう。作品を作っている時も、意味を作っていなくて、ただ心地よい方向に進んでいるだけ。作品に個性が出るという感覚は、よく分からない。だけど、他人から見たら「自分らしいね」と言われる。癖というモノが見えない所にあって、それはいつまでたっても自分は見ることが出来ない。
 頭の中の小さな爆発が、自分を吸い寄せていく。よそ見して、よそ見して、前に後ろに、左に右に。その求心力で、自分は動いている。それは、どうやっても逃れる事は出来なくて。眼鏡をはずして、現実を見ると、そこには境目が無くて、人間もモノも自然も、混ざっている。そこには、優位性は存在しなくて、何もかも平等な世界だ。僕らを囲む輪郭線が、差別化を生む。その輪郭線は、「名前」と呼ばれる。名前が付かないものは、不安定で常に揺れ動いている。だから、可能性を持っている。
 
 

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