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【アート×テクノロジー×スピリチュアルの統合】

NAKED, INC.の「ネイキッド占い」やデジタルアートとサウナの「TikTok チームラボリコネクト」の様にアート×テクノロジー×ライトなスピリチュアルだったり、”ととのう”マインドフルネスが若者の人気スポットになっています。これはZ世代の価値観が外在的な物語ではなく内発的な欲求としてマインドフルネスに向いてる傾向をいち早く場にとして表現しているのではないかと勝手に思っています。

20代はどこにリアリティーを求めているのでしょう。
正解が見えない世の中で、彼らは肌感覚で経済や政治が全く信頼できず、そのリアリティや存在意義がどんどん希薄になりつつある事を感じ取っている様です。一部ではありますが、傾向として20代の女性に多くの社会課題に向き合う姿勢が生まれているように感じます。既存の社会に正解が出せないのであれば自立して自ら正解を創るという意識は、社会のヒエラルキーの崩壊とともに女性の社会進出と相まって色濃くなっている様です。逆に男性の方が既存の経済や組織への依存度はいまだに高く感じます。

この先、現実(フィジカル)と仮想(ヴァーチャル)の境界がどんどん曖昧になっていくでしょう。将来のテクノロジーは如何に境界の曖昧さを享受できるかという事かもしれません。境界が曖昧になるとは、例えば入力デバイスがなくなっていくとか、、。機械と人間の間には入力という作業が必要です。直感的にオペレーションとつながり機械に指示を出せる様になると機械音痴がなくなります。つまり、高齢者や障害のある方々にテクノロジーが今まで以上に開放されます。コンピューターやAIを使っているのに使っていない様になる事が目指すテクノロジーであり、ユーザー体験としてのDXではないかと思います。その時、どこまでが自分の意思で、どこから機械のサポートなのかが曖昧になっていきます。

グーグルの創業者ラリー・ペイジとサーゲイ・ブリンは「僕たちがやろうとしているのは画面の前に座った瞬間にその人が知りたいことがパッと画面に出てくる世界を作ることなんだ」(「クオンタム思考」村上憲郎著より引用)と語っていますが、まさにその世界です。

現実(フィジカル)と仮想(ヴァーチャル)。ナラティブな内的思考とデジタルな外的思考を統合する思考が必要になるなかで、橋渡しをするのがアートではないかと考えています。常時接続が一般化したデジタルネイティブにとってこの感覚は普通になっているでしょう。アーティストは創作の結果、オブジェクトを作りますがオブジェクトの前には、何があったかというと、心(精神)の奥底に抽象的な概念があるだけで、それが具体化されてオブジェクト(物質)つまり作品になって表現されている訳でこれがアートという行為なのだと思います。つまり、精神という無形のものと物質という有形のものを結ぶ行為がアートなのかもしれない。 

アート(内在的)×テクノロジー(外在的)を統合する思考は常時接続のデジタルネイティブにはすでに起きていることです。店舗や通貨といった物理経済がネット上に移行し、同時にコミュニケーションもネット上に移行していまう。コロナ禍の背景もあり、バーチャルリアリティ(VR)の世界でも仮想共有空間(メタバース)も急速に進化していくでしょう。Facebookは「メタバース」に5000億円以上を投下すると発表しました。仮想空間の会議サービス「Horizon Workrooms」の中で社員はアバターとなって会議を行います。

「Horizon Workrooms」ではコントローラーのボタンや操作などを覚えなくても、自分の手で自然なコミュニケーションをすることができ、メタバース内で自分のPCを操作するなど、コントローラー不要で現実空間と同じことが実現できるようになっています。

今までのようなZOOMではなく自分のアバターで会議をするのが当たり前になるかもしれません。そして、次に何が移行するかというと精神ではないかと思います。通信速度の高速化は神経の伝達速度です。また、処理能力が向上しネット上のあらゆる情報を学習したAIが人のように思考し、対話することは容易でしょう。数年以内にweb上でチャットしている相手が人間かAIかの区別もつかなくなります。20年ほど前にソニーコンピュータサイエンス研究所(CSL)の北野宏明社長との対談でAIに心が持てるか?という質問をした事があります。その質問に生と死という概念はプログラムはできても体現できないからだ、死の概念がなければ心は生まれない。でも、人間の側からAIに心があると思うことは可能だ。と答えていただきまし。AI自体に心がなくてもそれを使う人間側がAIに心があると認識すればそれは心(精神)が持てると言える。と解釈できます。

精神性と身体性がテクノロジーによって統合される。これがDXの向こうにあるHX=ヒューマントランスポーテーションではないかと思うのです。全身が動かなくなる難病「ALS」で余命2年を宣告されたコンサルタントであり、ロボット科学者でもあるピーター・スコット-モーガン氏は「AIと融合」し、サイボーグとして生きることを実践しています。まるでSFのような話ですが、時代は既にAIとの融合を試み始めているのです。

「NEO HUMAN ネオ・ヒューマン: 究極の自由を得る未来」
著者 ピーター・スコット-モーガン



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