011. マイクロフォンを動かすか否か
前回は「オーケストラや室内楽を録る際に最も重要なこと」でしたが、今回も中々に重要な内容です。
とあるレコーディング・セッションで、テスト録音を聴き返したところ、低域が豊かすぎる――つまり、もわっとした音になっていたのです。
そこで、とある演奏家から、「マイクの位置を少し下げたらどうか」と提案がありました……的確な判断に私は関心しましたが、とても傲慢とも思いました。たしかに低域はスッキリするでしょう……しかしながら、他の楽曲において低域が不足する懸念もあったので、私は、ステージ上の楽器の位置(立ち位置や配置)を動かすことを提案しました。
なぜ、私は、「マイクロフォンを動かさない」という判断をしたのでしょうか? “普通” に考えたら、
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