見出し画像

【33日目】雨に濡れた街道 ※コクラン70km先〜プエルトユンガイ

【アウストラル街道単発自転車旅日記㉞】

2024年11月9日 走行日のみ→18日目
天気→雨 気温 最低1度 最高7度
10時出発〜16時到着 走行時間6時間

■コクラン70km先キャンプ場〜プエルトユンガイの向こう岸

11月9日走行ルート

とりあえず今日は52km先のフェリー乗り場まで。

アウストラル街道終点の街オイギンスがある陸地とプエルトユンガイを結ぶ無料のフェリー。

出航時間は10時12時16時18時とあって、とりあえず16時で向こう岸まで渡りたいと思いスタート。

向こう岸のフェリー乗り場の待合室は24時間開放されていてトイレに電気もあり多くのチャリダーがそこで夜を明かしてるようなので僕もそこでテント張るつもりで出発です。

ただねぇ、今日は朝から雨なんですよ…

初めてかも出発時からの雨は

朝テントからでたらてテン場が占拠されてた

アウストラル街道は雨が多いことで有名。
でも割と僕は雨を避けてたのもあって数えるほどしか雨走行していませんでした。運が良かったのもあります。

本当はせっかく景色の良い道なので、雨の中で走るのはもったいのですが、もう終盤なので是非も無いと思いカッパを着込んで出発です。

多分出発時から降ってるのは初めてです。

まぁ、これがキツかった。以前風が1番キツイって書いたことあったけど雨もめちゃキツイ…

何が今回キツかったって、寒いし道は重くなるし滑りやすいし寒いし鼻水出るし寒いんですよ。

でも、今日は52kmです。走り切るしかないのです。

雨の割には順調順調

雨でも景色はそこそこいい

とりあえず30km「最初の30km」だけ頑張るぞと自分に言い聞かせて一定のペース漕ぎ続けます。

登り坂も大革命のギアを駆使して登っていきます。

そしたら、2時間半くらいで30km到達しました。

さすが1ヶ月近くチャリンコ漕いでるだけはあって、少しずつ速くなっている気がします。(ただ、オニ寒で全身びしょ濡れ)

丁度雨を避けられるいいベンチがあったので、ブルブル震えながら昼食タイムです。

定期的に屋根付きベンチが現れて嬉しい

こんな寒いのに、お昼ご飯は叫びたくなるほど美味しく感じました。これだからチャリンコ旅はたまりませんな。


気力尽き峠に翻弄される

例のごとくこの昼食の後は気力が出ないいつもの僕です。

ただ、後20kmちょっとです。無心で漕ぎ切れる距離にはちょっと遠いけどっ無心で漕ぎ切れる距離です。(どっちなんかい)

と思ってたら来ました。峠です。

峠がある事は知ってたので「やっとか」という気持ちと、「頼むこれを超えたらもうデカい登り坂は無しにしてくれ。小分けにせずここに集結させてくれ。5kmくらいなら許す」と、雨に濡れたアウストラル街道に懇願していました。

いや、この時は懇願と言うよりはちょっと上から目線で「2kmとか3kmとかで終わらせず、ここでおもいっきり登らせてみろ!!その後いっきに下ってやる!!」と挑む感じだったかもしれあせん。

まぁとりあえず、(せいぜい2〜3kmくらいやろ)と思いながら急勾配の曲がりくねったり峠を押し始めたのです。

このメンヘラ街道が!!

所詮2km〜3km程度だと思っていた僕でしたが、気づけば2時間以上押し続けていました。

5kmなら許すと言った登りはいつの間にか、6kmになり8kmになり10kmを超えて行くのです。

なんというか、これまでにない意地悪な感じをここアウストラル街道は出してきました。まるで、僕を嘲笑うかのように登り坂を次から次に繰り出してきます。しかも、雨に濡れて滑るんです。このアウストラル街道めが。

どんな感じで意地悪かというと、大きい峠の中に中峠や小峠を頻繁に出してきて、超急勾配の下り坂を短く下らせて、急勾配の登りを長く登らせるみたいな。

まるで、構うと離れ離れると構ってほしい顔をする子猫のような、飴あげたあとに鞭を打ってくるような、期待させといて裏切るような、要するにあれです。メンヘラのような道が続くのです。

12km地点くらいで、(絶対ここ頂上)みたいなところがありまして、「だっはっは!登り切ったぞ!見たかアウストラル!」と叫んでみました。そしたら、見事にちょっと下っ先でまた登らされてしまいました。

下りは下りで寒すぎて鼻水だらだらで、全てがキツいです。

辛くて坂の途中で投げ出した

最後には、アウストラル街道の中峠小峠たちに翻弄されすぎて「僕君の事がもう分からない!」と、安いメロドラマみたいなセリフを叫んでしまっていました。

下り坂も歩かないと危険に

あまりに小峠を頻発してくるので、いつのまにかお笑い芸人の小峠のギャグってなんだっけとか考え始めてしまっていました。(くだらない駄文です)

「パワー!」(違う。これは筋にくん)

「おっぱい飲みたーいの!」(エドハルミやんけ)

「ハンバァァアグ!」(それはハンバーグ師匠や)

「パワー!!」(だからそれ筋にくん!)

みたいな事を一人でやってたら、この20kmの道最後の下りに到着してしまいました。結局残り20kmはほぼ大峠の中にある中峠小峠に翻弄されてた気がします。

雨に濡れた坂を下るのは怖くて、後半は下りも歩いて恐る恐るという感じで大変辛い52kmでござんした。

(ちなみに、最後かと思われる長い坂を下って後にもう一回謎に登らせてくる)

フェリーで向こう岸へ

フェリー乗り場は無人で本当に運航してるの?という感じでしたが、寒すぎて屋根と壁があるところに到着しただけで救われる思いがしました。

カフェから撮影。茶色建物が待合室。トイレなしベンチがあるだけ。電気もない。できれば向こう岸の待合室のほうが綺麗だから渡ったほうが良い。

到着したのは15時40分です。色んな人のブログでみるカフェが近くにあったのでそこに入り、お菓子とコーヒーを注文します。

そこのセニョーラ曰く16時に船が出発するとのこと。

16時5分前くらいに近くの船が港に寄せてきたので、チャリンコと共に乗り込みます。

フェリーの中はあったかい

ちなみに、この時の乗客は僕一人でした。きわのきわのきわてかんじでしたね。(ちょっと何言っているか分からないです。)

待合室で夜を明かそう

船の中にはこじんまりとした客席があって、暖房器具の前に腰掛けます。

地べたに座る事になりますが、そんな事気にしてられません。濡れた服がどんどん体温を奪っていくのです。

背中から伝わる暖かさを感じて気持ちよくなってると、なぜか「うわー楽しいな」と呟いていました。

辛いけど、この「ホッ」とした瞬間の心地よさは筆舌し難い達成感を感じさせてくれます。

船は1時間もしないうちに向こう岸まで着いてしまいました。もう少し服を乾かしたかったんですが。まぁ、しかたありません。

向こう岸の待合室は綺麗で何より雨風を凌げる最高の場所でした。

車で旅してるおじいちゃんが先にいたのですが、彼は車で寝るらしくご飯だけ中で食べて20時ごろには車に戻っていきました。(僕に気を使ってくれたんだと思う)

コンセントもあったので、ドライヤーを使って濡れた服を乾かしているとあっという間に19時くらいになってしまい、ご飯を食べて就寝です。

待合室テントはこんな感じ

予定では後2日でアウストラル街道走りきります。頑張りましょう!

プチ情報まとめ

◆プエルトユンガイまでの道
比較的走りやすい。
ラスト20キロは峠。中峠小峠が続きずっと登らされている気分になる

◆待合室
プエルトユンガイ側も24時間開放されていてテントを張れると思う。
ただ、電気やトイレ水がないので向こう岸に渡ったほうがいい。
近くカフェあり。良い感じのおばあちゃんがやっているが「チャイナの目はこう」「ジャパンの目はこう」とジェスチャーでなんかやっていた。「あなたはハポンだわね」と言いたいだけで特に悪気はなさそうだったけど。

いいなと思ったら応援しよう!